人を育てる視点|「基礎スキル」をアップデートすればいい

HORII
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おはようございます!

経営脳のトレーニングは順調ですか?

さて、今週は「人材育成」についての重要視点を整理しておきます。

会社の成長のために人材の成長が欠かせません。

極端な話、人材が成長すれば、それに伴って会社は成長します。

営業も開発も、また管理もすべて「ヒトの仕事」です。

「営業力強化」と言っても、ほとんどの場合、その実は「営業担当者の成長」に他なりません。

「もっといい会社」にするため「育て上手な経営者」になる必要があります。

本稿は、その重要視点である「基礎スキルをアップデートすれば人は育つ」という話です。

「育成力のトレーニング」の参考にしてみてください。

この記事は「中小企業向け人材育成|人が成長する仕組み作りの概要」の補足です。

このブログでは、「10人~100人規模の中小企業経営者」の方々に向けた「自己投資=経営脳トレーニングのサポート」を目的に、「もっといい会社」に成長するヒントを毎週発信しています。
初めてアクセスしていただいた方は、「このブログについて」をまずご覧ください。

【基本構造】
ヒトも「OSとアプリ」で動いている

【経営脳】5つのレイヤー。「マインドセット」「フィジカル」「メンタル」「スキル」「センス」。

先に結論を書いておきます。

PCやスマートフォンと同じように、人も「OSとアプリ」で動いています。

「レイヤー1:マインドセットはOS」、「レイヤー4:スキルはアプリ」に相当します。

PCやスマートフォンにどれだけ良いアプリをインストールしても「OS」がイマイチだったらサクサク動きません。

人も同じで、どれだけ「スキル」をトレーニングしても、そもそもの「マインドセット」に課題を抱えていれば、「暖簾に腕押し」でストレスを抱えることになります。

人も「OSとアプリ」、つまり「考え方」と「技能や技術」で動いているのです。

人材育成において、最も重要なのは「OSのアップデート=考え方のアップデート」です。

人材がサクサク動かないのは、ほとんどのケースで「マインドセット」に課題があるからです。

しかし・・・

それでも「イマイチ」なことがあります。

【2層構造】
アプリは「標準と専門」

「マインドセット」に課題は無いのに、どうも「動きが悪い」というケース。

次に着目するのが「スキルの構造」です。

「スキル」は「基礎」と「実務」に大別できます。

これも、PCなどに例えるなら・・・

  • 「基礎スキル」は、「標準アプリ」=最初から標準搭載されている「文字入力」などのユーティリティアプリ
  • 「実務スキル」は、「専門アプリ」=「会計」「デザイン」「設計」などのように、使う人が必要(職種)に応じてインストールするアプリ

動きが悪い原因は、このどちらかに課題があるからです。

この2つの特徴は・・・

  • 基礎(標準アプリ)は、実務(専門アプリ)が無くても動く
  • 実務(専門アプリ)は、基礎(標準アプリ)が無ければ動けない

・・・という関係性です。

この視点がないと、勘違いしてしまうことが往々にしてあります。

つまり、「動きが悪いのは、実務スキル(専門アプリ)が足りないからだ」という勘違い。

いや「思い込み」かもしれません。

重要なのは、「実は基礎スキル(標準アプリ)が根本原因ではないだろうか?」という視点です。

【標準搭載】
業種 職種を問わない基礎スキル

「基礎スキル」は、年齢や業種、職種を問わず、全員に共通して必修のスキルです。

私は、若い頃「和太鼓バンド」のメンバーに研修したことがありますが、その時も「ピッタリ」当てはまりました。

もちろん、新人も経営者も関係なく共通して必要です。

例示すると、次のようなスキルです。

上記のうちリンクがあるのは、経営者向けにピックアップした8つですが、それぞれ新人さんにも当てはまります。

また、下記「成長の方程式」は、私が関与している会社の社員さん向けに「自習用サイト」として公開しているものです。

それぞれのスキルについて「新人さん向け」にかみ砕いて書いてあるので、こちらも参考にしてみてください。

(参考サイト)基礎スキル自習用サイト「成長の方程式」

【課題確認】
基礎スキル不足が原因

繰り返しますが、サクサク動かない人材の原因のほとんどは「基礎スキル」の不足です。

人材育成において効果が得られない会社を観察していると、下記のようなことに気付きます。

  1. 「スキル」を一括りにして「基礎」「実務」の整理ができていない=ごっちゃになってる
  2. サクサク動かない原因を「実務スキル不足」と勘違いしている
  3. そもそも「モチベーション=やる気」がないとあきらめている

心当たりはありますか?

この記事は「1」と「2」の話です。

*「3」は、こちらを参考にしてください:人が育たない理由|成長意欲 や やる気 がないのはなぜか?

「1」については、人は「基礎+実務」で動いていることを認識した上で、カテゴライズすることで改善します。

「2」については、「本当の原因は基礎スキル不足である」と認識を改めることで改善します。

「基礎スキル」の課題を解決せずに「実務スキル」のトレーニングをしても、ほとんど効果がありません。

「理解」することと「動く」ことは違います。

多くの場合で「分かってるけど、うまくいかない」という現象になって表れます。

「基礎スキル」の課題解決さえすれば、「実務スキル」は、日常の経験の積み重ね、つまり、OJT(On The Job Training)で充分な効果が得られるはずです。

【育成実務】
PDCAをカルチャーにする

では、どうやって「基礎スキル」のトレーニングをするか?

その答えは、「人材育成のPDCAを習慣化し、企業文化(カルチャー)にしてしまうこと」です。

  • Plan:あなたの会社で優先する基礎スキルを10項目ピックアップし「人事評価項目」とする。
  • Do:日常業務において、上長は各メンバーと基礎スキルを意識したコミュニケーションを行う。
  • Check:人事評価:基礎スキルを「5段階評価」し、評価者と個々のメンバーと「課題認識」を共有する
  • Action:成長課題の解決のためのフォローを行う

このPDCAを「企業文化=カルチャー」にすれば、面白いように人材は成長します。

「ときどき集合研修をする」では、ほとんど効果はありません。

日常的に行うこと、つまり「習慣化」することがとても大切です。

(参考記事)人が育つ仕組み|人は「学校方式のPCDA」で育てる

【重症対策】
基礎スキルを改善してもダメ?

とはいえ、残念なことに実務の現場においては「基礎スキル」が改善してもサクサク動いてくれないケースがあります。

そんなときは、「経営脳の5つのレイヤー」を思い出してください。

経営者であっても、一般のメンバーであっても「5つのレイヤー」は、すべてのビジネスパーソンに共通したフレームワークです。

【経営脳】5つのレイヤー。「マインドセット」「フィジカル」「メンタル」「スキル」「センス」。

この「基礎スキル」と「実務スキル」は、L4(=第4のレイヤー)の話です。

この「L4」の下には「L1:マインドセット」、「L2:フィジカル」、「L3:メンタル」があります。

「L4:スキル」は、この下層である「L1~L3」が前提になっています。

もし「基礎スキルは十分なんだけど、なぜかパフォーマンスが悪い」というメンバーがいたら「L1~L3」に課題が無いかを観察してください。

そもそも「L1:考え方に課題がある」「L2:体調が万全でない」「L3:メンタルに問題を抱えている」というように前提条件に課題があれば、スキルどころじゃありません。

基礎スキルをアップデートしてもダメな場合は、下層である「L1~L3」を確認してみてください。

(関連記事)人が育たない理由|人材育成の重要課題をリストアップした

【重要視点】
経営者が「お手本」になること

この「基礎スキルをアップデートする」という取り組みにおいて「なかなか成果が出ない」という悩みの相談を受けることがあります。

上記のPDCAサイクルを回しているのに、なかなかメンバーの基礎スキルが改善しない、という悩みです。

その原因は、厳しいようですが「指導者側の基礎スキルが不足している」ことがほとんどです。

いわゆる「お手本」になってないのです。

「言行不一致」をメンバーたちは感じ取っています。

「計画達成力は大切な基礎スキルだ」と口では言っていても、その本人の計画達成実績が少ない場合「あなたに言われても・・・」と思われても仕方がありません。

チームの基礎スキルをアップデートするには、経営者、上長など、チームの上層部は「基礎スキルのお手本」になることがとても大切です。

経営者は、経営者自身の基礎スキルに課題が無いか?もしあるなら、そのトレーニングの優先順位は上位です。

(参考記事)人を育てる視点|経営者自身が「成長のお手本」となること!

【要点整理】
常に最新版をアップデート

さて、今週は「基礎スキルの重要性」について整理しました。

基礎スキルも、PCやスマートフォンのアプリと同様、劣化したり陳腐化するものです。

最新版へのアップデートを欠かさないように気を付けましょう。

もし、サポートが必要であれば、いつでも気軽に連絡ください!→「お問い合わせフォーム

以上、お役に立ちますように!

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