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この記事は、更新時の情報と筆者の考えに基づくものです。
おはようございます!
2024年も後半戦がスタートしましたが、順調ですか?
梅雨の季節、雨が好きではない私は「晴れてるウォーキングコース」を探すために毎朝全国の天気予報をチェックしているのですが、もうすでにどこも「真夏」で日中ウォークはヤバいですね。
さて今日は、最近気になっている「解像度」の話を整理しておきます。
「現状の解像度を高めれば、ほとんどの経営課題は解決する」という話です。
課題解決のためのド定番フレームワークである「課題=あるべき姿(ゴール)-現状」を深掘りします。週末の「経営脳の自主トレ」の参考にしてみてください。
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経営課題を解決できない会社の共通点
2022年3月まで税理士として約30年、現在もマネジメントコーチとして多くの中小企業経営の現場に接していますが、経営課題のない会社はありません。どの会社も程度の差はあれど、何らかの経営課題を抱えています。
その経営課題を「次々に解決できる会社」と「解決できず山積している会社」がありますが、それらを観察しているとそれぞれに共通点があることに気付きます。
そのひとつが「現状の正しい把握=課題の解像度」です。
経営課題を次々と解決し、成長を持続している会社は現状把握の解像度が高く「何が本質的な問題か?」ということを、言語化あるいは数値化しており、また、それをチームで共有しています。
一方で、なかなか解決できず「課題が山積している会社」にも共通点があり、それが「解像度の低さ」です。経営状況について「なんとなく」「感覚的」「過去の経験的」に感じ取っているだけで、言葉による説明ができなかったり、あるいは、根拠となる正確な客観的数値データを示すことができません。
また下記のように「現象」を「課題」と勘違いしているケースも散見されます。
- 売り上げが伸びないのは、市場が冷えているから・・・いや、競争力の弱さが本質では?
- 資金繰りが厳しいのは、銀行が融資してくれないから・・・いや、収益力の弱さが本質では?
- 強くなれないのは、メンバーのレベルが低いから・・・いや、採用力の弱さが本質では?
これらの勘違いは、それぞれの原因について解像度を高め、言語化、数値化すれば多くの場合、それに気づくことができます。
課題が鮮明になれば8割は解決してる
改めて、課題のフレームワークを確認しましょう。
課題=あるべき姿(ゴール)-現状
「どうあるべきか?」「それに対して現状は?」、この二つの要素の解像度が高くなれば、「課題の解像度」が高くなり、その結果「解決のためにどうすればいいか?」が鮮明になります。
このフレームワークが表す通り、いずれかが不鮮明であれば、課題も不鮮明になってしまいます。
課題を言語化・数値化することで、解像度を高めることができれば、あとは「やるだけ」です。
課題が鮮明になれば、8割は解決したようなものです。
(関連記事)【経営者の基礎スキル】課題発見のためのゴールファースト思考
解像度を高めるビフォー&アフター
具体的な「よくある事例」で考えてみましょう。
私が中小企業でよく見かける「解像度が低い状態=before」と「解像度を高める実務=after」をいくつか紹介します。
不都合があれば、なぜ、そのようなことが生じるのか?を具体的に紐解いてく取り組みです。
業務プロセスの解像度を高める
- before:ブラックボックス化
- 業務手順が各メンバーの「自己流」であったり、自然発生的なフローであり、生産性や効率性、正確性が低くても、そのプロセスを解明することなく「メンバーのスキル」で片づけてしまっている。
- 業務の進捗状況が把握できず、遅延やミスが頻発するが、「次から気を付けるように!」と叱責し、個人の注意力等に依存する精神論や根性論で済ませてしまっている。
- after:オープン化
- マニュアル化=業務手順を最適なフローに標準化し、チームで共有
- フローチャート化=業務のプロセス・流れを可視化
- ルール化=ミスや遅延など、問題が生じやすいプロセスでのダブルチェックルールや、中間ゴールの期限設定などを「チームのルール」とし、「個人のマイルール」を排除
会計の解像度を高める
- before:会計データの軽視
- 月次決算が遅い、また、精度が低いが「会計は苦手」「税理士に任せているから」などの理由でその原因解明をしない
- 手書きやエクセルで管理され、正確性が疑わしいが、それ以上の改善には取り組んでいない
- どの部門が(どの商材が)利益を出しているかを表すデータが無く「たぶん~だろう」と推測や思い込みで済ませている
- after:マネジメント会計の活用
- マネジメント会計(管理会計)の導入と運用
- 翌月1週間以内に精度の高い月次決算を実施
- 予実管理=KPIを設定し、重要項目において予実管理を実施
- 月例経営会議を実施し、可視化・数値化された経営課題を関連者と共有
(関連記事)必修経営スキル【会計力】過去と未来を数字で語るチカラ
マーケティングの解像度を高める
- Before:3Cが不明瞭
- Company:自社の強み、弱みが鮮明でなく「わかったつもり」でいる、あるいは、それをチームで共有していない
- Competitor:「競争意識」が低く、競合他社の状況把握が不十分
- Customer:顧客満足度に無頓着。クレームがなければ良しとしている、あるいは、クレームは付き物と当然視してしまっている
- After:3Cを言語化・数値化
- Company:自社の商材、販路、営業力等の強み、弱みの現状を言語化・数値化
- Competitor:競合他社を自社と比較し、優位性、劣後性を言語化・数値化
- Customer:現在顧客、潜在顧客の現在ニーズ、将来ニーズ、それに対する当社の対応力を言語化・数値化
(関連記事)必修経営スキル【情報力】収集・分析・活用のチカラ
チームの解像度を高める
- Before
- メンバーのスキルや成長課題が不明瞭であり、経営者の感覚や印象で済ませている
- メンバーのモチベーションやメンタルが軽視され、状況把握が不十分
- After
- 人事評価によるスキルの数値化と成長課題の言語化
- 定期的な1on1の実施によるメンバー満足度を定点観測
- 適材適所の実施によるチームフォーメーションの最適化
(関連記事)必修経営スキル【チームビルディング力】組織最適化のチカラ
解像度を高めるために
解像度とは、具体的には「言語化」と「数値化」であり「あいまい」を極力排除することが大前提です。
「言語化」にあたり、注意しなければならないのは「ロジカル(論理的)か?」です。語る言葉の途中に「思い込み」や「想像」あるいは「スキキライ」などの感情的な部分が含まれていないか?に注意して「書きだすこと」が効果的です。
(関連記事)【経営者の基礎スキル】無感情と理詰めのロジカルシンキング
「売り上げが伸び悩んでいるのは、メンバーの営業力が低いからだ」
一見、言語化できているようですが、突っ込みどころ満載です。メンバーの営業力と売り上げの相関関係について論理的に結びついていなくてはなりません。営業力の低さとは何か?何が低いのか?トーク?プレゼン?アタック数?広告等の援護射撃?など、営業力を構成する各要素を紐解き、原因を特定し、もし、それが改善すれば、売上は伸びるという関係性まで論理的に「なるほど!」と関係者が納得するレベルまで鮮明にすることが必要です。また、そのプロセスで「営業力ではなく、商品力だ」とまったく違う答えになるケースも少なくありません。
(関連記事)経営者のマインドセット|「本質志向」を持っているだろうか?
一方、数値化でもっとも効果的なのが「マネジメント会計(管理会計)」の導入と活用です。会計は、事務処理ではなく情報処理である、という視点を持って取り組むことがとても重要であり、また、効果的です。
(関連記事)会計は「事務処理」ではなく「情報処理」であるという視点
まとめ
さて、どうですか?今週は「現状の解像度を高めれば、ほとんどの経営課題は解決する」というテーマで整理しました。
「解像度を高めることの重要性と効果」を感じ取ってもらえたでしょうか?
関連記事も含め参考にしてみてください。
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以上、お役に立ちますように!