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この記事は、更新時の情報と筆者の考えに基づくものです。
社員に「経営感覚を持ってほしい」と思っている経営者は少なくありません。
でも、そのほとんどは「経営感覚を持ってくれ!」と掛け声するだけで具体的なアクションは起こしていません、というより「やり方」が分からないというのが現実でしょう。
私は、そのような相談を受けた時は必ず「まず、会計を教えてあげよう」と提案しています。
「経営感覚」といっても様々ですが、共通して必要なのは「会計」です。
会計が経営者と社員の共通言語になれば、両者の距離はグッと近くなります。
この記事は「中小企業向け人材育成|人が成長する仕組み作りの概要」の補足です。
【現実直視】社員は “経営感覚” を持てない
本題の前に身も蓋もない話をすると、一般の社員が「経営感覚」を持つことは無理です。
私は「社員にそれを期待する経営者の方がおかしい」と思っているくらいです。
なぜなら、本当の経営感覚を身に付けるためには「身銭を切る」必要があるからです。
無一文になるリスクを背負わないと経営はわかりません。
誤解を恐れずに言うと、社員にとって会社の経営は「ひとごと」です。
万が一、倒産し経営者が破産しそうなときに、彼らは私財を投じて助けてくれますか?
【課題解決】会計を社員との共通語にする
とはいえ・・・
そもそも、多くの経営者が社員に対して経営感覚を求める理由は、連帯保証人になって欲しいわけでもなく、一緒に破産する覚悟をしてくれ、でもありません。
「利益が大切なことを分かって欲しい」のです、よね?
「会社の業績について、同じ(あるいは近い)感覚でいっしょに考えてほしい」のです。
だったら「利益」や「業績」を共有すればよく、その道具・ツールが会計に他なりません。
売上-コスト=利益、という当たり前の計算、そして、もうひとつ、利益-返済=キャッシュフロー、つまり利益とキャッシュが連動しないことを分かって欲しいのです。
もちろん、他にも、マーケットのこと、顧客満足度のこと、人材育成のことなど、山積みのテーマを共有して欲しいかもしれませんが、これらについても経営者と社員が近い感覚で共有するためには「数字」が必要です。
まずは、幹部社員に「正しい会計」を習得してもらい「会計を共通語にする」ことが効果的です。
それだけで経営者と社員との距離はかなり近くなります。
具体的には「管理会計(≒マネジメント会計)」の一部(私は全部公開することには反対)を公開し、それを毎月の会議で共有します。
参考までに紹介しておくと、この取り組みに参加している会社の部門リーダーに「どう?会計の勉強をして良かった?」と聞くと下記のような反応がほとんどです。
- 「何をすれば、利益が出るかがハッキリわかるようになりました。今までは、ただ、ガムシャラに根性で頑張っていましたから(笑)」
- 「部下にも、根性論ではなく、何をどのように頑張ればいいのか、と指示しやすくなり、部下も納得して聞いてくれるようになりました」
(参考記事)中小企業の管理会計|有意義な経営会議の進め方、6つの視点
【成果分配】当事者意識をもっと強くする
さらに効果を狙うのであれば「身銭を切ってもらうこと」です。
とはいえ、共同経営するわけではないので出資してもらうことでも、保証人になってもらうわけでもありません。
業績に待遇を連動させる仕組みである「業績連動型賞与」が効果的です。
「ひとごと」が「じぶんごと」になると、経営への関心、数字への関心が変わります。
詳しくは、下記の記事を参考にしてください。
(参考記事)みんなで稼いでみんなでシェア|中小企業向け|業績連動型賞与の仕組み作りの概要
【まとめ】会計による人材育成
以上、社員に経営感覚を持ってほしいと考える経営者へのヒントをまとめてみました
私は長年「会計」に関わてきて、今、この「会計による人材育成」に関わることができて、心から冥利を感じています。
会計スキルを身につけて成長した社員たちが会社を成長させる原動力になってくれるからです。
関連記事も含め参考にしてみてください。
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