目標設定|「定量目標」だけでなく「定性目標」が必要な理由

この記事は、約 6 分で読めます。
この記事は、更新時の情報と筆者の考えに基づくものです。


おはようございます!

2024年第8週の土曜日、今週はずっと天気が悪く、花粉は少なくていいのですが、ぜんぜんウォーキングできずストレスが増した私ですが、皆さんは順調ですか?

さて、今日は「経営計画における目標設定」について整理しますが、3月を目前にして「今年の目標」が、そろそろフェードアウトしかけていないですか?この記事をきっかけに、改めて「2024年の目標」を再確認してみてください。

このブログでは「10人~100人規模の中小企業経営者」の方々に向けて「経営脳の自主トレサポート」を目的に「もっといい会社」にするためのヒントを発信しています。初めてアクセスしていただいた方は、こちら(=「このブログについて」)をまずご覧ください。

【自責他責】人材の「やる気」は会社の目標次第

競技種目に関わらずスポーツの世界では、それぞれのチームには、優勝や金メダルなど最上位のゴール(=目標)があるわけですが、それを達成したときの幸福感はもちろん、残念ながら逃した時の悔しさも、いずれであっても目標によって感情は刺激され揺さぶられます。また、その目標が大きければ大きいほど感情のブレ幅は大きくなるのが常です。

スポーツと同じく会社経営もチームプレーであり目標が不可欠であり、その難易度や大きさによってメンバーの感情は左右され、それがモチベーションや達成感、満足感の源となります。逆に言うと目標がなかったり、希薄であると感情の揺れが少なく喜怒哀楽の薄いチームになってしまうので、目標設定はとても重要です。

「やる気=モチベーション」は、個人の性格や資質だけでなく、会社の文化や環境と並んで目標設定に大きく影響されます。

人材採用の場面で、よく「やる気のある人募集!」というコピーを見かけますが、応募する側の視点に立てば「やる気になれる会社か?」「やる気を引き出せるリーダー(経営者)か?」がとても大切です。他責にする話ではありません。

彼ら彼女らの「やる気」を引き出すのも消してしまうのも、トップリーダーである経営者が掲げる目標次第です。日々の活動も、トレーニングも、レクレーションもすべて元をたどれば目標に繋がっているからであり、チームはそれによって良くも悪くもなります。

【定量定性】目標は数字だけでは足りない

「定量目標」と「定性目標」について整理しておきましょう。

私が「目標は?」と尋ねると、多くの経営者は「売上や利益の目標」を返してくれますが、これが「定量目標」であり、もちろん欠かせないものです。

定量目標とは、具体的な数値や指標で示される経営の成果を示す目標であり「年間売上を10%増加させる」や「新規顧客獲得を月に5社以上とする」といった表現が典型例です。

そして、もうひとつの目標である「定性目標」。(口にしなくても)多くの経営者は、数値化できない経営のビジョンや方針として「社会に認められるブランドとなる!」や「社員満足度を高める!」など「状態を示す目標」を持っています。

私が知る限り、持続的に経営が順調な会社の多くには「定量目標」だけではなく「定性目標」を具体的に掲げていて、その大切さ、必要性は疑う余地がありません。

あと、補足すると、この「定量目標」と「定性目標」は、「点と線」と表現するとイメージしやすいかもしれません。

「定量目標」は、「点」としての目標であり、その目標にタッチするかどうか?というイメージで、それに対して「定性目標」は、一時的に達成すればよいというものではなく、ある状態を持続継続することを目標にするので「点」に対して「線」のイメージです。

【相互補完】定性目標が必要である理由

すでにお気付きのように、目標設定を「定量」と「定性」にカテゴライズする概念ではなく、それぞれ補完する関係です。

「勝率6割以上を達成する」という「定量目標」だけでは盛り上がらないところ「優勝するぞ!」という「定性目標」を加えることで、その達成意欲は大きく変わるはずです。

反対に「優勝するぞ!」と掲げても、そのために何勝しなければならないか不明瞭であれば、その達成確率は怪しいモノになってしまいます。

「定量」と「定性」は、言い換えれば「手段」と「目的」のような関係です。

「定性的な目標」のために「定量的な手段」で行う、というイメージです。「数値を目的にしてはならない」のであって、必ず、その背景にある「真の目的や価値」を忘れてはならないのです。

顧客や取引先を犠牲にするような企業の不祥事の原因が「数値のみを目標にした結果」であることが多いことからも「定性目標」の必要性がお分かりいただけると思います。

【目標事例】経営計画の優劣がかかってる

目標を設定したら、その実現のために経営計画を策定しますが、この目標が具体性に欠けていたり、表現が稚拙であったり、つまり不鮮明であると、経営計画もモヤモヤしたものになってしまいます。

最初が肝心、経営計画の策定において、もっとも重要なのは「ベストゴールの設定」です。

ゴールが「定量」と「定性」の両方で具体的に表現されているかどうか?です。

経営計画は「ゴールに向う行動計画」であり、そもそものゴールに不備があると根本的に「いい計画書」にはなりません。

以下、あなたが設定しているゴールが「ベストなのかどうか?」をチェックするために「目標設定事例」を紹介します。いずれも一例に過ぎないので、ニュアンスをつかみ、あなたの会社や業種に応じて「モレなく・ダブりなく・ムリなく・ムジュンなく」設定するヒントにしてください。

定量的な目標の設定事例

  • 売上目標:「売上を前年比20%増加させる」
  • 利益率の向上:「利益率を5%向上させる」
  • 内部留保:「固定費の24か月分を蓄積する」
  • 新規顧客獲得:「新規顧客を100人獲得する」
  • 生産効率の向上:「ひとり当たりの限界利益を2千万円以上とする」
  • 在庫回転率の改善:「在庫回転率を25%向上させる」
  • ウェブサイトの訪問者数増加:「月間訪問者数を30%増加させる」
  • 新製品の販売数:「新製品の販売開始から3ヶ月で5,000個の販売を目指す」

定性的な目標の設定事例

  • 顧客サービスの質向上:「クレームゼロを目指す」
  • 社員の満足度向上:「隔週休三日制の導入・有給休暇完全消化体制を実現する」
  • ブランドイメージの強化:「顧客からの評価を上位ランクに保つ」
  • 心理的安全性を高める:「社内コミュニケーションの量と質を高める」
  • 新しい技術や手法の導入:「3つの新技術を導入し、業務効率を向上させる」

「定性目標」は「定量目標」とは違って客観的に達成度合いを測ることが難しいので、ときに「誤解」や「認識違い」などの「ズレ」が生じることがあります。

「顧客サービスの質向上」という目標設定には、上記の例のように「クレームゼロを目指す」など、その達成度合いを客観的に測れるような表現を付けくわえることに注意してください。

(関連記事)目標設定|経営計画の良し悪しは「ゴールの解像度」で決まる

【まとめ】言葉のチカラを軽視しない

さて、どうですか?今週は「目標設定」について整理しました。

チームのパフォーマンスを上げるために目標設定が必要なのは言うまでもありませんが「言葉のチカラ」を軽視できません。

「定量目標」だけではなく、その数値目標を掲げる理由や目的、そして、達成したときの達成感、満足感、そして幸福感を「定性目標」として分かりやすい言葉で設定しましょう。

関連記事も含め参考にしてみてください。

もし、サポートが必要であれば、いつでも気軽に連絡ください!→「お問い合わせフォーム

以上、お役に立ちますように!