経営者の多様性:固定概念や先入観に囚われず柔軟に考動する

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この記事は、更新時の情報と筆者の考えに基づくものです。


柔軟だろうか?
固定観念や先入観に囚われてないだろうか?
異なる価値観や考え方を受け入れているだろうか?
つまり、「多様性」を尊重しているだろうか?

【経営脳】5つのレイヤー。第1階層は、経営者の心構えや考え方をマネジメントする「マインドセット」。

「もっといい会社」にするためには、経営脳を整え「もっといい経営者」になることが唯一の選択肢であり、そのために特に大切なのは、他のレイヤーに優先して、信念や価値観などを含む「考え方」、つまり「マインドセット」を整えることです。

このページでは、経営脳5つのレイヤーの第1レイヤー「マインドセット8選」のひとつである「多様性」について詳しく紹介します。

このブログでは「10人~100人規模の中小企業経営者」の方々に向けて「経営脳の自主トレサポート」を目的に「もっといい会社」にするためのヒントを発信しています。初めてアクセスしていただいた方は、こちら(=「このブログについて」)をまずご覧ください。

【多様性】「違い」を尊重し柔軟に受け止める

「多様性」とは、異なる背景や経験、視点を持つ人々や、その人たちの考え方や価値観を受け入れ「違いを理解しようとする考え方」であり、チームのリーダーポジションにある経営者にとって、とても大切なマインドセットのひとつです。

このマインドセットを持っている経営者は、その言動や姿勢から「多様性を尊重し、柔軟に受け止める人」というパーソナリティが認知されます。

多様性を尊重する経営者の考動は、チームビルディングにおいて、メンバーたちの安心感や満足度を高め、それがチームのパフォーマンスに大きな効果をもたらすことになります。

また、戦略策定の場面においても、過去に固執することがなく、新しいアイデアやアプローチなど多様な視点を取り入れて検討するので、そのクオリティは高くなる傾向があります。

【自己内観】多様性について自分と向き合う

自己内観とは、自分と向き合い「自分の本質を知ること」であり、自身の課題解決に欠かせないプロセスです。

「自分自身の多様性」について、自問自答するためのサンプルを紹介するので確認してみてください。

  • 誰に対しても分け隔てなく「聞く耳」を持っているだろうか?
  • 他者の意見やアイデア、あるいはアドバイスを頭ごなしに否定することはないだろうか?
  • 相手の意見や価値観を確認することなく、自分の価値観を押し付けることはないだろうか?
  • 異なる価値観に優劣をつけることはないだろうか?
  • 異なる意見や価値観であっても、いったんは受け入れ、理解を示したうえで自論を丁寧に説明しているだろうか?
  • 社会における様々な価値観や生活様式の変化に関する情報を常に収集しているだろうか?
  • 不必要な対立、あるいは、過剰な対立を避け、相互理解の努力をしているだろうか?
  • 過去の経験や体験の有効性を客観的に確認しているだろうか?
  • 他者の意見や価値観は、自分自身の幅を広げたり柔軟性を育む機会ととらえているだろうか?
  • 異なる意見や価値観について、その背景や事情など、その本質を理解する努力をしているだろうか?

これらの問いかけそのものに共感でき、さらにその回答が「YES」なのであれば「多様性」に課題はないでしょう。でも、ひとつでも「NO」や「あいまい」があれば「なぜ、YESと言い切れないのか?」を、さらに深く考えてみましょう。

【企業文化】経営者の多様性とカルチャー

チームのパフォーマンスは、リーダーのマインドセットに大きく左右されます。

経営者が、多様性の重要性や必要性を強く認識し「固定概念や先入観にとらわれず柔軟に考動しよう」というマインドセットを持っている場合、その考動はチームにとても良い影響を与えます。この経営者のマインドセットは、やがて次のようなカルチャー(企業文化)として形成、醸成され、その結果は、個々のメンバーの考動となって表れます。

  • 各々が積極的傾聴に努め、お互いの意見を尊重するカルチャー
  • 異なる価値観であってもお互いに理解し合うことに努め、心理的安全性の高いカルチャー
  • ポジションの上下や違いを超えて、建設的なディスカッションが活発なカルチャー
  • 自身のプライドを保ちつつ、相手のプライドも尊重するカルチャー
  • 異なる意見や価値観をチャンスととらえるカルチャー

個々のメンバーが多様性を持って考動することで、チームの視座・視野・視点が広がり、そのパフォーマンスはさらに高くなることが期待できます。

経営者が多様性を持ち、それをチームに浸透させ、カルチャーとして醸成することは「もっといい会社」として進化成長するために欠かすことはできません。

【最悪の状態】元凶は経営者の固定概念と先入観

理解を深めていただくために、上記をネガティブな表現に変換しておきます。

経営者の多様性が乏しい場合、そのマイナス影響はチーム内で様々な不都合として現れます。

  • 積極的に傾聴することなく、他者の意見を軽視する、あるいは無視する傾向がある
  • 新しい技術、発想、機会、あるいは、異なる意見や価値観を異端扱いする雰囲気があり、自分の意見を発信しづらい
  • 意見や指示の正当性に関わりなく、ポジションの上位者の意見が尊重される
  • 会議は、ディスカッションより、上位者の独演会の様相
  • 自分の知識や経験が最も優れているという考えが、他者からの新しい情報を受け入れることを妨げることが多い
  • 他者とのコミュニケーションが不足しオープンな対話の機会が少ない

これらに類似する不都合は星のようにあります。一見「他責」に思えるメンバーのこれらの考動の原因は、経営者の多様性の低さが悪いカルチャーとなってチームに浸透してしまっていることがほとんどです。経営者の多様性は、企業文化の健全性、メンバーのモチベーション、相互協力関係などに深く影響を及ぼすことを認識しておきましょう。

【まとめ】柔軟でないことに気付き、認める

さて、どうですか?

経営脳の第1レイヤー「マインドセット」のひとつ「多様性」を下記の切り口で整理しました。

「多様性」は、固定観念や先入観に囚われることなく、自分自身とは異なる価値観や考え方を柔軟に受け入れ尊重する考え方であり「もっといい会社」として進化、成長するためにとても大切であり、欠かせないマインドセットのひとつです。

皮肉なもので、往々にして「柔軟で無い人」が「自分は柔軟だ」と思ってて「柔軟でないこと」に気付いてないものです。

この機会に「多様性」について自己認識を深め、もし改善点があるならば課題解決に取り組みましょう。

「多様性」を高めるために大切なのは「もっと柔軟になりたい」というWANT思考です。「もっと柔軟にならなければ」という義務的なMUST思考ではないことに気を付けてください。

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経営者のマインドセット8選