「いい会社」の条件:その3「経営者自身の幸せ」

経営の目的は「会社に関わる人たちの持続的な幸せ」です。

会社は・・・

  • 得意先・顧客や取引先を含む社会
  • 社員たち
  • 経営者自身

さらに、それぞれの家族や大切な人たちも含めて
会社に関わる人たちがみんな幸せになるために存在します。

これら「3つのグループの人たち」の幸せが持続している会社。

私は、この「目的を実現している会社」が「いい会社」と思っています。

本稿では、この「3つのグループ」のひとつである「経営者自身の幸せ」について深掘りします。

「いい会社」なら「経営者は幸せ」のはず。

「ジブンの幸せって?」を、じっくり考えるきっかけにしてみてください。

本稿は、「持続的に正しく成長するための経営の原理原則」の補足記事です。

「10人~100人規模の中小企業経営者」の方々に向けた「自己投資=経営脳トレーニングのサポート」を目的に、「もっといい会社」に成長するヒントを日々更新しています。
本記事は、35年以上にわたり税理士として中小企業経営を支援し、管理会計や経営計画を専門とするマネジメントコーチ・堀井弘三が、その現場で得た豊富な経験と知識に基づき執筆しています。
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【原理原則】
いい会社の3つの条件

まず「3Gマネジメント」について、おさらいしておきます。

3Gマネジメント:社会・取引先+社員+経営者
  • Group1:得意先・顧客や取引先を含む社会
  • Group2:社員とその家族や大切な人たち
  • Group3:経営者自身とその家族や大切な人たち

会社は、関わるこれらのグループの人たちのみんなが幸せになるために存在します。

これらの人たちの幸せが持続するように(=不幸にならないように)マネジメントすることが「筋道」であり「道理」であり、業種や規模に関わらず、すべての会社に共通する経営の原理原則です。

(関連記事)経営の原理原則「3Gマネジメント」~「三方良し」と比較解説

【経営責任】
経営者は幸せであるべき理由

「いい会社の条件」は「3つのグループの幸せが持続していること」です。

「3つのグループの優先順位は?」と聞かれることがありますが、私の答えは決まって「同時」です。

「顧客/取引先満足度が高いから、社員も満足」ということもあれば、
「社員の満足度が、顧客/取引先の満足に繋がる」ということもあります。

同様に
「取引先や社員たちが幸せなので、経営者も幸せ」ということもあれば、
「経営者が幸せだから、他者を幸せにすることができる」こともあります。

この話は、ループします。

しかし、ひとつでも欠ければ、みんなの幸せも同時に消えてしまいます。

社員が不幸なのに、経営者が幸せになることはできません。

顧客や取引先に不平不満がたまっているのに、幸せを感じる経営者は「おかしい」と思います。

同時なのです。

こうして考えると、経営者も幸せでなければなりません

経営者の幸せは「経営責任」といっても過言ではないでしょう。

顧客/取引先も、社員たちも、それぞれの幸せは経営者の幸せと相互に影響しあっているのです。

もし、経営者が幸せを感じることができないなら、その原因を解明し、早期に解決しなければなりません。

そうでないと、顧客も取引先も社員も「ほんとうの幸せ」を感じることができません。

万が一、経営者が不幸であるにも関わらず、「幸せ」を感じる顧客や取引先、社員がいるとすれば?

大丈夫です。「自分さえよければいい」という価値観の人たちです。

心配しなくても、いずれあなたのもとを離れていくでしょう。

【自己内観】
経営していて本当に幸せか?

顧客、取引先、社員たちのために経営者が犠牲になることも、ガマンすることも必要ありません。

トップである経営者自身が「幸せやな~」と感じなければ、本末転倒であるとも言えます。

さらに、経営者自身の家族や大切な人までがツライ思いをガマンしているなんて「もってのほか!」です。

他を犠牲にして経営者だけが幸せになることも「もってのほか」ですが、その逆も「もってのほか」なのです。

「もっといい会社」に成長するため、改めて「経営者として幸せか?」を、素直な気持ちで自己内観してみましょう。

また「幸せとはなにか?」は、百人百様なので「こうあるべきだ」という定義も決まりもありません。

この「幸せか?」の自己内観においては「自分にとっての幸せとはなにか?」を考えることでもあります。

自分に正直に向き合ってみることがとても大切です。

(関連記事)【幸せの定義】会社経営の目的は幸せというけど、「幸せ」ってなんだ?

【自分解明】
ジブンを正しく深く知る

  • 「自分にとっての幸せとは何か?」
  • 「自分は、経営者として幸せなのか?」

自己内観は、簡単ではありません。

「自分のこと」って、一番分かってるはずなのに、実は、一番難解な対象かもしれません。

かくいう私も、いつも以上に楽しい時、反対にいつも以上に苦しい時に「なんで?」とそんなメンタルやモチベーションになっている自分を振り返り自問自答したものです。

しかし、そのほとんどは「わからん!」「考えるのやめよ!」と中途半端に強制終了すること数多くでした。

そんな経験を踏まえ「自己内観のテーマ」をサンプルとしてリストしておくので参考にしてみてください。

  • 今現在、幸せと思うことは何か?
  • 今現在、不幸と思うことは何か?
  • このまま将来も幸せや不幸は続くのか?
  • お金はもっと欲しいか?
  • 時間はもっと欲しいか?
  • 十分に健康か?
  • 仲間や親友はもっと欲しいか?
  • 自分にとってもっとも重要なもの・こと、大切なもの・ことは何か?
  • 承認欲求は満たされているか?
  • 名誉欲やプライドは満たされているか?
  • 今の仕事に満足しているか?

さて、どうですか?

自分理解」は進みそうですか?

大切なことを付け加えておきます。

「幸せ」は、個人の自由です。

他者の視線や批判を気にする必要はありません。

しかし「誰かに迷惑をかける・いやな思いをさせる・犠牲にする」ということが、それぞれの前提になっていないかを同時に自問自答してください。

「もっとお金が欲しい」は、それが素直な気持ちなら何ら問題はありません。

しかし、「他人に迷惑をかけてもいい」という前提が少しでもあれば、おかしなことになってしまいます。

自己中心的な考え方をしていないか?」も同時に振り返ってみてください。

【おかげ様】
支えてくれている人たち

メダリストや、ヒーローのインタビューを聞いていると、「家族のおかげです!」「今まで支えてくださった方々に感謝です!」という感謝の言葉がよく出てきます。

今まで、応援や協力をしてくれた人たちに思いを馳せているからこそ出てくるフレーズです。

もちろん、それはタテマエではなく、心からにじみ出る本心でしょう。

だからこそ、聞いてる我々の心に響くのだと思います。

経営者も同じですね。

Group1や、Group2以外にも家族や大切な人たちが経営者の周りには存在しています。

自己内観するとき、これらの人たちに思いを馳せることを忘れなてはなりません。

「経営者の家族だから、我慢や苦労をして当然だ」なんて思ってないですよね?

また、中にはあなたの事業経営に反対意見などを含め、ネガティブに捉えている人もいるかもしれません。

そのような場合「放っておいて!」と、距離を置きたくなるものです。

でも、そこは冷静に「なぜ、ネガティブな意見なんだろう?」と考える必要があります。

それも貴重な意見として受け入れる度量や器量が経営者を一回りも二回りも大きくするものです。

家族や身近な人たちだからこそ、言いづらいことを言ってくれているかもしれません。

孤独になりがちな経営者だからこそ「耳の痛いことを言ってくれる人」は、貴重な存在です。

その人たちも含め、支えてくれている人たちがいる「おかげ様」も、大切な「幸せ」のはずです。

自省を込めて・・・。

(関連記事)経営者の感謝の心:自然に湧き出る「ありがとう」のチカラ

【幸福習慣】
もっとよくなる時間活用

時間の有効活用」ができていない経営者が少なくありません。

時間のほとんどを、会社のこと、社員のこと、得意先や取引先のことで使ってます。

ここでいう「有効活用」とは、「ジブンのための時間」を確保しているか?です。

案外「ジブンのための時間」を取ってないことに気付いていないものです。

私は「時間の有効活用が幸福度を高める」と思っています。

なぜなら「ジブンのための時間」によって、「忙しくて乱れているジブン」を「気付き→修正し→整え直せる」からです。

ジブンが整えば、会社、社員、得意先や取引先のことを考える「質」が良くなるはずです。

すると、課題解決の確度とスピードが改善されるので「幸せ感が増す」という理屈です。

下記にチェックリストを示すので「ジブンのための時間」を振り返ってみてください。

  • 家族や大切な人たちとの時間を十分に確保している
  • 仕事を抱えすぎていない
  • 自分でなくてもいい仕事はメンバーに移譲している
  • メンバー育成を積極的に進め、さらに自分の自由度を拡大するように努めている
  • 戦略や経営計画などを考える時間を十分に確保している
  • 業績データや、人事評価など振り返る時間を十分に確保している
  • 学習時間を十分に確保している
  • リフレッシュの時間を十分に確保している
  • 食事や睡眠などの生活時間を犠牲にしていない
  • ジムやスポーツなど、フィジカルマネジメントの時間を確保している

「幸せアップ」は、この「時間の有効活用」の習慣化から始めましょう!

(関連記事)最高の人生のための「タイムマネジメント」

【成長効果】
自己効力感が高まる

さて「ジブンのための時間」を確保できましたか?

「ジブンの時間」を、リフレッシュや振り返りに使い、さらにその有効性を増すため、次にやることは「自己投資」です。

時間の自己投資」です。

私は、あちこちで「中小企業の投資で、もっともリターンが大きいのは、経営者の自己投資だ」と説いています。

それが「経営脳の5つのレイヤー」のトレーニングに他なりません。

【経営脳】5つのレイヤー。「マインドセット」「フィジカル」「メンタル」「スキル」「センス」。
  • マインドセット
  • フィジカル
  • メンタル
  • スキル
  • センス

この「5つのレイヤー」の「成長課題」をコツコツと解決することで、経営脳はどんどん整っていきます。

つまり、アタマがよくなり「もっといい経営者」に成長していくのです。

この「ジブンの成長」こそが「自己効力感という最高の幸せ」をもたらしてくれます。

  • 山積する経営課題
  • 思うように進まないことによるストレス
  • 日々発生する様残な不都合

会社経営なんて「幸せどころか、真逆やん!」と思いたくなることが絶えません。

それが「ふつう」なのかもしれません。

しかし、です。

「経営とはそんなもんだ」と思考停止してしまえば、いつまでたっても「真の持続的な幸せ」を感じることはできません。

この「負」から、だれも助け出してくれません。

そこから脱出し、さらに高みに行けるかどうかは「ジブン次第」。

その答えが「経営脳を整えて=アタマをよくして、もっといい経営者になる」ことです。

この機会に、改めてトレーニングの重要性と必要性を考えてみてください。

「もっと幸せになるためのトレーニング」。

やらない理由はありませんよね!

(参考記事)経営力強化|経営脳はフレームワークで最適化できる|5つのレイヤー

【要点整理】
みんなの幸せが自分の幸せ

さて、どうでしょう?

「いい会社」の条件のひとつ「Group3:経営者自身とその家族や大切な人たち」について深堀してみました。

大前提は「経営者自身が幸せでなければならないこと」であり、これは「経営責任」です。

経営者が「もっと幸せになるための大切なこと」を再掲しておきます。

  • 会社を経営していて本当に幸せか?を自己内観すること
  • 家族や大切な人たちに思いを馳せること
  • ジブンの時間を大切にすること
  • コツコツと経営脳を整え=アタマをよくして、自己効力感を高めること

もし、サポートが必要であれば、いつでも気軽に連絡ください!

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以上、お役に立ちますように!

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