
おはようございます!
さて今回は、「経営の目的と手段」の話です。
その結論は、経営の目的は「人」であり、会社は「手段」。
「ヒト」のための「会社」であって、
「会社」のための「ヒト」ではない。
何事も、目的と手段が逆さまになると、本末転倒、それが不都合の原因になってしまいます。
会社経営においても同じです。
「いい会社」と「そうでない会社」を観察すると、いつも「やっぱりな」と思います。
本末転倒しないように、どんな考え方で経営すればいいか?
その最重要視点を分かりやすく整理します。
「経営の目的」について、アタマの整理に役立ててください。
経営の原理原則の理解を深めましょう。
この記事は「経営の原理原則|正しい成長のための筋道と道理」の補足です。
「10人~100人規模の中小企業経営者」の方々に向けた「自己投資=経営脳トレーニングのサポート」を目的に、「もっといい会社」に成長するヒントを毎週発信しています。
初めてアクセスしていただいた方は、「このブログについて」をまずご覧ください。
【原点回顧】
経営の目的は「幸せ」
「ヒト」のための「会社」であって、
「会社」のための「ヒト」ではない。
私が、この信念に至るまでの経緯を簡単に紹介します。
20年以上の税理士経験で見えたのは、「いい会社」と「そうでない会社」の決定的な違いです。
それは「ヒト」。
「いい会社」には、活気がありますが、「そうでない会社」は空気が重い。
そんな「重い会社」に訪問してよく思ったのは、
「業績が良くないから、重いのか?」
それとも
「重いから、業績が良くならないのか?」
結論は、後者でした。
「この重い空気を変えれば、業績は上向くはず」。
「重い空気」の原因はなんだ?
・・・・・・・・
それは、「ネガティブな感情」でした。
- 「面白くない」
- 「楽しくない」
- 「辛い」
- 「怖い」
- 「やりがいを感じない」
- 「報われない」
- 「不公平」
この、様々な「イヤな思い」を解消すればいい。
「イヤな思い」を最小限にすれば、活気が生まれ、シンプルに「前向きな感情」となり、チームのパフォーマンスが改善します。
すると、どんどん「いい会社」になっていく。
やっと「経営の目的は幸せなんだ」とたどり着きました。
原点回顧、経営の原理原則が「ハラ落ち」した理由です。
【重要本質】
会社は幸せの「手段」
経営の目的は、「関わる人たちの幸せである」。
だったら「会社は?」
・・・・・・・・
「そうか!会社は手段なんや!」
「みんなの幸せのために、会社を使ってるんや!」
「会社の繁栄のために、人を使ってるのではない!」
・・・・・・・・
ここで誤解してはなりません。
もちろん、「会社はどうでもいい」わけはありません。
関わる人たちの幸せのために「もっといい会社」にならなければなりません。
そのために十分な利益が必要なのも言うまでもありません。
好調な業績に「関わる人たちの幸せ」が伴うから「成長」なのです。
幸せが伴わない業績なら、それは「膨張」にすぎません。
あくまでも「関わる人たちの幸せのために」です。
これを忘れると「目的」がいつの間にか「会社のために」に変わってしまいます。
すると、「いい会社」を目指しているにも関わらず、「ダメな会社」に逆走していきます。
そのまま進むと、会社のためのガマンや犠牲が、まるで「美意識」のように語られるまでなってしまうのです。
「寝る間も惜しんで仕事に没頭すること」が幸せなら、それも正解です。
「休日返上して働き続けること」が幸せなら、それも正解です。
「幸せ」のために、「会社を手段」として使えばいいのです。
しかし、
「家族を犠牲にし、自分を犠牲にし、会社のために尽くす」というのは「間違い」です。
さて、誤解なく「会社は、人が幸せになるための手段」という真意は伝わったでしょうか?
【経営目的】
不幸にしない+幸せにする
さて、ここで次に気になるのは「幸せとは何か?」ですね。
私は、経営の目的である「幸せ」を、次のように2つに分けています。

- 幸せの合格ライン:イヤな思いをしていないこと
- 幸せの満点ライン:もう十分な幸せを感じていること
「イヤな思いをしている人はいない」という状態であれば、その会社の経営は「合格」。
もし、犠牲や過度な負担などで「イヤな思い」をしている誰かがいれば「不合格」です。
その場合は、急いで「合格」を目指して課題を解決をしなければなりません。
すでに「合格ライン」に達しているなら、「満点」のために「もっといい会社」を目指す。
この考え方は、下記の記事で詳しく解説しています。
「幸せとは?」について、さらに深めたい方は、ぜひ参考にしてみてください。
この記事では、次のような内容について、詳しく解説しています。
・「幸せ」に含む2つの意味
・関わる人たちの幸せ
・幸せとは、まず「不幸」でないこと
・会社は小さくても、関わる人たちは多い
・合格:関わる人たちに「イヤな思い」をさせない
・満点:よりよい幸せの機会をさらに増やす
・理想論か?そうではない経験談
【3G良し】
会社に関わる人たちの「幸せ」
経営の目的は「会社に関わる人たちの持続的な幸せ」。
次に気なるのは「関わる人たち」とは?です。
それは、次の3つのグループの人たちです。

- Group1:社外
得意先や取引先を主とする社会全般 - Group2:社内
社員と、その家族や大切な人たち - Group3:自分
経営者と、その家族や大切な人たち
これら「会社に関わる人たち」の「幸せ」のための会社経営です。
これは「3Gマネジメント」といい、経営の原理原則を表す基本概念です。
「誰に思いを馳せて経営をするか?」に加えて、
「経営者自身も幸せになる必要がある」という視点を忘れないようにするための大切なフレームワークです。
なぜなら、「ジブンが幸せにならないと、他者を幸せにすることはできない」からです。
この「3Gの幸せ」を深掘りしたい方は、ぜひ、下記の記事も一読してみてください。
この記事では、近江商人の「三方良し」との比較で「3Gマネジメント」の詳細を解説しています。
- 「近江商人の三方良し」
- 「世間」
- 「買い手」
- 「売り手」
- 「3Gマネジメント」
- 「社会・取引先・顧客」
- 「社員と、その家族や大切な人たち」
- 「経営者と、その家族や大切な人たち」
【重要使命】
「もっといい経営者」になる
どうすれば、みんなが幸せになれる「もっといい会社」になるのか?
その答えはシンプルです。
「もっといい経営者」になればいいのです。
これは、起業創業した時点で「もれなくついてくる使命」といっても過言ではありません。
- ジブンや特定の人だけの幸せのために起業創業したのですか?
- そのために、誰かにイヤな思いをさせても平気ですか?
少なくとも、この記事をここまで読んでくれたあなたはそうではありません。
でも、みんな(かつて私もそうでしたが)「時々、忘れてしまう」。
そうすると「思い出しなさい!」と言うかのように「不都合」が生じて痛い目に遭う。
「イヤな思い」が経営者に飛んできますが、それはブーメランです。
意識の有無は関係なく、実は経営者自身が投げたブーメランが返ってきたのです。
では、「うっかり、ブーメランを投げないようするためには?」

その答えが、このブログで紹介してる「経営脳:5つのレイヤーを最適化すること」です。
「痛い目に遭った経営者」を観察すると、必ず「5つのレイヤー」のどこかに課題を抱えています。
その課題がブーメランを投げさせてしまうのです。
「成長課題」が多ければ、多いほど「ブーメランの乱れ撃ち」としているものです。
「成長課題」が深ければ、深いほど「破壊力の強いブーメラン」を投げているものです。
私は、ブーメランを投げない経営者に会ったことはありません。
だから、経営者はみんな「帰ってくるブーメランの痛さ」を知っています。
だから・・・
・その数をできるだけ減らすため、
・その破壊力をできるだけ弱くするために
・・・頑張って「もっといい経営者」に成長していくのです。
「5レイヤー」は、そのためのフレームワークです。
下記の記事をぜひ参考にして「ジブンの成長課題」をピックアップしてみてください。
この記事では、経営脳の「5つのレイヤー」について詳細を解説しています。
・Layer5:Sense:センス
・Layer4:Skills:スキル
・Layer3:Mental:メンタル
・Layer2:Physical:フィジカル
・Layer1:Mindset:マインドセット
・経営者と会社の成長は表裏一体
・経営課題の本質は「経営者の成長課題」
・レイヤーごとに成長課題を整理して自主トレ
・レイヤーの前提は「自責」で取り組むこと
・レイヤーの効果は「自己効力感」が高まる
【要点整理】
本当の経営の難しさ
さて、どうでしょう?
経営の目的は「人」であり、会社は「手段」。
規模が拡大し、利益がたくさん出て、外見的には成功していると評価される会社。
でも、その裏で誰かが「イヤな思い」をするのは本末転倒です。
会社に関わる3つのグループの人たちから「あなたの会社のおかげで幸せです」と評価される経営者が「本当の成功者」だと私は思います。
簡単ではありません。
でも、それが「誰かを犠牲にしてもいい」という理由にはなりません。
昨日より今日、今日より明日。
コツコツ、地道に「イヤな思い」を減らしていく。
その上で、少しづつ「いい思い」を増やしていく。
そんな「人を中心にするからこそ、生じる思いや悩み」が、本当の経営の難しさだと、私は思っています。
もし、サポートが必要であれば、いつでも気軽に連絡ください!
以上、お役に立ちますように!
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