経営脳を最適化する
フレームワーク

中小企業における「経営課題」は「経営者自身の課題の投影」であると言っても過言ではありません。経営上の諸課題は、経営者が自身の課題を解決することで、その多くを解決することができます。

その鍵は「経営脳」にあります。経営脳とは、会社を持続的に成長させるための能力のことです。

経営脳を整え、最適化することで・・

  • さらなる成長のための「アドバンテージ課題」
  • 現状の不都合である「リカバリー課題」

このいずれの課題解決にも効果的に取り組むことができます。

経営脳を整え、最適化するためのフレームワーク「5つのレイヤー」を紹介します。

【要点】
5つのレイヤーで
経営脳を最適化

経営脳を最適化するための
フレームワーク

  • Layer5:Sense:センス
  • Layer4:Skills:スキル
  • Layer3:Mental:メンタル
  • Layer2:Physical:フィジカル
  • Layer1:Mindset:マインドセット

経営脳とは、会社を持続的に成長させるための能力であり、5層構造(5つのレイヤー)になっています。

最下層は「考え方」である「L1:マインドセット」です。目的を実現するために必要となる「正しい考え方」から経営脳のセットアップは始まります。

その上に位置するのが「体が資本」と言われるように「L2:フィジカル」。さらに「L3:メンタル」が位置していて、このふたつで「経営者の心と身体のコンディション」をマネジメントします。

これらの3つのレイヤーを「土台」として、経営の手段や技能である「L4:スキル」が重なっています。

加えて、最上層に位置する「L5:センス」。競争優位のための経営脳ですが、優れたアイデアや発想も、その実現のためには下層の4つのレイヤーが欠かせません。

経営脳は、この5つのレイヤーにカテゴライズすることで、最適化することがとてもやりやすくなります。

【もう少し詳しく】
5つのレイヤーと事例

L1:Mindset

マインドセット

会社は経営者の考え方次第で、良くも悪くもなる。「もっといい会社」に進化成長するための「正しい考え方」が経営脳の第1階層。

L2:Physical

フィジカル

体が資本。経営者のベストパフォーマンスを支えるカラダのコンディションをマネジメントする経営脳の第2階層。

L3:Mental

メンタル

フィジカルとともに経営者のコンディションを左右するメンタル。気持ちや感情をマネジメントする経営脳の第3階層。

L4:Skills

スキル

会社経営の超実務。基礎スキルと経営実務スキル。3Gの持続的な幸せをマネジメントする経営脳の第4階層。

L5:Sence

センス

4つのレイヤーを前提条件とし、5階層の最上位に位置しながら他のレイヤーのクオリティをも左右する経営脳の第5階層。

の考動は
5つのレイヤーの
組み合わせ

Layer1マインドセット相手の幸福が
自分の幸福であるという考え方
Layer2フィジカル体調万全
Layer3メンタル喜んで欲しいという感情
Layer4スキル美味しいカレーを作る技術
Layer5センス食器選び、盛り付けなど
大切な人のために美味しいカレーを作るときの5つのレイヤー

「5レイヤー」は、経営に限ったことではなく、人の考動はすべてこの5つの階層(レイヤー)の組み合わせで説明することができます。

例えば「大切な人のために、美味しいカレーライスを作る」という料理に当てはめると表のようになります。

大切な人に美味しいカレーを振舞って喜んでもらうためには、どのレイヤーも欠かすことができません。

これを真逆に表現すると・・・

  • L1:マインドセット:相手の幸福に関心がない
  • L2:コンディション:体調が悪い
  • L3:メンタル:喜んで欲しいという気持ちになれない
  • L4:スキル:そもそもカレーを作る技術がない
  • L5:センス:せっかくの美味しいカレーなのに盛り付けがダサい

・・・と「どうしようもないヤツ」になってしまいます。

楽しく幸福な料理のためには5つのレイヤーが必要であることが分かります。

事例「自分ファースト」な
経営者のケース

Layer1:マインドセットNG自分さえよければいい
Layer2フィジカル体調万全
Layer3:メンタル喜んで欲しいという感情
Layer4スキル美味しいカレーを作る技術
Layer5センス食器選び、盛り付けなど
マインドセットに課題がある経営者の5つのレイヤー

理解を深めていただくために、もう一つの例を紹介しておきます。

最初の第1階層「マインドセット」が間違っているケースです。バリバリのやり手に見える経営者なのに、うまく行かないケースがこのパターンに当てはまっていることが少なくありません。

心身のコンディションは万全で、見た目にも活力があり、スキルもセンスも十分な経営者なのになぜか会社経営がうまくいってない。このような「症状」をよく観察すると「マインドセット」がズレていたり、間違っていることがあります。

「考え方や価値観が自分ファーストな経営者」です。

お客様や取引先、あるいは社員たちより、自分自身の都合や会社を優先させるので「リーダーとして支持率」が低いのです。このような場合、一時的にはなんとかなっても長期的な真の成長は望めません。

*上記のカレーに例えると、相手の好みを無視して「オレのカレー」はスゴイから黙って喰ってみろ!って感じです。(*奇跡的にウマければいいのですがw)

経営脳を整えると
会社はもっとよくなる

自己内観によって
成長課題を鮮明にする

中小企業の成長は、経営者の成長と密接にリンクしています。

「もっといい経営者」になれば必ず「もっといい会社」になります。

  • マインドセットの課題は?
  • フィジカルの課題は?
  • メンタルの課題は?
  • スキルの課題は?
  • センスの課題は?

自己内観によって各レイヤーごとに、自らの成長課題を鮮明にし、そのうえで一つひとつ丁寧に根気よく解決することが、実は近道であり、そのためには「自主トレ」を習慣化することがとても効果的です。

経営脳を整え、鍛えるための自主トレマニュアル

【結論】
もっとよくなる
フレームワーク

さて、いかがですか?

経営脳を整え、最適化するためのフレームワークである「5つのレイヤー」のアウトラインを紹介しました。

簡単に言うと、会社と経営者が「もっとよくなるためのフレームワーク」です。

会社の成長と経営者の成長は表裏一体です。経営者自身の考え方と行動をもっと良くすることで、必ず「もっといい会社」に成長することができます。

5つのレイヤーごとに、自己認識を深め、成長課題をピックアップし、その解決に取り組むことで「もっといい経営者」に成長することが可能です。ぜひ、活用してみてください。

お役に立ちますように!