中小企業が「正しい成長」を持続するには、「経営の原理原則」に沿った考動が欠かせません。
「正しい成長」とは、「関わる人たちがより幸せになること」です。
数字や規模の拡大といった表面的な成長にとどまらず、「人の幸せ」を軸にした視点を持ち続けることが大切です。
とはいえ、忙しい日々を過ごしていると、分かっていてもズレてしまっていることがあります。
私のコーチング現場においても、悩みや迷いを抱える経営者の声に耳を傾けると、「経営の原理原則」から外れていることが原因であることがほとんどです。
そんなときは、「ズレてない?」という一言だけ問いかけます。
すると、ほとんどの経営者は「あ!(ズレてる)」と自ら気付いてくれます。
「筋道」「道理」に戻れば、案外、悩みや迷いは晴れるものです。
解決に至らなくても「解決すべき課題は何か」が分かるだけで、また前を向くことができます。
そこで、本稿では、中小企業経営者が経営不振に気付くための10のカテゴリーで「トリガー・キーワード」をチェックリスト化しました。
「経営がうまく行かないな」という心当たりがあれば、「ズレてないか?」を定期的に振り返る参考にしてみてください。
これですべてではありませんが、これを基に連想される項目も含め、定期的な自己内観のツールとしてご活用ください。
この記事は「持続的に正しく成長するための経営の原理原則」の補足です。
このブログでは、「10人~100人規模の中小企業経営者」の方々に向けた「自己投資=経営脳トレーニングのサポート」を目的に、「もっといい会社」に成長するヒントを毎週発信しています。
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【確認項目】
よくある経営不振の原因
1)経営・組織文化のチェック
- 経営陣の倫理観の欠如
- 経営者の私的な利益追求
- 経費の私的利用
- 社内の不正行為の容認・黙認
- 不正取引の容認
- 内部告発への報復
- 内部告発の抑圧
- 告発者への不利益な取り扱い
- 告発情報の隠蔽
2)情報の取り扱いのチェック
- 情報隠蔽・偽装
- 生産データの偽装
- 製品の有害性の隠蔽
- 事故やトラブルの情報隠蔽
- 事故情報の隠蔽
- 製品の欠陥情報の隠蔽
3)労働環境・人権のチェック
- 不適切な労働条件
- 過度な長時間労働
- 休日出勤の強要
- パワハラ・セクハラ・その他のハラスメント
- 人権侵害・差別的な行為
- 人種や性別、宗教に基づく差別
- 障害者やLGBTQ+に対する差別
4)コンプライアンスのチェック
- 労働基準法の違反
- 脱税
- その他、法規制や規約の違反
- 輸出入制限の違反
- 環境基準の無視
- カルテルの形成
- 不当な取引制限
5)品質・安全性のチェック
- 品質管理の手抜き
- 商製品の安全性確認の不足
- 商製品の欠陥情報の非公開
- 品質保証体制の不備
- 製品リコールの遅れ
6)経理・財務のチェック
- 粉飾決算や不正会計
- 売上の水増し
- 架空経費の計上
- 資産や負債の隠蔽
- 資金の流用や横領、公私混同
- 投資家からの資金の流用
7)技術・研究のチェック
- 技術の盗用や知的財産権の侵害
- 特許の侵害
- 商標の不正使用
- 研究データの捏造・改ざん
8)社会的責任のチェック
- 社会的存在である自覚の欠如
- 地域社会との関係の不調和
- 地域社会の文化や価値観の無視
- 地域社会への不適切な影響
- 社会的な期待に応える取り組みの欠如
- 社会貢献活動の不足
9)外部関係のチェック
- 反社会的な外部との関係
- 公務員や政治家との不適切な関係
- 特定の取引先との不正な取引
- 裏金や賄賂の提供・受領
- 公共事業の入札等での賄賂
10)環境・持続可能性のチェック
- 過度な森林伐採等、環境破壊の引き起こし
- 生態系への悪影響
- 環境に優しいとの偽の主張
- 環境保護活動の装飾的な取り組み
【要点整理】
定期的なチェックの習慣
さて、いかがですか?
ひとつひとつを振り返って「もし」と思うものがあれば、直ちに軌道修正しましょう。
ただ、いったん軌道修正しても、忙しい日々を過ごしていると、また小さくズレてくることがよくあります。
このチェックリストを定期的な自己内観に役立ててもらえれば、と思います。
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以上、お役に立ちますように!