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08:成果分配の実務|各人の賞与を計算する「貢献率」

2026 5/04
2026年5月4日
H.HORII

中小企業が「業績連動型賞与」の仕組みを設計する際、「個々の賞与」を計算する「貢献率」をどうするか?

この記事では、「人事評価」の獲得ポイントに応じてシェアするための基本的な実務について整理します。

その検討にあたっては、次の2点を考慮しなければなりません。

  • レベルの「差」を調整する
  • 職種の「差」を調整する

…その前に、必要であれば…

「業績連動型賞与」の概要は、この記事で紹介しています。

先に読んでおきたい
02:成果分配の概要|業績連動型賞与の「ざっくり」 「みんなで稼いで、みんなで分かち合う」理想の「業績連動型賞与」もう賞与で悩まなくていい!さて、やる?やらない? 「組織戦略」の「5つの要素」の5つめ、(組成・…

また、「業績連動型賞与」の実装ステップについては、下記の記事で紹介しています。

先に読んでおきたい
05:成果分配の実務|業績連動型賞与の実装ステップ 賞与・ボーナスは、成果と貢献に連動させたい。さて、どこから手を付ければいいのか?↓↓方針→設計→試験→実装→運用まで順を追って解説します! 【方針選択】まず、おおま…

「10人~200人規模の中小企業経営者」の「自己投資=経営脳トレーニングのサポート」を目的に、「もっといい経営者」「もっといい会社」に成長するためのヒントを日々更新しています。
元税理士のマネジメントコーチ・堀井弘三が、40年近くの経験と知識に基づき執筆しています。

INDEX

【全体像】
業績連動型賞与の計算過程

「業績連動型賞与」は、簡単に言うと
「みんなで稼いで」
「みんなで分ける」という仕組みです。

要するに「山分け」。

「貢献率」は
「山分け比率」の話
。

下記のイメージ図にあるように、「賞与総額」に乗じる計算要素です。

業績連動型賞与の「貢献率」

基本形を例示すると次のようになります。

「業績×分配率」で計算した
「賞与総額:2,000万円」に、
「各自の貢献率」を乗じて計算します。

  全20名 Aさん Bさん Cさん 中略 Tさん 合計
 評価
ポイント
80点56点48点・・・16点800点 
 貢献率10%7%6%・・・2% 100%
支給額
万円 
200140120・・・402,000万円 

【大前提】
人事評価のルールは公開

「業績連動型賞与」の基本的な考え方は
「みんなで稼いで、みんなで分けよう!」。

当然ながら「公平」でなければなりません。

そのためには
「ルールが公開されていること」が
「大前提」です。

つまり「人事評価のルール」は、全員が正しく理解し、納得しておく必要があります。

「賞与の公平性」は
「評価の公平性」が前提です。

「おかしな評価」であれば
「公平、納得の賞与」は計算できません。

また、
「人事評価のルール」を公開せずに
「公平に計算したよ」と言ったところで、
「どうせ、社長の鉛筆ナメナメでしょ」と、
「不信感の温床」になってしまいます。

もちろん
「個々の評価の結果」は
「未公開」

とはいえ…

ウチには立派な評価制度なんてない

…という場合もあります。

最初は「簡易的な評価」でも構いません。

個人面談において
「A評価~E評価」で
「5ランク」に分ける、みたいな。

時間をかけて「立派」にしていけばいいです。

重要なのは…
「社長の頭の中」
「=ブラックボックス」ではなく、
「目に見えるルール」で
「貢献度」を決める
というプロセスです。

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【注意点】
公平にするための調整

残念ながら、多くの場合「人事評価」の結果は「そのまま」使えません。

「公平な分配」のため、次のような「調整」が必要になります。

「評価の差」を調整

私がコーチングの現場で活用している「人事評価基準」は、1点~5点の5段階です(0点項目もあるので事実上「6段階」)。

この点数によって「p(ポイント)」の計算をするのですが「そのまま」計算すると、次のようになります。

評価レベル理解
レベル
行動
レベル
成果
レベル
習慣
レベル
指導者
レベル
評価点12345
付与するp1p2p3p4p5p

各個人の「p」は、各評価項目の合計点になります。

例えば20項目で評価する場合…

  • オール4点のAさん:80p
  • オール2点のBさん:40p

…という「差」になります。

このまま賞与計算をすると、Aさんの賞与は、Bさんの2倍になります。

さて「これでいいか?」という検討です。

人事評価基準の難易度等で変わるので、それぞれの会社の事情によって「そのままでよい場合」「調整が必要な場合」があります。

「調整が必要な場合」にもっとも多いのは…

  • 「1点→2点」にアップする難易度
  • 「4点→5点」にアップする難易度

この「1点アップ」が「同じ1p」というのは公平じゃない、という考え方です。

このような場合は、次のように調整します。

評価レベル理解
レベル
行動
レベル
成果
レベル
習慣
レベル
指導者
レベル
評価点12345
付与するp1p2p4p6p10p

この例によると…

  • 「0点→1点」にアップしたら
    「1p」が追加される
  • 「4点→5点」にアップしたら
    「4p」が追加される

…という計算になります。

このように、評価点数に応じて付与するポイントが公平になるように5段階評価の「差」をチューニングすることを検討しましょう。

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「職種の差」を調整

次に検討が必要なのは「職種の差」です。

例えば…

  • 営業担当の50点と
  • 総務担当の50点は

…同レベルでいいのか?という検討です。

同点であると分配率も同率になるので両者の賞与は同額になります。

もし、それが不公平なのであれば、それぞれ職種別の「ウエイト付け」という調整が必要になります。

たとえば…

  • 営業職のウエイトは「3」
  • 総務職のウエイトを「2」

…とする場合、上記のケースであれば…

  • 営業=150p
  • 総務=100p

…となります。

調整事例

これら「評価の差」と「職種の差」を調整して「テーブルのサンプル」を作ると、次のようになります。

評価レベル職種
ウエイト
理解
レベル
行動
レベル
成果
レベル
習慣
レベル
指導者
レベル
評価点12345
 基準p  1p 2p 4p 6p 10p
営業部門2.02p4p8p12p20p
開発部門1.51.5p3p6p9p15p
管理部門1.01p2p4p6p10p

このサンプルの場合、20項目について「オール3評価」の3人を比較すると、次のようになります。

  • 営業担当者:60点:120p
  • 開発担当者:60点:90p
  • 管理担当者:60点:60p

また、翌年度、あるひとつの項目が
「3評価→4評価」にアップすれば…

  • 営業担当者は、4pアップ
  • 開発担当者は、3pアップ
  • 管理担当者は、2pアップ

…となります。

【まとめ】
結局「人事評価」の話

さて、どうでしょう?

すでにお気付きですね?

身も蓋もない話…

これ「賞与の話じゃない」ですね。

「公平公正な賞与」は
「公平公正な評価」の結果です。

改めて「人事評価の精度」について見直してみてください。

お役に立ちますように!

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このサイトでは、ひとりでも多くの経営者の方々のお役に立ちたいという思いを持って、なるべく深く、そして詳しく発信しているつもりなのですが、「ひと」に関することには「どうしても書けないこと=公表できないこと」があります。

特に、人事評価とか給与賞与に関するマネジメントには、その性質上「社員さんたちには知られない方がいいこと」があります。

お察しのとおり、このサイトは経営者の方だけではなく、一般社員さんたちもアクセスし読むことができます。

すべて「理想論」や「タテマエ」で解決できればいいのですが、「人に関する実務」はそんなに甘いものではなく、時には「荒療治」しなければならないシーンがあります。この「荒療治」を文字で誤解なく伝えることはとても困難です。

また、カモフラージュした「事例紹介」であっても、当事者の方々にとっては「あ、この記事、当社のことやん」ってすぐにわかってしまいます。それは、その社員さんにとっても「あ、自分のことだ」とわかってしまいます。「いい話」の場合はいいのですが「よくない話」の場合は、気分を害したり、あらぬ誤解を生じさせたりするリスクがあります。

このような理由で「トラブル解決系」や「裏技的な方法」は、一般公開しているこのサイトでは書けません。

「それが聞きたいのに・・・」と、物足りなさを感じられる方も少なくないと思いますが、何卒ご了承ください。

ただ、トラブルや裏技が必要になるときの共通した原因があります。それは、この「組織戦略」を疎かにしてしまったリバウンドであること。念のために書き添えておきます。

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この記事を書いた人

H.HORIIのアバター H.HORII マネジメントコーチ

思考のスパーリング・パートナー

もっとエエ会社にしたいなら、
もっとエエ経営者になればええねん!

これが口ぐせ。

1999年に税理士事務所を創業し、
勤務時代も含めると約40年近く
300人を超える中小企業経営者の
成功と失敗を特等席で見てきた
「超実務家」。
2022年に幸せな事業承継を遂げ、
自ら「経営の入り口から出口まで完走」。

現在はマネジメント・コーチとして、
20〜40代の次世代経営者を
「あおって、いやして、元気づけて」
パフォーマンスを最適化するのが仕事。
その現場で得た「もっとよくなるヒント」を
惜しみなく日々発信中。

詳しいプロフィールはこちらへ。

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