この記事は、更新時の情報と筆者の考えに基づくものです。約 3 分で読めます。
試算表や決算書は、経営状態に関する貴重な情報を提供してくれますが、その「情報価値」を高めるためには「会計は事務処理ではなく情報処理なんだ」という視点が重要です。
この記事では「経営者が会計力を高める視点」について解説します。
*本稿において「管理会計」とは「中小企業の経営管理を目的とするマネジメント会計」を指します。
この記事は「中小企業向け|管理会計(≒マネジメント会計)の設計と運用の概要」の補足です。
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【必要条件】
成長企業の経営者は会計に強い
成長を続けている中小企業の経営者には「会計に強い」という共通点があります。
その理由は、目標設定や課題発見のために「数字」が欠かせないからです。
「売上をもっと増やしたい!」と感覚的にイメージするのと、「売上を前期比120%にアップする」と数字でコミットするのとでは成功確率がまったく違います。
(関連記事)盲点弱点|経営者が会計に「弱い理由」と「強くなる方法」
【視点転換】
会計は “情報処理” である
会計に強い経営者の視点は「情報処理」です。
経理処理をただの「事務処理」とはせず、「情報処理」という視点でとらえています。
会計を経営情報のためのツールと考えているからです。
会計の主目的が、税金の計算だけであれば「事務処理」で片づければいいのですが、そうではなく・・・
- 経営課題を発見し
- その解決策を数値目標で表し
- その進捗状況をチェックすること
・・・を目的とするならば、経理は「事務処理」ではなく「情報処理」であるという視点が必要です。
(関連記事)経営者の会計力:過去 現在 未来を時間軸と数字で語るチカラ
【情報価値】
勘定科目をアレンジする
会計が「情報処理」であるなら、その「情報価値」が問われます。
ここで重要なのが「勘定科目」です。
例えば、事務処理であれば「広告宣伝費」でいいものも、広告の方法や媒体別に「ネット広告費」「ブランド維持管理費」「営業ツール企画制作費」というように勘定科目を細分してアレンジした方が「情報価値」が高くなります。
その実務は、下記の記事を参考にしてください。
(詳説記事)勘定科目を刷新すれば会計の情報価値はグンと上がる!
【自主トレ】
総勘定元帳を “読む” 効果
経営者が「情報処理」の視点を養うために効果的なのは「総勘定元帳」を読むことです。
どの勘定科目にどういう内容が計上されているか?を一つ一つ読んでください。
多くの経営者は「たくさんの違和感」を感じます。
- 「このコストって通信費ではないやん!」とか・・・
- 「え?ガソリン代って文房具と同じ消耗品なん?」とか・・・
- 「せめて、損害保険と生命保険は分けてほしいわ!」とか・・・
「総勘定元帳」を読むことで感じた違和感を経理の担当者や顧問税理士に伝え、勘定科目のアレンジ(=修正や変更)を依頼するだけで、試算表や決算書の「情報価値」が上がります。
この「読む」と「アレンジ」を繰り返すことで、経営者の「会計スキル」はワンランクアップします。
最初は慣れない「総勘定元帳」に戸惑うかもしれませんが「自主トレ」と思って続けてみてください。
(関連記事)賛否両論|中小企業が管理会計にわざわざ手間をかけるメリット
【要点整理】
飛躍的に会計に強くなれる!
さて、どうですか?
「会計は事務処理ではなく、情報処理である」という視点について紹介しました。
- 成長企業の経営者の共通点は会計に強いこと
- 「情報処理」とは、経営課題の解決のための情報を得ること
- 「情報価値」を高めるために勘定科目をアレンジすること
- 「情報処理」の視点を養うために総勘定元帳を読むこと
経営者が「情報処理視点」を持つと、飛躍的に会計に強くなれます。
関連記事も含め参考にしてみてください。
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