
おはようございます!
今日は2025年第13週の土曜日。
さて、今日は原因分析のド定番である「なぜなぜ分析」について整理します。
いわゆる「真因」に迫るための「なぜなぜ」の繰り返し。
おそらく多くの経営者が、日々の問題解決に取り入れている思考ツールでしょう。
ただ、実は、そこでたどり着く「実務原因」の奥には、
もうひとつの大切な「経営者原因」があります。
意外と盲点になっているのが、この「経営者原因」。
さて、それは何か?
このブログでは「10人~100人規模の中小企業経営者」の方々に向けて「経営脳の自主トレサポート」を目的に、「もっといい会社」にするためのヒントを発信しています。
初めてアクセスしていただいた方は、「このブログについて」をまずご覧ください。
【なぜなぜ】
真因に迫る定番手法
「なぜなぜ分析」とは、課題の「本当の原因(真因)」を突き止めるための定番手法です。
「なぜ、問題が生じたのか?」から始めて、「本当の原因はこれだ!」と真因が特定できるまで「なぜ」を繰り返します。
中小企業で生じる経営課題は「一時しのぎ」ではなく「根本解決」が必要です。
そのためには「本当の原因(真因)」を見つけなければなりません。
例えるなら
- 一時しのぎ:出てきた虫を退治すること
- 根本解決:二度と虫が出てこないようにすること
この違いを意識していないと、何度でも同じ問題が再発します。
この「なぜなぜ分析」を習慣化すれば「課題解決力」は必ずアップします。
(関連記事)経営者の本質志向:正しく見極めようというマインドセット
【根本解明】
自責まで「なぜ」を繰り返す
経営者にとって「なぜなぜ分析」のコツは「自責までたどり着くこと」です。
- 「他人のせい」
- 「環境のせい」
- 「条件のせい」
このあたりで分析を止めてしまうと、ほとんどの場合、解決にはつながりません。
たとえば、「あのときのダメージはコロナのせいだ」と思いたくなることもあるでしょう。
でも本当に大事なのは、「災害や変化を予測して備えなかった自分」にまで掘り下げることです。
ただ、ここでいう「自責」は「自分を責めること」ではありません。
「課題を自分の手で解決できる形まで落とし込む」ための視点のことです。
「なぜなぜ分析」の目的は、責任の所在を追及することではなく、あくまで課題の解決にあります。
つまりこれは「他者に依存することなく、自分自身がリーダーシップを取ってさっさと解決するための思考法」なのです。
せっかく「なぜなぜ」を繰り返しても、「自責」までたどり着かないとロクなことがありません。
- 原因を「誰かのせい」にしてしまう
- 解決を「他人まかせ」にしてしまう
- 気づけば「イヤなリーダー」になっている
会社で生じる諸問題は、すべて自身の経営の結果です。
すべての起点は経営者の判断や意思決定にあります。
だからこそ「自責までたどり着くこと」が、真の根本解決につながるのです。
次に「中小企業あるある」のサンプルを紹介します。
「自責へのたどり着き方」の参考にしてみてください。
(関連記事)盲点弱点|経営者の”自責考動”が会社の成長を加速させる
【サンプル】良薬、耳に痛し
多くの中小企業経営者の「悩み」は「自業自得」であるという「なぜなぜ」のプロセスを紹介します。
中には、耳が痛く感じるものがあるかもしれません。
どのような順番・視点で「自責」にたどり着くのか、その思考プロセスの参考にしてみてください。
現象認識
モチベーションが低いのは?
ステップ | 着眼点 | 例 | |
---|---|---|---|
なぜ:1 | 他責 | 担当者・取引先 | 社員に向上心がないから |
なぜ:2 | 環境要因 | 社会・市場 | 社員が将来の展望を持てないから |
なぜ:3 | 組織要因 | 仕組み・制度 | 会社のビジョンや成長機会が見えないから |
なぜ:4 | 自責 | 戦略・判断・育成 | 経営者として明確なビジョンを示せていないから |
現象認識
売上が低迷しているのは?
ステップ | 着眼点 | 例 | |
---|---|---|---|
なぜ:1 | 他責 | 担当者・取引先 | 営業の動きが悪いから |
なぜ:2 | 環境要因 | 社会・市場 | 競争が激しいから |
なぜ:3 | 組織要因 | 仕組み・制度 | 行動目標を決めてないから |
なぜ:4 | 自責 | 戦略・判断・育成 | 経営者として戦略や作戦を具体化していないから |
現象認識
定着率が低いのは?
ステップ | 着眼点 | 例 | |
---|---|---|---|
なぜ:1 | 他責 | 担当者・取引先 | 社員が忠誠心を持っていないから |
なぜ:2 | 環境要因 | 社会・市場 | 当社より魅力的な会社が多いから |
なぜ:3 | 組織要因 | 仕組み・制度 | 労働環境や報酬制度が見劣りするから |
なぜ:4 | 自責 | 指導・判断・方針 | 経営者として社員満足度を軽視してたから |
【本質深耕】
さらに深い原因がある
さて、「なぜなぜ」で自責にたどり着き、「だからどうする?」で実行。
課題は根本から解決できた・・・。
そう思った矢先、また別の経営課題が出てくる。
なぜでしょうか?
それは「新たな課題」に見えるかもしれません。
でも、実はこれ「形を変えた再発」なのです。
なぜ、繰り返すのか?
それは、さらに深い「本質的な原因」が残っているからです。
上記の3つのサンプルの「自責」をもう一度見てみましょう。
- 経営者として明確なビジョンを示せていないから
- 経営者として戦略や作戦を具体化していないから
- 経営者として社員満足度を軽視してたから
これらには「経営者として当然のことを実行していなかった」という共通点があります。
これらは、ひとまとめに
「なぜ、やらなかったのか?」
と、問うことができます。
- なぜ、ビジョンを示してなかったの?
- なぜ、戦略や作戦を具体化してなかったの?
- なぜ、社員満足度を軽視してたの?
つまり、経営者個人に対する「なぜ?」です。
この「なぜなぜ」を進めると「経営者のマインドセット」にたどり着きます。
経営者として「正しい考え方」を持っていたか?です。
下記は、「経営脳の5つのレイヤー」で紹介している「8つのマインドセット」です。
- 使命感:社会に貢献しよう
- 成長志向:もっと良くなろう
- 倫理観:正しい道を貫こう
- 本質志向:正しく見極めよう
- 可能志向:デキル起点で考えよう
- 多様性:とらわれず柔軟であろう
- 学習志向:常に学び続けよう
- 素直な心:常にオープンであろう
これらのマインドセットが整っている経営者の多くは「経営者としてやるべきことは必ずやる人」です。
例えば、上記サンプルであれば、特に「使命感」「成長意欲」「学習意欲」が整っていれば、回避できていた可能性があります。
このように考えると、「実務原因」のさらに奥には「経営者原因」があると言えます。
「経営者原因」がある間は「実務原因」は、また姿を変えて出てきます。
本質的な再発防止には「経営者原因」の解決が必要なのです。
【要点整理】
改めて「経営脳」を振り返る
さて、どうですか?
「なぜなぜ」を繰り返すと「経営者のマインドセット」に至るという話を整理しました。
今週は、少々厳しいテーマだったかもしれません。
様々な経営課題の「実務的な根本原因」の、さらに奥には「経営者の根本原因」があります。
改めて「マインドセット」の自主トレの参考にしてみてください。
関連記事も含め参考にしてみてください。
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