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もっといい経営者になるための「5レイヤー」メソッド
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07:人事評価の実装|設計から運用までの実務ステップ

2026 4/21
2026年4月21日
H.HORII

人事評価を「ちゃんと」やりたい。
でも、どこから手を付ければいいのか?
どうやって運用すればいのか?
イメージが付かない…

「10人~200人規模の中小企業経営者」の「自己投資=経営脳トレーニングのサポート」を目的に、「もっといい経営者」「もっといい会社」に成長するためのヒントを日々更新しています。
元税理士のマネジメントコーチ・堀井弘三が、40年近くの経験と知識に基づき執筆しています。

「人事評価制度」を作ったからといって
「会社が良くなる」ことはありません。

それどころか
「運用」を間違うと
「チーム崩壊のリスク」すらあります。

中小企業にとって
「人事評価」は
「ハイリスクハイリターン」
。

「道具」は正しく使うことが必要です。

中小企業の人事評価、
設計から運用まで、順を追って整理
します。

あわせて読みたい
02:人事評価の現実|中小企業が失敗する理由 評価基準、評価、評価面談・・・。中小企業にとって「人事評価」は「メンドウ」な仕組み。もっと「カンタン」にできないものか? 「人事評価」、やってますか? 「人事…
INDEX

人事評価制度の設計

まず「制度設計」。

中小企業の人事評価制度は、次のステップにそって「丁寧に設計」します。

「丁寧」に!

とても重要な視点です。

Step1:チーム設計

人事評価制度は
「最高のチーム」を作るための
「道具」
です。

「なぜ、人事評価をするのか?」

「どんなチームを目指すのか?」

制度設計は、目的やゴールを鮮明にするところから始めます。

ここを「雑」にすると、多くは「失敗」します。

「人の格付け」をするのではありません。
「貢献度」を公正公平に評価するためです。

「最高のチームのための貢献度」。

だから「チームのイメージ」が大切なのです。

具体的には、一般的にいう「組織図」を作成し「最高のチーム・理想のチーム」を可視化します。

  • どんな部門が必要なのか?
  • どんな人材が必要なのか?
  • どんな配置がいいのか?
  • どんな指示命令系統がいいのか?

これらの検討によって、部門や職種が明らかになります。

一例を挙げると、次のような「絵」になりますが、これに関わらず「逆三角形」や「ナベブタ」でも構いません。

中小企業の組織図サンプルイメージ

詳細は、この記事を参考にしてみてください。

あわせて読みたい
01:人事評価の本質|組織を育てるための道具 「人事評価」をやるか?やらないか?その判断軸は究極の二択。「人を育てるしんどさ」か?「人が育たないしんどさ」か?さて、どっちにする? 人材は育ってますか? 人…

Step2:評価基準の作成

「組織図」ができれば、各ポジションに「どんなスキルが必要なのか?」を言語化していきます。

「こんなスキル」が
「こんなレベル」なら
「申し分のない満点人材」

それを表すのが「人事評価基準」です。

実務的には
「基礎スキル」と
「実務スキル」の
「二本立て」で作成することをお勧めします。

基礎編

「基礎スキル」は、職種や新人、ベテランなど関わらず、全員に共通するスキルです。

例えば、次のような10項目です。

  1. 社会人としての考え方と行動
  2. 組織人としての考え方と行動
  3. 課題発見力
  4. コミュニケーション力
  5. 計画実現力
  6. 管理力
  7. 議論力
  8. 積極的経験力
  9. 伝達力
  10. 報連相力

これらの「評価項目」について「申し分のないレベル=求めているレベル」を言語化します。

この「満点」が、後述する「5段階の5点レベル」となります。

私がおススメしている「満点」は「他者の指導ができるレベル」です。

実務編

営業職、事務職というように、それぞれの職種別に「実務スキル」も10項目作成します。

例えば、次のような「評価項目」があります。

【営業職】

  1. 商品知識力
  2. 新規開拓力
  3. 企画・提案力
  4. 販売力
  5. 接客力
  6. 仕入力
  7. 採算力
  8. 課題解決力
  9. 作戦遂行力
  10. その他PR

【事務職】

  1. 専門実務知識
  2. 事務処理正確性
  3. コスト削減力
  4. 業務改善力
  5. ホスピタリティ
  6. 情報管理力
  7. コンプライアンス力
  8. 調整・交渉力
  9. 組織貢献力
  10. その他PR

【技術職】

  1. 技術専門性
  2. 設計・構築力
  3. 品質管理力
  4. 納期遵守力
  5. 標準化能力
  6. リサーチ力
  7. コスト意識
  8. トラブル対応力
  9. ナレッジ共有力
  10. その他PR

【製造・現場職】

  1. 作業習熟度
  2. 安全衛生管理
  3. 品質保持力
  4. 設備保全能力
  5. 生産性向上力
  6. 資材・在庫管理力
  7. 多能工化対応
  8. 異常検知・解決力
  9. チームワーク
  10. その他PR

【企画系職】

  1. 市場分析力
  2. コンセプト立案力
  3. 情報収集力
  4. プロジェクト管理力
  5. 販促実行力
  6. 費用対効果算出力
  7. デジタルリテラシー
  8. プレゼン力
  9. ブランド構築力
  10. その他PR

以上は、あくまでも「サンプル」です。

これらを参考にして、自社にフィットする評価項目をリストアップしましょう。

私の経験では「10項目が適量」です。

あれもこれも、と増やしてしまうと「運用の難易度」が上がります。

「人事評価は運用できてナンボ」です。

特に優先的な10項目に絞りましょう。

*もし「余裕」があるなら、「基礎・実務」に合わせて「マインドセット評価」を追加することもおススメです。

あわせて読みたい
06:人事評価の基準|「マインドセット評価」の追加案 「スキル」は充分なのに、なぜか「成果」がイマイチなメンバー。仮に「成果」があっても「期待している結果」とは違う。なぜ、この「ちぐはぐ」が生じるのだろう? 「人…

5段階評価のレベル設定

上記で「基礎スキル」と「実務スキル」について「申し分のない満点人材のレベル」が明確になりました。

前述したように、私のおススメは「他者の指導ができるレベル」です。

百聞は一見に如かず。

例えば、このようになります。

  • 【1点】理解・意識レベル
    • どうあるべきか?が分かっている
  • 【2点】行動・挑戦レベル
    • 実行しようとする姿勢等は認められるが、まだ日常業務において改善課題がある
  • 【3点】成果レベル
    • 日常業務に支障はなく、特別な場合を除いて補助者を必要としない
  • 【4点】習慣・信頼レベル
    • イレギュラーなことも対応できる・応用が利く
  • 【5点】指導成果レベル
    • 他者の指導・組織内外への拡散の成果実績がある

注意点は「シンプルがいい!」です。

そのためには、評価項目ごとに設定するのではなく、このように、すべての項目について「共通の定義」をすることが有効です。

なお、「1点」は「理解しているか?」を問うので、もし理解していない場合は「0点」となり、事実上「6段階評価」となります。

以上、評価基準の作成の詳細は、この記事を参考にしてみてください。

あわせて読みたい
04:人事評価の基準|5段階評価のサンプル|無料DL有 「人事評価」何を?どう?評価すればいいのか?イメージが湧かないなあ…お!いいサンプルがあったぞ! 起業する前、評価された経験がないので「評価基準」と言ってもぜ…

Step3:チューニング

以上で「形」はできました。

しかし「そのまま」は使えません。

自社のメンバーを公正公平に評価できるようにチューニングが必要です。

現メンバーを実際に評価し、その結果をランキングしてみて「違和感」が無いかを確認します。

違和感がある場合は、評価項目の再考、ウエイト付けの検討、職種係数の検討を行います。

評価項目の再考

「違和感」の理由のひとつは「評価項目」が足りないケースです。

例えば「発想力で差がついてる」のに「発想力」という評価項目がないようなケースです。

このような場合は、STEP2に戻って、評価項目の入れ替えを検討します。

ウエイト付けの検討

評価項目は適正なのにランキングに違和感があるケースは「ウエイト」のチューニングをします。

「ウエイト」とは、各評価項目の難易度の調整です。

例えば
「社会人スキルの1点」と
「ロジカルシンキングスキルの1点」は、
「同じ」でいいのか?の検討です。

もし「ロジカル」の方が難易度が高く、1点の重みが「社会人」に比べて重いならば「ウエイト2」と設定をします。

これによって「社会人3点」「ロジカル3点」の場合、3*1+3*2=9点という評価になります。

職種係数の検討

さらに調整が必要なのは「職種格差」です。

「営業部門のオール3点の人」と
「事務部門のオール3点の人」は
「同点」でいいのか?の確認です。

もし
「事務」に比べて
「営業」は2倍の差があるなら、
「営業」の「職種係数2」という設定をします。

これによって、お互い
「オール3=合計30点」であっても
「営業60点」
「事務30点」と差がつくことになります。

Step4:年間スケジュールの決定

以上で「人事評価基準」が完成しました。

次は「運用の設計」です。

具体的には…

  • 評価期間
  • 評価面談
  • 給与改定月
  • 賞与支給月

…など、人事評価に関連するイベントをどのような周期で、どのようなタイミングで実施するかを明文化します。

3月決算の場合のサンプルを例示しておきます。

月イベント①イベント②
3月前期末4Q:評価面談
来期経営計画と人事評価制度のリリース
「来期の目標」と「期待する貢献」と「必要とするスキル」を全員にプレゼン
 4月期首
 5月
 6月夏季賞与1Q:評価面談
 7月
 8月
 9月上半期終了2Q:評価面談
 10月下半期開始
 11月
 12月冬季賞与3Q:評価面談
 1月
 2月
 3月期末4Q:評価面談
来期経営計画と人事評価制度のリリース
「来期の目標」と「期待する貢献」と「必要とするスキル」を全員にプレゼン
4月新年度期首

人事評価制度の導入

次は、完成した「人事評価制度」をリリースします。

説明会の「アジェンダ」

導入にあたっては「説明会」を開催し、経営者自らが次の内容について全社員に解説します。

アジェンダのサンプルを参考にしてください。

  • 人事評価制度の目的
    「チーム作りのための成長支援」
  • 人事評価基準の解説
    「基礎スキル」「実務スキル」
  • 評価点を上げるための考え方と取り組み方法
  • 人事評価面談の目的と進め方
  • 年間スケジュール

プレゼンの注意点

この段階で
「点数を付けるための人事評価」ではなく
「成長支援のための人事評価」であることを
「全メンバーに正しく伝えること」が、
「メチャクチャ大事」
です。

多くの場合「人事評価でダメ出しされる」という漠然としたイメージを持っているメンバーが多いからです。

上述したように
「もっといい会社にするために、各自の成長が必要」
「そのためにみんなの成長を全力でサポートする」

この経営者の「ホンキ度」を伝える必要があります。

そのため
「このように評価する」
 だけでなく
「こうすれば評価が上がる」
 ということも伝える
ようにしましょう。

あわせて読みたい
01:人を育てる覚悟「ホンキ」で人を育てているか? 人を育てると、チームがよくなり、会社はよくなる。どうすれば人は育つのか?その方法はたったひとつ。「育成にホンキになること」。 人材は成長していますか? チーム…

人事評価制度の運用

「人事評価制度」をリリースした後、1年間の運用例を紹介します。

「人事評価制度」をチームに定着させ、成功させるためには「人事評価のときだけ」ではなく「日常化」することが、とても重要です。

事前説明会の開催

評価対象期間に入る前に
「人事評価の仕組みの目的や概要」
「人事評価基準の解説」を中心とする
「事前説明会」を開催します。

「人事評価」の目的が希薄化したり、独自解釈にズレることを防ぐために大切です。

重要:日常の観察

人事評価は「日常業務」です。

評価者は、日常から対象のメンバーの考えや行動を観察し、日常から「あるべき姿」に近づける関わりが大切です。

「評価の時期に過去を思い出す」という
「記憶に頼った評価」にならないように
「要注意」です。

「評価基準」に沿った
「日常のコミュニケーション」があれば
「評価の誤解」が防げます。

もちろん、このコミュニケーションが
「人材育成そのもの」であることは言うまでもないでしょう。

経過フォロー(半期または四半期)

半年ごと、あるいは四半期ごとに「評価面談:1on1」を実施し、成長課題への取り組みや進捗状況について共有する場を設けます。

各自から「現時点での自己評価」を提出してもらい、これに基づいた意見交換を行います。

順調であれば「この調子で!」と声を掛ければOKです。

そうでない場合は、適切なアドバイスを与えたり、悩み事に耳を傾ける時間になります。

期末評価

評価期間が終了すれば、上記の経過フォロー時と同様「自己評価」を提出してもらいます。

それに基づいた
「評価面談」にて
「今期末の評価」が確定します。

また、同時に「来年の目標設定」を行い、その目標をクリアするために、考動をどのように改めればいいか?どのような学習が必要か?についてアドバイスを行います。

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08:人事評価の実務|「評価面談:1-on-1」の進め方 人事評価の評価面談って必要かなぁ?全員との面談って数日が必要。省略したらダメだろうか? 人事評価の評価面談、大変ですね。 省略したらダメだろうか? は~? まさ…

成長課題の解決フォロー

期末評価で共有した「成長課題」を「解決」することで、人材は成長していきます。

必要に応じて、個別フォローや、研修の実施等を行います。

繰り返しますが、人事評価は
「点数を付けること」が「目的」なのではなく、
「成長支援」の「手段」です。

この「正しい目的」から、ズレないように「成長課題の解決フォロー」に「投資」しましょう。

あわせて読みたい
05:人材育成の課題「人が育たない会社」の共通点8選 人材が成長しないのは採用をミスったから?育成をミスっているから?それとも?原因は、他にある? 比較的少人数である中小企業においては、人材の成長=組織の成長=会…

人事評価を成功させるコツ

さて、どうでしょう?

「中小企業の人事評価制度」の設計から導入、運営までの順を追いました。

こりゃ大変だ!

これまで、何度も「こんな反応」を見てきました。

もちろんカンタンではありません。

なぜなら「競争力の源泉」ともいうべき「組織作り」の仕組みだからです。

もし、これがカンタンなら、中小企業に差は付かない、と言っても過言でないでしょう。

「経営は難しい」と言います。

それは
「組織作りが難しい」からです。

売り上げも、開発も、製造生産も「人の営み」である以上、すべて「根底」でつながっています。

いきなり「フルセット」でやる必要はありません。

「できるところからコツコツ」が現実的でしょう。

人事評価はカンタンではありませんが
意思決定はカンタンです。

「やるか、やらないか」の2択。

成功させるコツは
「組織作りにホンキになること」。

お役に立ちますように!

5部-評価編
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この記事を書いた人

H.HORIIのアバター H.HORII マネジメントコーチ

思考のスパーリング・パートナー

もっとエエ会社にしたいなら、
もっとエエ経営者になればええねん!

これが口ぐせ。

1999年に税理士事務所を創業し、
勤務時代も含めると約40年近く
300人を超える中小企業経営者の
成功と失敗を特等席で見てきた
「超実務家」。
2022年に幸せな事業承継を遂げ、
自ら「経営の入り口から出口まで完走」。

現在はマネジメント・コーチとして、
20〜40代の次世代経営者を
「あおって、いやして、元気づけて」
パフォーマンスを最適化するのが仕事。
その現場で得た「もっとよくなるヒント」を
惜しみなく日々発信中。

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