「人事評価」
何を?どう?評価すればいいのか?
イメージが湧かないなあ…
お!いいサンプルがあったぞ!

起業する前、
評価された経験がないので
「評価基準」と言っても
ぜんぜんイメージがない…
私に相談してくれる中小企業経営者には、このような方が少なくありません。
そんな方のために「中小企業で実際に使ってる実物」をサンプルとして紹介するので、ぜひ、参考にしてください。
ただ、先に書いておきます。
「人事評価基準」は、百社百様です。
軽はずみに「コピペ」で済ませてはなりません。
「やるなら、ちゃんとやる!」
「できないなら、やらない!」
中小企業にとって
「人事評価」は
「諸刃の剣」、
「ハイリスクハイリターン」の仕組みなので
「取扱注意」です。


【重要視点】
人事評価基準は「テスト問題」
まず「人事評価基準」とは何か?から。
「人事評価」の
「目的」は
「人材育成」を通じた
「組織育成」です。
評価の結果は「給与決定」にも使いますが、
それは「目的」ではありません。
また、人材育成は「PDCA」の典型です。
- Planning:どんな人材になってほしいのか?
- Do:実際の仕事ぶりを観察
- Check:人事評価で仕事ぶりを採点
- Action:成長課題の解決フォロー
「人事評価基準」は
「Check:人事評価」で使う
「テスト問題」にあたります。
「当社のメンバーとして何点か?」
したがって、ここで紹介する
「人事評価基準の作成」は
「テスト問題の作成」と言えます。


【サンプル】コピペ厳禁!
百聞は一見に如かず。
まず「実物」を見てみましょう。


このサンプルは「基礎スキル」の評価を記録するためのシートです。
各メンバーは、このシートに「自己評価」を記入して、評価者(社長?)に提出します。
人事評価は「基礎スキル10項目」と「実務スキル10項目」の「二本立て」で行うのが一般的です。
実際には、これと同じフォーマットで、職種別の「実務スキル記録シート」があります。
基礎スキル10選
このシートには「基礎スキル10項目」が記載されていますが、それぞれの内容は下記の通りです。
| 評価項目 | チェックポイント |
|---|---|
| 社会人としての 考え方と行動 | 社会人=自覚×正しい考え方・行動 「正しい」とは 「役に立とう」という姿勢 「迷惑をかけない」という姿勢 |
| 組織人としての 考え方と行動 | 組織人=目的認識×役割認識×行動 会社やチームの目標や目的を正しく認識しているか? その為の自分の役割を正しく認識しているか? チームのため、役割に基づいて行動しているか? |
| 課題発見力 | 課題=あるべき姿-現状 あるべき姿を具体的にイメージしているか? 現状を正しく認識しているか? その上で、課題を言語化しているか? |
| コミュニケーション力 | コミュニケーション=正確×タイムリー×手段 チームプレーに必要な情報の受発信を適切に、かつ自主的に実行しているか? そのベースに、相手への「思いやり」があるか? |
| 計画実現力 | 計画実現=正しい計画×正しい行動 (正しい計画=ゴール×シナリオ×キャスティング) 目標やゴールに期限を設定し、 その達成のために具体的な行動計画を立て、 それを着実に実行しているか? |
| 管理力 | 管理=事前想定×事前準備・事前対処 チャンスやリスクを具体的に想定できるか? 想定に対する事前対策や事前対処は充分か? |
| 議論力 | 議論力=当事者意識+発言力+傾聴力 会議や話し合いにおいて、常に当事者意識を持っているか? 自身の意見や考えは明確に発信しているか? また、他者の意見に対し素直に耳を傾けているか? |
| 積極的経験力 | 積極的経験=役割認識×積極的学習 自らの役割を正しく認識し、 その実行のために必要な学習や経験を 積極的、自発的に行っているか? |
| 伝達力 | 伝達力=結論+目次+内容 結論ファーストと 最短フレーズに配慮し、 相手が受け入れやすい話し方・書き方をしているか? |
| 報連相力 | 報連相=正確×タイムリー×思いやり・配慮 報告してあげよう! 連絡してあげよう! 相談してみよう!の実践状況。 |
どうですか?
少し、イメージはできましたか?
実務スキル10選
上記の基礎スキルは、全員共通ですが、実務スキルは「職種別」評価基準です。
営業職、技術職、総務職という具合に職種別に作成します。
参考として、5つの職種についてのテーマをリストしておきます。
基礎スキル以上に、業種や規模等、それぞれの会社で違うので、あくまでも「サンプル」としてご覧ください。
【営業職】
- 商品知識力
- 新規開拓力
- 企画・提案力
- 販売力
- 接客力
- 仕入力
- 採算力
- 課題解決力
- 作戦遂行力
- その他PR
【事務職】
- 専門実務知識
- 事務処理正確性
- コスト削減力
- 業務改善力
- ホスピタリティ
- 情報管理力
- コンプライアンス力
- 調整・交渉力
- 組織貢献力
- その他PR
【技術職】
- 技術専門性
- 設計・構築力
- 品質管理力
- 納期遵守力
- 標準化能力
- リサーチ力
- コスト意識
- トラブル対応力
- ナレッジ共有力
- その他PR
【製造・現場職】
- 作業習熟度
- 安全衛生管理
- 品質保持力
- 設備保全能力
- 生産性向上力
- 資材・在庫管理力
- 多能工化対応
- 異常検知・解決力
- チームワーク
- その他PR
【企画系職】
- 市場分析力
- コンセプト立案力
- 情報収集力
- プロジェクト管理力
- 販促実行力
- 費用対効果算出力
- デジタルリテラシー
- プレゼン力
- ブランド構築力
- その他PR
職務別の実務評価は、これらの評価項目に該当しない「特別な功労」が想定されるので、いずれも「10:その他PR」という項目を設定してあります。


【0点あり】
見た目”5段階”、実質”6段階”
「基礎スキル」も「実務スキル」も、それぞれの評価項目について「5段階」で採点します。
その目安は、次のとおりです。
| 1 | 2 | 3 | 4 | 5 |
|---|---|---|---|---|
| 理解・意識 | 行動・挑戦 | 成果 | 習慣・信頼 | 指導成果 |
- 【1点】理解・意識レベル
- どうあるべきか?が分かっている
- 【2点】行動・挑戦レベル
- 実行しようとする姿勢等は認められるが、まだ日常業務において改善課題がある
- 【3点】成果レベル
- 日常業務に支障はなく、特別な場合を除いて補助者を必要としない
- 【4点】習慣・信頼レベル
- イレギュラーなことも対応できる・応用が利く
- 【5点】指導成果レベル
- 他者の指導・組織内外への拡散の成果実績がある
ちなみに、見た目は「1~5」なので、5段階に見えますが、1点にも満たない(=理解していない・意識していない)ケースがあるので「0点」もありえます。
だから、実質「6段階評価」です。
最初、慣れない間は「2点と3点の境界」「3点と4点の境界」で悩んでしまうことが少なくありません。
その場合は「3段階視点」で評価すると、少しやりやすくなります。
- 1点以上だけど、3点でもない。だから2点。
- 3点以上だけど、5点じゃない。だから4点。
…という具合です。
【相互支援】
5段階の「5」の大切な意味
「5段階評価」における
「5=満点」の意味について補足しておきます。
上述したように
「5点」は
「指導成果レベル」です。
「人事評価」の
「目的」は
「人材育成」を通じた
「組織育成」です。
「最高のチーム」を作ること。
そのためには
「お互いの成長」を支え合うための
「相互支援」が重要です。
この
「相互支援」が
「文句なし!」というレベル。
これが「5点=満点」です。
- 「仕事ができる個人」なら4点。
- 「相互支援ができる」なら5点。
ここに「差」をつけることが「ねらい」です。
「相互支援」とは
「お互いの成長」を支え合うことです。
私が、よく社員研修でしてた話を紹介しておきます。
この
「判断」と「実践」の
「成果」を「評価」するための「5点」。
- 「4点」までは、自己研鑽を重ねる
- 「4点」に達したら、次は仲間に目を向ける
- そのおかげで仲間が成長すれば「5点」
この重要な視点を全員に伝え、
共有するための「5点」です。
合わせて「こうすれば仲間を引き上げられる」と、その「具体的な視点や方法」を伝えることも忘れないように気を付けましょう。
「仲間を引き上げる方法」は、経営者がいちばんよく分かっているはずですから。


【要点整理】習うより慣れろ
さて、どうでしょうか?
少しはイメージが膨らんだでしょうか?
「人事評価基準」は…
「当社の人材」として
「このようなスキル」を
「このレベル」で求めている。
…ということを伝える
「経営者のメッセージ」です。
上述したように
「他人が書いたメッセージ」を
「コピペ」して配布する、というような
「誠意のない仕事」にならないよう
「細心の配慮」をするようにしましょう。
最初は、難しいものです。
でも「習うより慣れろ」。
「あ~でもない」
「こ~でもない」という過程において
「本当に役に立つ」
「気付きや反省」があります。
実際に頭と手を動かしましょう。
繰り返しておきます
「やるなら、ちゃんとやる」
「できないなら、やらない」
「中小企業の人事評価の考え方」です。
お役に立ちますように!


【関連記事】
「組織戦略」全記事リスト
1部:概要編
2部:組成編
3部:採用編
4部:育成編
5部:評価編
このサイトでは、ひとりでも多くの経営者の方々のお役に立ちたいという思いを持って、なるべく深く、そして詳しく発信しているつもりなのですが、「ひと」に関することには「どうしても書けないこと=公表できないこと」があります。
特に、人事評価とか給与賞与に関するマネジメントには、その性質上「社員さんたちには知られない方がいいこと」があります。
お察しのとおり、このサイトは経営者の方だけではなく、一般社員さんたちもアクセスし読むことができます。
すべて「理想論」や「タテマエ」で解決できればいいのですが、「人に関する実務」はそんなに甘いものではなく、時には「荒療治」しなければならないシーンがあります。この「荒療治」を文字で誤解なく伝えることはとても困難です。
また、カモフラージュした「事例紹介」であっても、当事者の方々にとっては「あ、この記事、当社のことやん」ってすぐにわかってしまいます。それは、その社員さんにとっても「あ、自分のことだ」とわかってしまいます。「いい話」の場合はいいのですが「よくない話」の場合は、気分を害したり、あらぬ誤解を生じさせたりするリスクがあります。
このような理由で「トラブル解決系」や「裏技的な方法」は、一般公開しているこのサイトでは書けません。
「それが聞きたいのに・・・」と、物足りなさを感じられる方も少なくないと思いますが、何卒ご了承ください。
ただ、トラブルや裏技が必要になるときの共通した原因があります。それは、この「組織戦略」を疎かにしてしまったリバウンドであること。念のために書き添えておきます。



