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この記事は、更新時の情報と筆者の考えに基づくものです。
表面的な現象に惑わされることはないだろうか?
周囲の意見に流されることはないだろうか?
~本当に大切なことは何なのか?~
常に、「これは本質か?」と考動しているだろうか?
常に、核心たる「真の価値」「真の原因」に迫ってるだろうか?
「もっといい会社」にするためには、経営脳を整え「もっといい経営者」になることが唯一の選択肢であり、そのために特に大切なのは、他のレイヤーに優先して、信念や価値観などを含む「考え方」、つまり「マインドセット」を整えることです。
このページでは、経営脳5つのレイヤーの第1レイヤー「マインドセット8選」のひとつである「本質志向」について詳しく紹介します。
このブログでは「10人~100人規模の中小企業経営者」の方々に向けて「経営脳の自主トレサポート」を目的に「もっといい会社」にするためのヒントを発信しています。初めてアクセスしていただいた方は、こちら(=「このブログについて」)をまずご覧ください。
【本質志向】考動習慣となっているか?
「本質志向」とは、表面的な現象にとらわれることなく、あるいは、周囲に流されることなく、根本的な価値や原因を深く掘り下げ、その本質を理解しようとする考動習慣のことです。
これは、経営者に限らず、リーダーポジションにある人のすべてに求められる志向であり、マインドセットです。
本質に迫る思考法やフレームワークなどの「スキル」以前に「本質は何なんだ?」と考える「クセ」が必要です。
この「クセ」がないと「スキル」があったとしても、それを使う場面が少なく「宝の持ち腐れ」となってしまいます。
ウワベ(上辺)に惑わされることなく、また、周囲に流されることなく、核心に迫るためには、この「本質志向」というマインドセットが欠かせません。
【4つの本質】見誤るとヤバい経営の軸足
会社経営において、この「本質志向」が特に求められる場面は次の4つです。
- 戦略の本質:市場・競合・自社の本質を正しく理解する
- 組織の本質:ヒトの本質を正しく理解すること
- 情報の本質:情報の真偽や真因など、その本質を見抜くこと
- 財務の本質:損益を手段と理解し、企業価値の本質を正しく理解すること
これらの4つは「経営の軸足」となるものでもあり、この本質を見誤ることのリスクは計り知れません。
それぞれ、表面的なことを鵜呑みにしたり、自信過剰から思い込んだり、あるいは、周囲の意見や圧力に流されないよう、常に本質を見極めようというマインドセットが不可欠です。
この4つの本質について、もし不安があれば下記の記事を参考にしてください。
- 戦略の本質【戦略構想力】ストーリーを組立てるチカラ
- 組織の本質【チームビルディング力】組織最適化のチカラ
- 情報の本質【情報力】収集・分析・活用のチカラ
- 財務の本質【会計力】過去と未来を数字で語るチカラ
【自己内観】本質志向について自分と向き合う
自己内観とは、自分と向き合い「自分の本質を知ること」であり、自身の課題解決に欠かせないプロセスです。
「本質志向」について、自問自答のためのサンプルを紹介するので確認してみてください。
- 表面的な現象を感情的に受け止め、根拠なく信じたり、思い込むことはないだろうか?
- 安易に周囲に迎合したり、他者の意見に左右されたりしていないだろうか?
- 不都合に対して対処療法で済ませ、同様の不都合が再発することが多くないだろうか?
- 不都合の責任を他者や社会、あるいは取り巻く環境に求めることなく、自分自身の考動を省みているだろうか?
- 当社の企業理念は、本質的な価値を的確に表現できているだろうか?
- 手段を目的化していないだろうか?
- 長期的視点を忘れて、短期的な施策に腐心していないだろうか?
- 企業理念(ミッション・ビジョン・バリュー)がフェードアウトし、利益至上になっていないだろうか?
- 成長の定義を忘れ、膨張していないだろうか?
- 顧客主義が希薄となり、当社主義になっていないだろうか?
- 会社の本質、経営の本質を正しく言語化、常に意識にあるだろうか?
これらの問いかけそのものに共感でき、さらにその回答が「YES」なのであれば「本質志向」に課題はないでしょう。でも、ひとつでも「NO」や「あいまい」があれば「なぜ、YESと言い切れないのか?」を、さらに深く考えてみましょう。
【企業文化】経営者の本質志向とカルチャー
チームのパフォーマンスは、リーダーのマインドセットに大きく左右されます。
経営者が、原因の本質や価値の本質を見極めることの重要性や必要性を強く認識し、「物事は本質的に見よう」というマインドセットを持っている場合、その考動はチームにとても良い影響を与えます。この経営者のマインドセットは、やがて次のようなカルチャー(企業文化)として形成、醸成され、その結果は、個々のメンバーの考動となって表れます。
- 課題は本質的に解決しようと考動するカルチャー
- 目的や目標の本質的な意義や意味を理解し、中長期的視野で考動するカルチャー
- 表面的な現象で一喜一憂しないカルチャー
- 成長の本質は、誰かの役に立つようにもっと進化することであることを正しく理解し考動するカルチャー
- 企業理念やミッションを形式的にスルーすることなく、その本質的な意味や価値を正しく理解し考動するカルチャー
個々のメンバーが物事の本質に意識を持って考動することで、チームのパフォーマンスはさらに高くなることが期待できます。また、それは結果として、良好なコミュニケーション、建設的なディスカッション、持続的かつ積極的な学習意欲など、様々な日常となって表れます。
経営者が本質志向を高め、それをチームに浸透させ、カルチャーとして醸成することは「もっといい会社」として進化成長するために欠かすことはできません。
【最悪の状態】元凶はウワベに流される経営者
理解を深めていただくために、ネガティブなことも紹介しておきます。
経営者の本質志向が低いとき、そのマイナス影響はチーム内において様々な不都合として現れます。
- 課題解決の多くが対処療法的である
- 不都合の再発防止への思考や行動が少ない
- 諸問題に関するディスカッションが原因解明に至らず「今後は気を付けよう」という精神論で終わることがほとんど
- 本質的な原因追及に対する心理的抵抗感が強い
- 顧客満足や社員満足より、利益獲得が最優先されやすい
- 情報を鵜呑みにしやすい
これらに類似する不都合は星のようにあります。一見「他責」に思えるメンバーのこれらの考動の原因は、経営者の本質志向の欠如が悪いカルチャーとなってチームに浸透してしまっていることがほとんどです。経営者の本質志向は、企業文化の健全性、メンバーのモチベーション、相互協力関係などに深く影響を及ぼすことを認識しておきましょう。
【まとめ】本当に大切なのは何なのか?
さて、どうですか?
経営脳の第1レイヤー「マインドセット」のひとつ「本質志向」を下記の切り口で整理しました。
- 「本質志向」とは、本質に迫る考動の「クセ」であること
- 自分自身の本質志向について自己内観し、自分の本質を正しく知ること
- 経営者の本質志向が企業文化=カルチャーに好影響を及ぼすこと
- メンバーが「ウワベ」に惑わされるのは、経営者の本質志向が原因かもしれないこと
「本質志向」とは、「ウワベ(上辺)」に惑わされることなく、あるいは、周囲に流されることなく、「本当に大切なのは何なのか?」と問いを立て、価値や原因の本質を見極め、核心に迫る考動習慣であり、「もっといい会社」として進化、成長するためにとても大切であり、欠かせないマインドセットのひとつです。
この機会に「本質志向」について自己認識を深め、もし改善点があるならば課題解決に取り組みましょう。
「本質志向」を高めるために大切なのは「もっと本質を見極めたい!」というWANT思考です。「見極めなければならない」という義務的なMUST思考ではないことに気を付けてください。
関連記事も含め参考にしてみてください。
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経営者のマインドセット8選