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この記事は、更新時の情報と筆者の考えに基づくものです。
10名~100名規模の中小企業が「業績連動型賞与(ボーナス)」のトラブルを回避し、成功させるためにメンバーたちに必ず伝えなければならない3つの重要なことを補足します。
この記事は「業績連動型賞与の仕組み作りの概要」の補足です。
「業績連動型賞与」の仕組みを導入しても「うまくいかない」場合がありますが、そうならないために、ぜひ、この記事を参考にしてください。
【その1】目的を正しく伝える
業績連動型賞与を成功させるため(失敗しないため)に「目的を正しく伝えること」がとても大切です。
一般的に、給与や賞与の制度が未整備な中小企業において、メンバーたちは次のような不安や不満を持っています。
- 当社の業績は良いのか?悪いのか?情報開示されてないので不安
- 人事評価の結果が待遇に正しく反映されていないという不満
- 社長が「えんぴつナメナメしてるはず」というブラックボックスへの不安や不満
業績連動型賞与を導入することによって、これらの不安や不満を解消することが可能ですが、そのためには「業績連動型賞与の目的」を正しく伝えなければなりません。
業績連動型賞与のメリットは、経営側にとっては「人件費を変動費化することができる」「業績悪化時は賞与を減額することができる」など、経営の安全面を強調する意見が少なくありませんが、メンバー側にとって、これらは理解はできてもメリットを感じるものではありません。
10人~100人規模の中小企業・スモールカンパニーにおいてメンバー側から見た業績連動型賞与のメリットは次のようなことです。
- 業績が上がれば、きちんと報われること
- 会社の業績情報が開示されること
- 人事評価の結果に応じて公平に分配されること
- 賞与の根拠や計算プロセスがオープンになること
これらのメンバー視点でのメリットを伝えた上で「みんなで稼いで、みんなで分かち合おう!」という想いを伝えることが大切です。
「チームの一体感」や「強い当事者意識」をメンバーに期待するのは、これらのメリットと目的を伝え、正しく理解されたことを確認してからなので注意しましょう。
【その2】仕組みを正しく伝える
業績連動型賞与を成功させるため(失敗しないため)に次に大切なことは「仕組みを正しく伝えること」です。
「今後は業績に連動した賞与を払うよ」と、業績連動型賞与の導入を伝えても、そのルールや制度をメンバーが正しく理解していないと、せっかくの制度も「どうせ社長が計算するんでしょ?」「ただ計算方法が変わっただけでしょ?」とまるで他人事のような反応になることがあります。
そうならないように「賞与規定」の改定は当然として、より分かりやすくするために「業績連動型賞与マニュアル」のような補足資料も作成し、丁寧な説明をすることがとても大切です。
その際、より理解を深めてもらうためには「計算方法」だけではなく「どうすれば賞与が増えるか?」についても計算例を用いて示すと効果的です。
計算方法は、「業績×分配率×貢献率=あなたの賞与」というように、シンプルですが、それに加えて「どれくらい業績が上がれば、賞与はどれくらい上がるのか?」「人事評価の結果が上がれば、貢献率はどれくらい上がるのか?」など、いくつかの計算例を示すことで理解度は大きく変わるので、工夫してみてください。
なお、どれだけ丁寧に説明しても、仕組みが複雑すぎると「難しいし、わからん」と躓いてしまうことがあります。設計段階でなるべくシンプルに作るように気を付けましょう。
【その3】業績悪化時の取扱いを正しく伝える
もうひとつは「万が一の時の賞与はどうなるか?」です。
業績が想定以上に悪化した場合、賞与はどうなるのか?という話を必ずしておきましょう。
業績連動型の説明をするときに、ついつい「業績が上がれば賞与も増えるからがんばろ~!」と、今後の成長期待を込めることが多いのですが、当然「逆も連動」なので、悪化時についても事前に説明し、理解を得ておく必要があります。
この説明を「サラッと」「軽めに」すませていると、実際に悪化した時に、彼ら彼女らのモチベーションの低下や、不平不満など、思わぬ事態に発展するリスクがあります。
「業績悪化時のボーナス無し」を回避するために「最低保証額」の設定をルールに盛り込むなど「設計段階」で、充分に検討し、その経緯も含めて丁寧に説明しましょう。
【まとめ】3つを疎かにしないこと、絶対!
さて、どうですか?
業績連動型賞与のトラブル回避のために、メンバー(社員たち)に必ず伝え、正しく理解してもらっておくべき「マスト」を3つ紹介しました。
この3点は、絶対に疎かにしてはなりません。
「みんなで稼いで、みんなで分かち合おう!」という一体感を持ったチームで、各々が当事者意識を強く持って活躍する「もっといい会社」にするために必須なので気を付けてくださいね。
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