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この記事は、更新時の情報と筆者の考えに基づくものです。
おはようございます!
2024年第52週、いよいよ今年最後のコラムになりました。
最後は、今年の経営を総括するために「成果と失敗を振り返るヒント」を経営脳の5つのレイヤーで整理しておきます。
年末年始の自己内観の参考にしてみてください。
このブログでは「10人~100人規模の中小企業経営者」の方々に向けて「経営脳の自主トレサポート」を目的に「もっといい会社」にするためのヒントを発信しています。初めてアクセスしていただいた方は、こちら(=「このブログについて」)をまずご覧ください。
【成果】3つの良かったこと
まず「良かったこと」からピックアップしましょう。
さて、この1年で「もっといい会社」になりましたか?
1年間でどんな成果があったでしょうか?
- 売上や顧客数が拡大した
- 経常利益が拡大した
- いい人材を採用することができた
- 人事評価の仕組み作りが進んだ
- 経営会議で経営計画をレビューすることが習慣化した
このように、売上や利益など「定量的な視点」だけでなく、人材や自分自身の成長、仕組み作りなど「定性的な視点」も含めてもっとも印象的な成果を3つ、具体的に言語化し、書き出してみましょう。
その3つの成果は、どれくらいの達成感や満足感、充実感をもたらしてくれましたか?
【失敗】3つの悪かったこと
「悪かったこと」も振り返らなければなりません。
思い出したくないような失敗はありましたか?
できる限り鮮明に思い出し、イヤな順番に3つ、具体的に書き出してみましょう。
赤字、資金ショートなどの深刻な失敗から、予算未達や人材の採用育成などで思い通りにならなかったことも含め、「良かったこと」と同じように「定量的な視点」と「定性的な視点」で丁寧に振り返りましょう。
【本質】成果と失敗の要因原因を探る
さて、ここからが本題です。
ピックアップした「成果:3つの良かったこと」「失敗:3つの悪かったこと」の要因や原因を探りましょう。
今年の成果と失敗を来年以降に繋ぐためには、結果の現象だけを振り返るのではなく、それぞれの本質的な要因や原因を鮮明にしなければなりません。
なぜ成果を得ることができたのか?
なぜ、成果を得ることができたのでしょうか?
- どんな考え方や行動が成果に結びついたのか?
- その成果は「再現性」があるのか?
- 同じように考え、行動すれば、また次も成果を繰り返すことができるか?
「3C」「4P」「ヒト・モノ・カネ+トキ+ジブン」など、いくつか複数のフレームワークを活用すると整理しやすいと思います。
(参考記事)フレームワーク|アタマがもっと良くなる「分解思考」
また、中には「外部要因(市場環境・競合の動きなど)」の影響が大きく、「内部要因」だけで再現を期待できないことがあると思います。
ここで大切なのは「成果の前提条件」が何だったのか?です。併せて言語化しておきましよう。
この「成果の前提条件」を忘れてしまうと、往々にして「全て自力で得た成果」と勘違いし、時には「調子に乗ってしまう」ことになり、近い将来手痛いリバウンドに見舞われることになります。
順調な時こそ「勝って兜の緒を締めよ」です。
(関連記事)盲点弱点|順調な経営者ほど忘れがちな「経営8つの前提条件」
なぜ失敗してしまったのか?
本稿において「失敗」というハードな言葉のなかには「思うように成果を得られなかった」ということも含みます。
「成果」と同様、「失敗」についても、そこに至る考え方や行動にどんな問題があったのか?を素直に振り返ることがとても重要です。
この振り返りにおいて効果的なのは「なぜ・なぜ・なぜ」の繰り返しです。
よくある「顧客が少なかったから売上が伸びなかった」といったように「顧客が少なかった」という現象を原因と勘違いして済ませてしまうことが往々にしてあるからです。「なぜ、顧客が少なかった?」という次の「なぜ」を繰り返すことで、より本質的な原因にアプローチすることができます。
その上で、導き出した「本質的な原因」を解消すれば失敗せず、思った成果を得ることができたのか?という自問自答で「その原因は正しいのか?」の確認ができます。
この「失敗の振り返り」によって「再発防止策」を明確にしましょう。
(参考記事)経営者のクリティカルシンキング力:もっと深く!もっと広く!
【深掘】5つのレイヤーでジブンをたな卸
「ジブン」にフォーカスして、さらに思考を深めましょう。
「成果」も「失敗」も、経営者の意思決定の結果です。
年末にあたり、経営脳の5つのレイヤーで「ジブンのたな卸」をしましょう。
自分自身の「良いところ」「悪いところ」を自己内観し、上記で明らかになった成功と失敗の要因や原因を「ジブン」に落とし込むことが「経営脳の自主トレ」にとても効果的です。
Layer1:マインドセット
さて、この1年で「考え方」は、どのように進化したでしょうか?
経営脳の5つのレイヤーの最下層のマインドセット次第で、上位のフィジカル・メンタル・スキル・センスのパフォーマンスは大きく左右されます。
スキルもセンスも十分なのに、成果を得ることができなかった、あるいは、失敗が続くとき、その原因は「マインドセット=考え方」にあることがほとんどです。
経営者として、経営の原理原則に沿った正しい考え方をしているか?
もし、心当たりがあれば「マインドセット」の課題解決が先決です。
Layer2:フィジカル
「カラダが資本」ですね。
この1年間、コンディションを崩すことなく、駆け抜けることができましたか?
トップリーダーにとって、その活力はチームのパフォーマンスにも大きく影響します。
「社長!いつも元気ですね~」という印象を与え続けるフィジカルでしたか?
そのため、自ら「フィジカルマネジメント」を実践していましたか?
フィジカルのコンディションが、今年1年の成果や失敗にどのように影響してたかを振り返りましょう。
(詳説記事)フィジカル|今年のコンディションを振り返り来年に備えよう
Layer3:メンタル
今年1年、「上機嫌・ゴキゲン」でしたか?
気分良く、モチベーション高く、自己肯定感も強く過ごすことができたでしょうか?
自分自身の気持ちや感情をセルフマネジメントできていたでしょうか?
「ゴキゲンな社長を見ていると、こっちもゴキゲンになるわ!」と、周囲にも良い影響を与えるような「好意的なゴキゲン」がチーム内に限らず、社外の人たちにも好影響を及ぼします。
さて、今年1年のメンタルが、どんな成果や失敗に影響していたでしょうか?
(関連記事)メンタル|経営者が「ゴキゲン」なら大抵のことはうまくいく
Layer4:スキル
経営者に限らず「スキル」が必要なことは言うまでもありません。
このブログでは「スキル」を「基礎スキル」と「経営スキル」に大きく分けて解説していますが、私のマネジメントコーチとしての「現場感覚・肌感覚」では、多くは「まだまだ、基礎スキルが足りてないな」という経営者がほとんどです。
経営スキルが必要十分な経営者は基礎スキルも十分なものです。
もし「スキル」に課題認識があれば、まず「基礎スキル」を中心に振り返りましょう。
【基礎スキル8選】
Layer5:センス
経営脳の最上位は「センス」、競争優位を創り出すチカラです。
学習や経験によって修得が可能なスキルとは違って、センスは感性や感覚に基づくものなので、そのトレーニングは簡単ではありません。しかし、簡単ではないからこそ「差」となります。
成果のためにどんなセンスが必要か?センスが原因で失敗を繰り返していないか?を内省してみましょう。
(関連記事)これがセンスの正体?「作業」から「作用」に視点を変えてみる
【一路順風】2025年も実りある一年に!
さて、2024年最後のコラムは「振り返り」について、深めに整理しました。
成果を持続し、失敗を断ち、2025年も「もっといい会社」に進化し、そして実りある1年にしましょう。
「いい年になりますように!」ではなく「いい年にするぞ!」です。
そのために、今一度「経営脳の5つのレイヤー」について、ひとつひとつ丁寧に振り返りましょう!
よいお年を!
今年もありがとうございました!