経営者の倫理観:人としての正しい道は、会社としても正しい道

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この記事は、更新時の情報と筆者の考えに基づくものです。


正しい倫理観を持っているだろうか?
その正しい倫理観とは何だろうか?
その倫理観は「タテマエ」ではないだろうか?
つまり、言行は一致しているだろうか?

【経営脳】5つのレイヤー。第1階層は、経営者の心構えや考え方をマネジメントする「マインドセット」。

「もっといい会社」にするためには、経営脳を整え「もっといい経営者」になることが唯一の選択肢であり、そのために特に大切なのは、他のレイヤーに優先して、信念や価値観などを含む「考え方」、つまり「マインドセット」を整えることです。

このページでは、経営脳5つのレイヤーの第1レイヤー「マインドセット8選」のひとつである「倫理観」について詳しく紹介します。

このブログでは「10人~100人規模の中小企業経営者」の方々に向けて「経営脳の自主トレサポート」を目的に「もっといい会社」にするためのヒントを発信しています。初めてアクセスしていただいた方は、こちら(=「このブログについて」)をまずご覧ください。

倫理観は「言行一致」しているか?

一般的に「倫理」と言えば「人としての正しい道」と定義されていますが、このブログでは「道徳」「モラル」「良心」「正義」「正直」「公正」など、類似語や関連用語も含めた広い意味で使っています。

ほとんどの経営者は「当然、倫理は大切」と思っていて、その自己認識に偽りはありません。「自分は正しい倫理観を持っている」と考えています。しかし、残念ながら言行不一致のケースが散見され、本人はそれに気付かず、結果として経営上の不都合となって表れていることがあります。

「倫理を貫くこと」は、意外と難しいものです。会社経営をしていると、困難で時間もかかる「本質的解決」より、安易に「楽な応急処置」をしてしまうことがあります。そのときには罪悪感もなく倫理から外れたことの意識もありません。いわゆる「悪気はない」ってやつです。しかし、それには多くの場合「リバウンド」が伴い、再び形を変えた不都合として現れることが少なくありません。

そんなこと百も承知!という経験豊かな方もおられると思いますが、念のため、会社で起きる様々な不都合の本質的な原因が実は「経営者の倫理観の欠如」であるという現実をふまえ、経営者の重要なマインドセットのひとつである倫理観の重要性と必要性について確認しておきましょう。

わきまえているはずの「倫理観」は「言行一致」しているか?です。

倫理観について自己内観してみる

自己内観とは、自分と向き合い「自分の本質を知ること」であり、自身の課題解決に欠かせないプロセスです。

「倫理観」について、自問自答するためのサンプルを紹介するので確認してみてください。

  • 価値観や考え方のベース
    • 公正・公平に意思決定をしているだろうか?
    • 成果のためには、犠牲はあって当然と考えていないだろうか?
    • 偽ったり、誤魔化したりせず正直に考動しているだろうか?
  • 情報の取り扱い
    • 正しい情報を必要とする人たちと共有しているだろうか?
    • 情報を隠したり、改ざんしたりしていないだろうか?
  • 人材評価や待遇
    • 社員をスキキライで評価したり、判断したりしていないだろうか?
    • すべてのメンバーを公正な基準で評価し、成果分配しているだろうか?
    • 公言できない理由によって誰かを優遇していないだろうか?
    • すべてのメンバーに対して平等な機会を提供しているだろうか?
    • 言いやすい相手に理不尽な負担を強いていないだろうか?
  • コンプライアンス
    • コンプライアンスに課題はないだろうか?
    • ハラスメントは無いと言い切れるだろうか?

これらの問いかけそのものに共感でき、さらにその回答が「YES」なのであれば「倫理観」に課題はないでしょう。でも、ひとつでも「NO」や「あいまい」があれば「なぜ、YESと言い切れないのか?」を、さらに深く考えてみましょう。

経営者の倫理観とカルチャー(企業文化)

チームのパフォーマンスは、リーダーのマインドセットに大きく左右されます。

経営者が、倫理観の重要性や必要性を強く認識し「正しく考動しよう!」というマインドセットを持っている場合、その考えや価値観はチームにとても良い影響を与えます。この経営者のマインドセットは、やがて次のようなカルチャー(企業文化)として形成、醸成され、その結果は、個々のメンバーの考動となって表れます。

  • 道徳、モラル、良心、正義、公正といった倫理的なカルチャー
  • 物事の判断基準が「正しさ」であるカルチャー
  • 自浄作用が働き、不正や不祥事が早期発見できるカルチャー
  • 信頼できる正しい情報が流通するカルチャー
  • 倫理的価値観を共有するメンバー同士の心理的安心感があるカルチャー

個々のメンバーが倫理観を持って考動することで、相互信頼感や相互安心感が高まり、チームのパフォーマンスはさらに高くなることが期待できます。

経営者がブレない倫理観を持ち、それをチームに浸透させ、カルチャーとして醸成することは「もっといい会社」として進化成長するために欠かすことはできません。

倫理観に課題があるときの不都合

理解を深めていただくために、上記をネガティブな表現に変換しておきます。

経営者の倫理観が低いとき、そのマイナス影響はチーム内において様々な不都合として現れます。

  • 道徳、モラル、良心、正義、公正といった倫理的価値を軽視
  • 物事の判断において「正しさ」より「自己都合」を優先
  • 自浄作用が働かず、不正や不祥事を隠蔽
  • 報告や情報の信頼感が希薄
  • 同じチームなのに、メンバー相互に信頼感が低く懐疑的

これらに類似するゾッとするような不都合は星のようにあります。一見「他責」に思えるメンバーのこれらの考動の原因は、経営者の倫理観の欠如が悪いカルチャーとなってチームに浸透してしまっていることがほとんどです。経営者の倫理観は、企業文化の健全性に深く影響を及ぼすことを認識しておきましょう。

まとめ:WANT思考で!

さて、どうですか?

経営脳の第1レイヤー「マインドセット」のひとつ「倫理観」を整理しました。

倫理観は、道徳、モラル、良心、正義、公正などを含み、「人として正しく考動しているか?」という観点であり「もっといい会社」として進化、成長するためにとても大切であり、欠かせないマインドセットのひとつです。

この機会に「倫理観」について自己認識を深め、もし改善点があるならば課題解決に取り組みましょう。

人としての正しい道は、会社としても正しい道」なのです。

「倫理観」を高めるために大切なのは「もっとよくなりたい」というWANT思考です。

「もっとよくならなければならない」という義務的なMUST思考ではないことに気を付けてください。

関連記事も含め参考にしてみてください。

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経営者のマインドセット8選