中小企業にとって「経営計画」は不可欠ですが、その理由のひとつである「いい仲間作り」という切り口で整理しておきます。
この記事は「【保存版】成長できる経営計画の作り方「3つの新視点」」の補足です。
「10人~100人規模の中小企業経営者」の方々に向けた「自己投資=経営脳トレーニングのサポート」を目的に、「もっといい会社」に成長するヒントを日々更新しています。
本記事は、35年以上にわたり税理士として中小企業経営を支援し、管理会計や経営計画を専門とするマネジメントコーチ・堀井弘三が、その現場で得た豊富な経験と知識に基づき執筆しています。
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【重要視点】
“いい会社”に必要な”いい仲間”
あたりまえのことですが、もっと「いい会社」にするためには「いい仲間」が必要です。
会社の事業に共感、賛同、協力してくれる「仲間」、陰ひなたで応援してくれる「仲間」。
経営チームのメンバーや一般社員など、社内の仲間は当然として、社外には仕入先や外注などの取引業者さん、身近なところでは家族や友人など大切な人たちなど、経営者の周りにはいろんな人たちがいて、この人たちは、みんな「経営者の仲間たち」です。
この「経営者の仲間たち」の共感や賛同、協力や応援がなければ「いい会社」どころか、事業そのものが成り立ちません。
事業の盛衰は、この仲間たちに大きく影響を受けます。
この仲間たちが「いい仲間」かどうか?が、経営者の人生を左右するといっても過言ではないでしょう。
【自責思考】
“いい仲間”に必要な”いい自分”
経営者にとっての「いい仲間」とは、会社の事業に共感、賛同し、協力、応援してくれる人たちです。
この「いい仲間」に囲まれるためには、「いい仲間」を新たに集めることに加えて、現在のメンバー、社員も含め身近な人たちに「もっといい仲間になってもらう」という視点を忘れてはなりません。
少々厳しいことを言いますが、周りに「いい仲間」が少ないと感じるなら、「いい仲間が集まってこない自分」「身近な人がいい仲間になってくれない自分」に原因があるという「自責思考」が足りていない、という本質に目を向ける必要があります。
もっと「いい仲間」に囲まれるために必要なのは「いい自分」です。
周りの人たちに共感、賛同してもらい、協力、応援してもらえるかどうかは自分次第という「自責思考」がとても大切です。
(参考記事)盲点弱点|経営者の”自責考動”が会社の成長を加速させる
【反面教師】
“いい仲間”に恵まれない経営者
ネガティブなことはあまり書きたくないのですが、「いい仲間に恵まれない経営者」について少しだけ触れておきます。
上記でお分かりいただけると思うのですが「いい仲間に恵まれない経営者」とは、共感されない、賛同してもらえない、協力や応援が得られない経営者です。
その理由は様々ですが、大きく2つのカテゴリーに分けることができます。
理由のひとつは「人として」です。
共感や賛同、協力や応援以前の問題として、信頼や信用が足りない人は、そもそも「いい人」が集まりません。
もうひとつは、周りの人たちにとって「会社に魅力がない」あるいは「会社の魅力が伝わっていない」という理由です。
経営者本人は、自分の事業なので充分魅力的に感じていたとしても、周りの人たちにとっては「そうでもない」という場合は、貴陽間や賛同、協力や応援が思ったように集まりません。
「いい仲間に恵まれない経営者」を観察すると、このように「人としての課題」か「会社としての課題」のいずれかを抱えているケースがほとんどです。
【課題解決】
“いい仲間”を呼び込む経営者に
では「いい仲間」を呼び込むためにはどうすればいいか?
視点1
マインドセットを整える
上記、ひとつめの「人として」については「マインドセット」を整えることです。
「経営者としての正しい考え方」が信用や信頼を築くための土台となります。
このブログでは「8つのマインドセット」について紹介しているので、心当たりがあれば参考にしてください。
もっと役に立ちたいと思うアタマのクセ。
もっと役に立つ存在として進化することが「正しい成長」。この定義を理解、納得したうえで「正しく成長しよう!」としているだろうか?
「本質はなんだ?」が気になるアタマのクセ。
「うわべ」に惑わされることはないだろうか?常に、本質である真の価値や根本原因を探り「正しさ」を確かめているだろうか?
経営目的が「ハラに落ちた」想いの強さ。
会社経営の目的は「関わる人たちの持続的な幸せ」。その実現こそが「正しい使命」と理解し、心から納得しているだろうか?
人としての正しさは、会社としての正しさ。
道徳、モラル、良心、正義、公正といった広い意味での倫理。「人としての正しさ」は、言動一致しているだろうか?
自然に学んでしまうアタマのクセ。
成長するための学習。言い換えれば「もっと役に立つための学習」。この「目的の正しさ」を理解し、継続的に学習しているだろうか?
自分に正直に考動しようとするアタマのクセ。
ジブンを偽らず「素直であろう」としているだろうか?「正しさ」の判断力を高め、ジブンに正直に考動しているだろうか?
合理的に行動しようとするアタマのクセ。
「関わる人たちの持続的な幸せ」のために、常に理に適った「正しい最適解」を求め、柔軟に考動をかえているだろうか?
「デキル!」を起点に考えるアタマのクセ。
目標を設定するとき、または、困難な課題に直面したとき、可能性を前提として「正しく」考えているだろうか?
視点2
会社の魅力を伝える
共感や賛同、協力や応援をしてくれる「いい仲間」を集めるためには「魅力」が必要です。
- 仲間にとって魅力的な会社か?
- その魅力は仲間に正しく伝わっているか?
仲間にとって魅力的な会社か?
ここで大切なのは「仲間にとって」です。
経営者自身にとって、どれだけ魅力的な事業であっても、仲間にとって魅力がなければ「いい仲間」にはなりません。
「社員さんや取引先さん、家族や大切な人たちにとって、当社は魅力的か?」「共感や賛同、協力や応援が集まる魅力なのか?」ということについてよく考える必要があります。
- 仲間が共感、賛同してくれる会社の魅力は何か?
- 仲間が協力してくれる会社の魅力は何か?
- 仲間が心から応援してくれる会社の魅力は何か?
その魅力は仲間に正しく伝わっているか?
会社に十分な魅力があったとしても、それが伝わらなければ「絵に描いた餅」にすぎません。
「会社の魅力」を可視化し、周りの人たちに正しく伝えなければなりません。
(前置きが長くなりましたが・・・)ここで登場するのが「経営計画」です。
私が「経営計画は絶対に必要」と力説する大きな理由のひとつがこれです。
会社の魅力が正しく伝わることで周りの人たちは「いい仲間」になってくれます。
今までは「いい仲間」と思ってなかった人たちも「経営計画」を目にすることで「ん?意外とええやん!」「最近、よくなってきたやん!」「将来が楽しみやなあ!」と興味をもってくれるようになります。
- 共感:ええ仕事やなあ!
- 賛同:大正解やわ!
- 協力:なんでも手伝うで!
- 応援:頑張ってや!
このような声をかけてくれる「いい仲間」に囲まれることで会社は「もっといい会社」に成長することができます。
なにより、経営者自身が上機嫌になり、モチベーションが上がります。
「経営計画」は、そのためのプレゼンツールなのです。
【魅力発信】
“経営計画”でプレゼン
私がこの話をすると「うちには、そんな立派な魅力はないわ・・・」と絶望的な顔?をする経営者がいるのですが、私の経験上、その多くは「魅力がない」のではなく「魅力を作ってない」だけです。
もし「魅力」がない、足りない、と思うなら作ればいいのです。
会社経営の本質的な目的は「関わる人たちが幸せになること」です。
(参考記事)経営の目的は関わる人たちの幸せ
どうすれば「関わる人たちが幸せになれるか?」をよく考えることが、魅力づくりに他なりません。
関わる人たちと共に幸せになるために「何を目指すか?=ゴールは何か?」です。
それを、周りの人たちが「魅力的なゴールやなあ」と共感、賛同し、「実現するかも!」という期待が高まれば「いい仲間」になってくれます。
その期待が「是非、いっしょに頑張りましょう!」という「協力」や「是非、実現させてよ!」という「応援」となるのです。
この「ゴール」と、そこに至る「ストーリー」や「シナリオ」を明文化したものが「経営計画」に他なりません。
「経営計画」は、関わる人たちと共に幸せになるためのプレゼンテーションツールなのです。
【要点整理】
“いい仲間”が集まる”経営計画”
「経営計画」の必要性を「いい仲間作り」という視点で整理しました。
- 「いい会社」にするために「いい仲間」が必要であること
- 「いい仲間」に囲まれるために「自責思考」が必要であること
- 「いい仲間」に恵まれない経営者とは?
- 「いい仲間」に恵まれるための大切な2つの視点は・・・
- 視点1:マインドセットを整えること
- 視点2:会社の魅力を伝えること
- 「経営計画」は、魅力を伝えるプレゼンツールであること
「もっといい仲間」を集めるために、また、身近な人たちにも「もっといい仲間」になってもらうために、自責思考で「魅力」を作り、その「魅力」を伝えることが必要です。
そのためのプレゼンツールが「経営計画」であり、「経営計画って必要なの?」という問いかけに対する私の回答です。
もし、サポートが必要であれば、いつでも気軽に連絡ください!
以上、お役に立ちますように!