堀井さんは「管理会計は絶対必要!」って力説するけど、周りを見渡しても管理会計を使ってる経営者を見かけない。
ホントに役に立つの?
・・・という声が聞こえてきたので、この記事を追加します。
確かに管理会計を活用している中小企業経営者はまだまだ少数派ですが、その理由は、私たち(専門家)の「普及活動」が弱いからです(=反省)。だから、中小企業経営者のほとんどが管理会計の「良さを知らない」「良さに気付いてない」のですよね・・・。
私が税理士時代に「この経営者には管理会計は必要ないな」と思った話を紹介するので、もし、これから管理会計の導入、実装を検討されているならぜひ参考にしてください。
*本稿において「管理会計」とは「中小企業の経営管理を目的とするマネジメント会計」を指します。
この記事は「中小企業向け|管理会計(≒マネジメント会計)の設計と運用の概要」の補足です。
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【真の目的】
管理会計は”手段”に過ぎない
管理会計は「手段」にすぎないので、経営状態を把握するための「別の方法」があれば、それで十分です。
そもそも管理会計の目的は「会社経営のために有効な情報を経営者に提供すること」であり、この目的が実現できるなら、その「手段」は「管理会計」でなくても、何だっていいのです。
もし「試算表」や「決算書」で、あるいは、会計以外の独自の指標などで経営状態を正しく把握できているのであれば「管理会計」という余分な手間をかける必要はありません。
【天才商人】
管理会計なんて必要ない?
「管理会計なんて必要ない経営者」とは「管理会計なんてなくても、順調に経営できる経営者」です。
私が過去に出会った経営者で「この経営者には管理会計は必要ないな」と思った二人のエピソードを紹介します。
独特の「”カン”ピュータ」が
鋭い経営者
ひとり目は、独特の「カンピュータ」が冴えている天才的な?経営者です。
会計データを見るまでもなく、感覚的に「儲かってる」「儲かってない」「こうすればもっと儲かる」と察知し、次々と課題を発見し、解決していくような経営者。このような経営者にとっては「面倒な数字」なんて要らないんですよね。
この経営者は「利益は***くらい出てるはず」「資金繰りは***が問題」「損益分岐点を下げないとだめ」など、会計データを見る前から察知していて、管理会計のレポートを見せると「ほら!当たってるやろ!」ってドヤ顔です。
生まれながらの
「あきんど」経営者
上記の「カンピュータ」の鋭い経営者に似ていますが、生まれながらの商人(あきんど)と言ってもいいような経営者に会ったこともあります。
「どうすれば儲かるか?」「何をすれば損するか?」そして「どうすれば社員がイキイキと仕事するか?」など、商売の「ツボ」を心得ていて、そもそも「損しないタイプ」です。
その人は、手元のキャッシュの出入りで独自のカウントをしていました。
そのためか「現ナマ」をいつも持っていました。(昭和ですね・・・)
その経営者に言われて「はっ!」としたことがあります。
「月次決算?、月1回って、えらいのんびりやなあw、商売は、日々刻々や!」
返す言葉がありませんでした。
【絶対必要】
実は慎重派で心配性だから
ただ、上記のふたりの経営者には共通点があります。
私が無力感から「社長には、めんどうな会計なんて要らないですね・・・」とボヤくと「いや!要る要る!」と言います。
なぜか?
その理由は「カンの精度を確認するため」だといいます。
独特の感覚や方法で会社の状況を掴んでいるのですが、それが狂ってないか?の確認に会計が必要というのです。
毎月の管理会計のレポートで「答え合わせ」をしていたのです。
ふたりともキャラクター的に「横着・豪快」に見えるのですが、実はすごい慎重派であり、心配性であるところも共通していました。
でも、慎重で心配性だから、起業創業したときから、細かく先読みする「クセ」が付き、それが「カン」に進化していたのです。
事実、大雑把で楽観的で自信過剰な経営者が失敗することが多いのも納得がいきます。
【要点整理】
使ってない理由は知らないから
何が言いたいのか?
「数字に強い経営者」にとっても、「そうでない経営者」にとっても「管理会計」は、結局必要なのです。
「必要ない」という経営者は、経営の怖さにまだ気付いてない人で、慎重さに欠け、心配事が少なく楽観的だから、と私の中で結論付けています。
周りに管理会計を使っている人が少ない、という冒頭の「声」の理由は「必要ないから使ってない」のではなく「知らないから使ってない」だけです。
(関連記事)賛否両論|中小企業が管理会計にわざわざ手間をかけるメリット
関連記事も含め参考にしてみてください。
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