この記事は、更新時の情報と筆者の考えに基づくものです。約 6 分で読めます。
心に余裕はあるだろうか?
その余裕は
どこから生まれたのだろう?
その余裕は
もっと大きくできるだろうか?

「もっといい会社」にするためには、経営脳を整え「もっといい経営者」になることが唯一の選択肢です。
それには「心技体」の「体」に該当する「心身」、つまり「心:メンタル」と「身:フィジカル」のコンディションが大きく影響します。
経営脳5つのレイヤーにおいては第3レイヤーに位置する「メンタル」ですが、そのセルフマネジメントに大切なひとつが本稿のテーマである「心の余裕」です。「余裕」は経営者のメンタルを健全に保つために欠かせません。
このブログでは「10人~100人規模の中小企業経営者」の方々に向けて「経営脳の自主トレサポート」を目的に「もっといい会社」にするためのヒントを発信しています。初めてアクセスしていただいた方は、こちら(=「このブログについて」)をまずご覧ください。
【重要定義】
メンタルの真の強さとは?
まず「メンタルの真の強さ」について確認しておきましょう。
メンタルの「強さ」とは、一般にいう「耐え忍ぶ強さ」のことではなく「自分自身の感情や気持ちをセルフマネジメントするチカラ」のことであり、これが「メンタルの真の強さ」です。
感情に振り回されることなく、自分の感情は自分でコントロールできる人が「メンタルが強い人」です。
この「メンタルの真の強さ」のトレーニング・ヒントとして、このブログではメンタル8選(「ポジティブ」「冷静」「集中」「余裕」「自信」「勇気」「感謝」「ストレス」)を紹介しています。
(詳説記事)経営脳の5つのレイヤー:Layer3:メンタル
本稿では、心の余裕を自ら生み出す視点をメンタルトレーニングを習慣化する方法と併せて詳しく解説します。
【心当たり】余裕が無さが招く諸問題
「余裕」は、メンタルを良好に保つことに欠かせない要素のひとつです。多くの仕事を抱え、また、重い責任を負っている経営者だからこそ「余裕」が必要です。この「余裕」がないと次のような不都合が生じがちです。
- 判断を誤る
- うっかりミスの増加
- 決断できず悩み、先送りする
- 未処理の増加
- 大切なことを忘れる
- 視野が狭くなる
- 中長期ビジョンの欠如
- オーバーフローからくるストレス
さて、心当たりはありますか?
このようなことを避けるためにも「余裕」が思考や意思決定に必要であることは言うまでもありません。
メンタルを良好に保ち、常にゴキゲン=上機嫌でいるために気持ちの「余裕」が必要です。
(関連記事)メンタル|経営者が「ゴキゲン」なら大抵のことはうまくいく
【真の余裕】無理のない自然体
「余裕を持とう!」と気合いを入れても、それは「その気」になっているだけで「真の余裕」は生まれません。
真の余裕には、それを支える「何か」があります。
公私に関わらず、経済的、時間的な余裕が、その「何か」として気持ちを支えているのが一般的ですが、その他にも、応援してくれる人や協力してくれる人などによって生まれる余裕、さらに、エネルギッシュな体力が気持ちの余裕を支えている場合もあります。
「余裕を持たなければならない」「余裕を持つべきだ」と意識しなくても「余裕があるのが自然体」という真の余裕を持つため、その背景にある「何か」を知ることが大切です。
【自己内観】自分の余裕と向き合う
自己内観とは、自分と向き合い「自分の本質を知ること」であり、いつも上機嫌でいるためのメンタルケアに欠かせないプロセスです。次に、自問自答するためのサンプルを紹介します。
あなたの今の余裕の状態をセルフチェックしてみてください。
- 意思決定の余裕
- 意思決定の際、複数の選択肢から最適解を求めているだろうか?
- 中長期的な視点で目標設定はできているだろうか?
- 焦って意思決定や判断を誤ることはないだろうか?
- 将来のための余裕
- 現在の仕事に加えて、未来に備えた仕事もできているだろうか?
- 時代の流れを正しく把握するため、常に最新情報に接しているだろうか?
- 将来のための経済的な備えは充分だろうか?
- コミュニケーションの余裕
- 自分のことだけではなく、相手を思いやり、理解しているだろうか?
- 大切な人たち、必要な人たちと持続的にコミュニケーションし、「ご無沙汰状態」になっていないだろうか?
- 感情の余裕
- 感情に左右され、判断を誤ることはないだろうか?
- ストレスを上手にマネジメントし、リラックスできているだろうか?
- 常に感謝を感じているだろうか?
- 時間の余裕
- 先送りしていることが増えていないだろうか?
- 忘れっぽくなっていないだろうか?
- 仕事に追われていないだろうか?
- 時間に余裕を持って生活しているだろうか
さて、どうですか?「気になる項目」や「心当たりのある項目」はありましたか?もしあったなら、その理由を深く考えることで「自分の本質」をより深く知ることができます。自己内観によって、自己認識を深め「余裕」に何が影響しているのかを知ることが「自ら余裕を生み出すため」に必要です。
メンタルを良好に保ち、常に上機嫌でいるために、このような自己内観を定期的に繰り返すことが大切であり、また、とても効果的です。「自己内観の日」を定例スケジュールに登録してメンタルトレーニングを習慣化しましょう。
【自主トレ】余裕を邪魔する原因を取除く
上述したように、心に余裕がないときは、その原因となる「何か」が背景にあります。
むやみに「余裕を持とう」と思っても、かえって乱れていくことが少なくありません。
上記のような自己内観によって、自分自身の余裕に影響している「何か」をよく知ったうえで自責で取り組むことが必要です。
そのために「経営脳:5つのレイヤー」に沿ってヒントを紹介するので参考にしてみてください。
レイヤー1:マインドセット
マインドセットは、信念や価値観を含む考え方です。このブログでは「成長志向」「本質志向」「使命感」「倫理観」「学習意欲」「素直」「多様性」「可能志向」の8つを紹介していますが、これに照らし合わせて「余裕のなさ」を振り返ると「成長志向」や「使命感」が原因の場合があります。
高すぎる成長志向や、強すぎる使命感を持っていることで、キャパオーバーを起こして心がパツパツになっているかもしれません。高い成長志向や、強い使命感は大切なことですが、それによって余裕を失いメンタルにダメージを追っているようでは本末転倒です。
レイヤー2:フィジカル
健康に不安があれば余裕がないのは当然です。フィジカルに課題があれば、言うまでもなく、メンタル以前に「健康レベル」を回復しなければなりません。また、その原因がストレスであれば、なおさらです。健康過信、健康軽視することなく、万全の体調管理をすることが最優先です。
レイヤー3:メンタル
このブログでは、この「余裕」以外にも「ポジティブ」「集中」「冷静」「自信」「勇気」「感謝」「ストレス」という切り口でメンタルマネジメントを紹介していますが、それぞれが「余裕」と相互に影響し合っています。これら、それぞれの切り口で自己内観し、余裕に悪影響を与えている項目がないか確認しましょう。
レイヤー4:スキル
このブログで、スキルは「基礎スキル」と「経営スキル」の2つのカテゴリーで紹介していますが、いずれであっても、現在のスキルレベルを超える問題や課題が生じたとき、人は「手に負えない」という焦りや不安に襲われます。反対に、十分なスキルを有していると、様々な経営課題に対しても余裕を持って対処できます。
例えば、基礎スキルのひとつである「計画実現力」は、タイムマネジメントのスキルなので「時間の余裕」に大きく影響します。
また、経営スキルのひとつである「会計力」は、キャッシュマネジメントのスキルなので「お金の余裕」に大きく影響します。
このように、スキルはメンタルに大きな影響があるので、スキルの成長課題は、なるべく早期解決するように、計画的かつ持続的にトレーニングを欠かさないようにしましょう。
レイヤー5:センス
最後の「センス」ですが、これは「ニワトリかタマゴか」であり、「余裕があるからセンスが光る場合」もあれば、「センスに自信があるから余裕が生まれる場合」もあります。心当たりはありますか?
【要点整理】余裕は自ら創り出す
さて、どうですか?
経営脳の第3レイヤー「メンタル」の切り口のひとつとして「余裕」について整理しました。
- メンタルの真の強さは耐え忍ぶことではなく、コントロールするチカラであること
- メンタルを良好に保つために「余裕」が必要なこと
- 自然体に余裕があること
- 自分の余裕に何が影響しているかを知るための自己内観をすること
- 自ら余裕を生み出すためのメンタルトレーニングを習慣化すること
「創業からずっと今まで余裕を失ったことはない」という経営者は稀です。ほとんどの経営者は「余裕がない時代」を経験しています。「ここぞ!」というときは、多少の負荷をかけてでも頑張らないといけない時があります。
そんなときこそメンタルをセルフマネジメントすることによって「心の余裕」を少しでも拡げることができれば、それは大きな強みやアドバンテージになります。
「余裕が無くても仕方がない」と諦めるのではなく「自ら余裕を生み出す自分」をイメージすることです。
「自己内観の日」を定例スケジュールに登録してメンタルトレーニングを習慣化しましょう。
もし、コーチングサポートが必要であれば、いつでも気軽に連絡ください!(お問い合わせフォーム)
お役に立ちますように!
経営者のメンタル8選