この記事は、更新時の情報と筆者の考えに基づくものです。約 4 分で読めます。
「バカにするな!」とお叱りを受けそうな「算数の話」を念のために整理しておきます。
「管理会計(≒マネジメント会計)」は「課題発見」と「課題解決」にとても有効なツールですが、そもそも、そこに示されているデータを正しく読解しなければ「宝の持ち腐れ」になってしまいます。そこで必要なのが「算数力」です。特に「%表示」されている「割合計算」はとても重要です。
この記事では「割り戻し計算」や「割合の平均」など、簡単だけど間違いやすい計算例を紹介するので、あなたの「算数力」をセルフチェックしてみてください。意外と・・・かもです。
この記事は「中小企業向け|管理会計(≒マネジメント会計)の設計と運用の概要」の補足です。
このブログでは「10人~100人規模の中小企業経営者」の方々に向けて「経営脳の自主トレサポート」を目的に「もっといい会社」にするためのヒントを発信しています。初めてアクセスしていただいた方は、こちら(=「このブログについて」)をまずご覧ください。
【問題】算数力をチェック!
いきなりですが「問題」です!
「管理会計(≒マネジメント会計)」を活用ための「算数力」をチェックする計算例を示します。「バカにしてんのか!」と言わず、下記の3問を「暗算」してみてください。
- (第1問)
仕入れ原価80円の商品、20%の粗利を得るために「売値」はいくらにすればいい? - (第2問)
年商10億円の前期の純利益率は1%でした。金額にするといくら? - (第3問)
先月の利益率は30%、今月の利益率は40%でした。さて、2カ月累計の利益率は?
さて、どうですか?
もし「瞬間で答えが頭に浮かんだ!」というあなたは以下、これ以上読まなくていいです。でも「ん?ちょっと迷った・・・」というあなたは続きを読んでください。
【解答】さて、正解率は?
第1問
20%の粗利を得るための「売値」
利益率が20%なので、原価率は80%。だから「80円÷80%=100円」ですね。
第2問
純利益率は1%、金額にすると?
シンプルに10億円×1%=1,000万円、ですよね。
「大きい桁数」に弱い方は、まず「10%」を思い浮かべるといいですよ。
10億円×10%=1億円だから・・・
もうひとつゼロを取ると・・・
1,000万円!って感じです。
第3問
先月30%、今月40%、累計では?
(30%+40%)÷2=35%・・・ではないですよねw
引っかかりませんでしたか?
正解は「わからない」です。
利益率を計算する「分母・分子」が分からないからです。
例えば・・・
– | 先月 | 今月 | 累計 |
---|---|---|---|
売上 | 1,000 | 1,000 | 2,000 |
利益 | 300 | 400 | 700 |
利益率 | 30% | 40% | 35% |
↑
これは「たまたま35%」ですが・・・
– | 先月 | 今月 | 累計 |
---|---|---|---|
売上 | 1,000 | 2,000 | 3,000 |
利益 | 300 | 800 | 1,100 |
利益率 | 30% | 40% | 36.6% |
↑
これは35%になりません。
つまり、累計の平均値は、売上と利益の累計で割り算しなければなりません。
「%を平均する」のではないので要注意!
意外と、このミスをする人、多いです。気を付けましょう。
さらに・・・
- 毎月売上1%アップを続ければ5年で何倍になる?
- 毎年1社の顧客紹介が続けば?
- 毎日10分短縮すれば年間で何時間を捻出できる?
- 毎月1回、会議を1時間短縮すれば?
- 経常利益1000万円は多いか?少ないか?
・・・などについても、計算サンプルを紹介しているので、併せて参考にしてみてください。
(関連記事)経営者の数字感覚を磨く「意外な計算結果」のサンプル
【会議】
マネジメント会計の定番フレーズ集
管理会計(≒マネジメント会計)を有効活用している会社の会議では、次のようなフレーズがよく飛び交います。もし「???」と不安を感じるようであれば、会計の前に算数をおさらいしましょう。(意外と不安な経営者が多いので恥ずかしくないですよ)
- 売上高を**%アップすれば、経常利益は2倍になるね。
- 限界利益率を1%改善するだけで、経常利益は**万円アップだ。
- 人件費を5%アップすれば、経常利益は**%ダウンか・・・。
- 固定コストが毎月1,000万円なので、限界利益率が20%なら損益分岐点売上は5,000万円だね。
- 本社経費が毎月1,000万円なので、各部門には**%配賦する必要があるね。
あと、付け加えておくと「売上高は、前年比120%の増加です!」という報告も意外と多いのですが、「それって、20%の増加って言いたいのでは?」です。どうしても120%と言いたいのなら「売上高は、前年比120%です!」が正解ですね(笑)。
【決断】
いっときの恥 < 一生の恥
さて、どうですか?大丈夫でしたか?
「算数力」が弱いと、せっかくの「管理会計(≒マネジメント会計)」も宝の持ち腐れとなってしまいます。
「会計に強い経営者」になるために「算数力は大丈夫か?」、こっそり確認してみてください。
万が一「ヤバッ!」と冷や汗が出た人は、簡単な「計算ドリル」をやってみるといいです。もちろん「暗算」で。プライドが邪魔する人がいるかもしれませんが「いっときの恥」より「一生の恥」の方がカッコ悪いですよね。
関連記事も含め参考にしてみてください。
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