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この記事は、更新時の情報と筆者の考えに基づくものです。
おはようございます!
2025年第2週の土曜日、いい新年を過ごせましたか?
今週は、成果に大きく影響する「経営者の知的生産性」について整理しておきます。
特に、経営者個人の影響が大きい中小企業においては、経営者が知的生産性を高め、パフォーマンスを強化すれば、ほとんどのケースで会社は激変します。
今年の目標の達成や実現のためも、とても大切なテーマなので「もっと会社を良くしたい!」と思っておられるならぜひ参考にしてください。
このブログでは「10人~100人規模の中小企業経営者」の方々に向けて「経営脳の自主トレサポート」を目的に「もっといい会社」にするためのヒントを発信しています。初めてアクセスしていただいた方は、こちら(=「このブログについて」)をまずご覧ください。
【定義】知的生産性とは「最短+最適」
「知的生産性」とは、「アタマのインプットとアウトプットの価値と効率のこと」です。
したがって「知的生産性が高い」とは「最短の時間」で「最適の(質の良い)答え」がアウトプットできることを指します。
関西弁でカンタンに言えば「さっさとエエ答えが出せる」ということですね。
反対に「知的生産性が低い」とは、「時間がかかる」または「答えが最適でない・質が良くない」ことであり、最悪の場合は「時間をかけても答えが出ない」ということになります。
【現状】ジブンの知的生産性を振り返る
「知的生産性」を常に意識している人を観察していると、その意識によって「高い知的生産性」を持続することができており、「意識すれば、ある程度は高くなるもの」であることが分かります。
反対に「知的生産性」が低い人を観察していると、そもそも「生産性」について、意識が希薄であったり、単純に無頓着であることがほとんどで、「生産性に対する意識って大事やなあ」と思います。
さて、あなたはどちらですか?
ここで、いくつかのチェックリストを示すので、セルフチェックしてみてください。
アウトプットに対する自覚
- 自分自身の仕事の質に満足していますか?
- 目標や計画に対する進捗は順調ですか?
- 最近の判断や意思決定に後悔や反省はありませんか?
- 判断や意思決定を先送りしていませんか?
- アウトプットに必要な情報を十分に得ていますか?
- 経営者としての仕事ができていますか?
時間に対する自覚
- 時間を有効活用できていますか?
- 集中する時間を確保できていますか?
- 自由時間は充分に確保できていますか?
- 無駄な時間は少ないですか?
- 仕事に追われてませんか?
心身コンディションの自覚
上述したように、「知的生産性」を要素分解すると「時間」と「質」になりますが、そもそも、それを支えているのは「心身のコンディション」です。こちらもチェックしておきましょう。
- 心身の余裕はありますか?
- 集中力を維持できていますか?
- 睡眠や休息の質に満足していますか?
- 自由時間やリフレッシュの時間を取れていますか?
- ストレスの原因を把握し、適切に対処していますか?
【前提】知的生産性を高める目的は何か?
さて、セルフチェックはどうでしたか?新たな気付きはありましたか?
もし「改善が必要やな」と反省や課題があったなら、さっそく解決に取り組まなければなりませんが「知的生産性」を改善し、パフォーマンスを強化するためにはクリアにしておかなければならない「前提」があります。
それは「目的」です。
「なぜ、知的生産性を改善したいのか?」です。
- もっと、質の良いアウトプットがしたい
- もっと、多くのアウトプットしたい
- もっと、スピードアップしたい
- もっと、自由な時間が欲しい
- もっと、仕事の主導権を握りたい
このように「目的」は人によって様々ですが、これらは表面的な目的かもしれません。
私が考える最も重要な目的は「もっといい会社に成長させるため」です。そのためには「戦略」や「仕組み」のクオリティーを高める必要があり、また、そのための十分な時間を確保することが不可欠です。そして、何より、それに対する熱量が「知的生産性」を高める原動力になりますが、あなたはどう思いますか?
さらに「本質的な目的」に迫るためには、さらに下記のような自問自答も効果的です。
- なぜ、知的生産性の改善向上が必要なのか?
- それによって何を実現したいのか?
- 知的生産性を高めると、自分以外の誰にどのような効果があるのか?
この「知的生産性を高める」という取り組みも、ひとつの「課題解決」です。
そもそもの「なぜ?」という自分自身の「目的」を鮮明にしておかなければ「手段」が負担になってしまい、「生産性」ではなく「三日坊主の可能性」が高まってしまいます。
次のステップに進む前に、この前提となる「本質的な目的」を自問自答してください。
【成果】より多くの質の良いアウトプット
「知的生産性を改善し、高める目的」がハッキリしたなら、具体的なアクションです。
「知的生産性」が高くなれば、「時間当たりの質の良いアウトプット」が増加します。
これを、要素分解すれば、下記のようなフレームワークになります。
成果の総量=知的生産性×投下時間
知的生産性が高くなっても、投下時間を十分に確保できなければ、成果の総量は期待できません。
反対に、たっぷり時間を確保できたとしても、知的生産性が低ければ、同様に成果の総量は増えないでしょう。
つまり「期待する成果の総量」を増加させるには「知的生産性」と「投下時間」の双方で改善しなければなりません。
ここでは「知的生産性」を高める具体的な手段として「経営脳を整えること」と「フレームワーカーになること」を、また一方で「投下時間」を増やす具体的な手段として「自由時間の確保」について整理しますが、それぞれの手段について、さらに深掘りして改善に取り組むためには、関連記事を参考にしながら自分に合った方法を試してみてください。
経営脳を整える
このブログのメインテーマでもある「経営脳のフレームワーク」は、まさに「知的生産性」を高めるための具体的な方法論です。
経営者のパフォーマンスを「マインドセット」「フィジカル」「メンタル」「スキル」「センス」という5つのレイヤー(階層)に要素分解していますが、これらの課題をひとつひとつ解決することで、どんどん「知的生産性」は改善されていきます。
「知的生産性」の課題をこの「経営脳の5つの階層」で原因分析したサンプルを示すと次のようになります。
- Layer1:マインドセット:可能志向が弱く、最初からあきらめることが多い
- Layer2:フィジカル:身体のコンディションが思わしくない
- Layer3:メンタル:心に余裕がない
- Layer4:スキル:論理的に考えるチカラが不足してる
- Layer5:センス:相手の気持ちに思いを馳せてない
これらは、ほんの一例です。心当たりがあれば、それぞれのレイヤーのひとつひとつについて丁寧に自己内観してみてください。
(関連記事)経営脳の5つのレイヤー
フレームワーカーになる
「フレームワーク」は、「効率的に考えるための道具」です。こんな便利なものを「使わない理由」が見当たりません。
あなたの「頭の道具箱」にどれだけ入ってるか?です。
「自己流」には限界があります。なにより効率的、合理的ではありません。
先人の知恵は、遠慮なく、躊躇なく使い倒しましょう!
(関連記事)中小企業経営者のための「フレームワーク思考法」のススメ
自由時間の確保
私は「ヒトモノカネ」に「トキ」も加えて、時間も重要な経営資源であると説いていますが、これについてクドイ話は必要ないでしょう。
重要な経営資源である「自分の時間」「自由時間」をムダにしてはなりません。「失っても、また稼げるお金」より「失えば二度と返ってこない時間」は、捉え方次第で「お金より重要」です。
そんな価値ある時間を、ムダにしたり、他者に奪われたりするのは、本当にもったいないことです。
改めて、自由時間をより多く確保し、思う存分「投下」できるように、時間の有効活用を見直してみてください。
(関連記事)「ヒト・モノ・カネ」に「トキ」を加える話
【習慣化】知的生産性を高める取り組み
私自身の経験では、「知的生産性」は「やればやるほど良くなる」ものです。
「性格由来」「価値観相違」と言われればそれまでですが(笑)、私は元税理士にクセに「カネヅカイが荒い」反面「ジカンにはセコイ」とよく言われます。
「コスパ」の悪い1万円は、あまり気にならないのですが、最近若い人がよく言う「タイパ」の悪い1時間は、ウジウジしてしまいます。
- 「少しでも速くできる方法は無いか?」
- 「少しでも省略できる方法は無いか?」
- 「少しでも任せられることは無いか?」
こんなことをいつも考えています。そのおかげで「chat-GPT」や「スプレッドシート」を使い倒せるようになりました。
さらに「仕事のタイム」も測っています。今こうして書いているこの記事も「目標3時間」と決めて取り掛かりましたが、書き終えてから「予実分析」して反省する予定です(笑)。
このようなスタイルについて「スキキライ」があることを承知していますが、もう一段声高にお伝えしたいのは、知的生産性を「習慣化」すると、メチャクチャお得!ということです。
ストレートに言うと「ジカンもオカネ」も増えます。
そして、何より「ジカンとオカネ」の余裕は「心の余裕」につながります。
そして、この「心の余裕」が、さらなる「知的生産性」を高めることになる、という「善循環」です。
「こんなスタイル、好きじゃないなあ」と思う人も、いったん「スキキライ」を横において、だまされたと思って試してみてください。
(関連記事)最高の人生のための「経営者のタイムマネジメント」
【満足感】評価するのは経営者自身
さて、最後に大切なことを書き加えておきます。
「成果の総量=知的生産性×投下時間」というフレームワークを上記しましたが、この「成果」は、経営者自身が自己評価しなければなりません。周囲からの高評価や批判があったとしても、それは参考意見のひとつにすぎません。
周囲が高評価してくれたとしても、自己満足感が得られなければ、それは「成果」ではありません。反対に、批判には素直に耳を傾けることが大切ですが、それを踏まえても自己満足感があれば、それは「成果」でいいのです。
たとえば、周囲から「時間がかかりすぎ」と批判されても、「たっぷりと時間投下することができた」と経営者自身が満足なら、それでいいのです。同様に、周囲から「速っ!」と評価されても、経営者自身が想定している「あるべき姿」に届いていないのであれば「まだまだだ!」と、さらなる高みを目指せばいいのです。
成果を評価するのは経営者自身であることは、知的生産性を高めることにとても重要です。
成果が良ければ「満足感」に加えて「充実感」や「達成感」を感じることができ、その結果どんどん「ゴキゲン」になれるからです。たとえ、満足感が得られない成果であっても、それは、次なる成長のきっかけになります。
これも「セルフマネジメント」のひとつであることを忘れず取り組んでみてください。
(関連記事)経営者が「ゴキゲン」なら大抵のことはうまくいく
【要点整理】会社は必ずもっと良くなる!
さて、どうでしょう?「経営者の知的生産性」について整理しました。
- 【定義】知的生産性とは「時間当たりのアウトプットの良し悪し」であること
- 【現状】自分自身の知的生産性を3つの視点で振り返ること
- 【前提】知的生産性を高める本質的な目的を明確にすること
- 【成果】より多くの質の良いアウトプットをするための3つの要素
- 【習慣化】知的生産性を高めるストイックな取り組み
- 【満足感】知的生産性の良否を評価するのは経営者自身であること
経営者自身の知的生産性を高めれば、必ず会社はもっとよくなります。その程度によっては激変するかも!です。
関連記事も含め参考にしてみてください。
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以上、お役に立ちますように!