経営脳
第1レイヤー
マインドセット
会社経営の目的は「関わる人たちの持続的な幸せ」であり、その量的拡大・質的進化が「成長」です。
その「成長」を左右するのは「経営者の考え方」です。
「考え方」は「行動」となって表れ、それが「結果」となります。
「フィジカル」も「スキル」も「センス」も、そして「メンタル」も考え方、つまり「マインドセット」次第です。
さて、どのような「考え方」を持てばいいのか?
経営脳の第1レイヤーである「マインドセット」について紹介します。
【要点】
正しいマインドセットを持つ
マインドセットは、経営脳の最下層である第1のレイヤーであり、経営者の信念や価値観、あるいは固定概念などを含む「考え方」や「思考のクセ」のことです。
「もっといい会社」を目指すならば、経営者自身が「経営の原理原則」に沿った「正しいマインドセット」を持つ必要があります。
その理由は「いい仲間と仕事をするため」です。「正しいマインドセット」を持つリーダーには、それに共鳴するメンバーやパートナーが集まり「いいチーム」として進化成長していくからです。
「どうしたいのか?」「どうなりたいのか?」という目的を鮮明にした上で、そのために必要となる「正しいマインドセット」を整えましょう。
【自己認識】
自分を知る8つの切り口
マインドセットを整えるためには、正しく自己認識(=自分を正しく理解)することが大切です。
特に経営者に求められる観点として8つの切り口をリストアップします。
それぞれについて「自分のマインドセットはどうだろう?」と確認してみてください。
成長志向
「会社の成長」「チームの成長」「自身の成長」、それぞれを明確に定義し、その上でのマインドセット「正しい成長志向」を持っているだろうか?
本質志向
「うわべ」に惑わされることはないだろうか?価値や原因の本質を見極め、確かめる「本質志向」を持っているだろうか?
使命感
業種や規模に関わらず「会社の使命」「経営者の使命」は「誰かを幸せにすること」で共通している。この原理原則に対するマインドセットは「ホンネ」だろうか?
倫理観
道徳、モラル、良心、正義、公正といった広い意味での倫理。”人として正しい”とされている倫理観は「言行一致」しているだろうか?
学習志向
自分の役割を果たすための成長課題を明確に認識し、その解決のための学習や経験の必要性を自覚し、その行動は持続しているだろうか?
素直
他者の声を素直に受け入れているだろうか?自分の誤りを素直に認めているだろうか?意固地になったり、頑固になったりして「素直な心」を忘れていないだろうか?
多様性
固定観念や先入観に囚われることなく、異なる価値観や考え方を柔軟に受け入れ「多様性」を尊重しているだろうか?
可能志向
目的を考える時や目標を設定するとき、または、困難な課題に直面したとき、常にポジティブなマインドセットを持ち、可能性を前提に考動しているだろうか?
【セルフマネジメント】
原理原則に沿うこと
「自分のマインドセット」で
マネジメントされている
他のレイヤーを方向付ける
マインドセット
マインドセットとは、思考や信念、価値観、固定概念、思い込みなどを包括する概念であり、物事に対する考え方やアプローチの傾向を示すものと一般的には説明されています。
特殊な例外を除けば、人は、その人が持つマインドセットによって意思決定や行動をすることから「自分」は「自分のマインドセット」によってマネジメントされていると言えます。
例えば「成長したいか・したくないか」は個人の自由ですが、その「考え方」によって他のレイヤー(フィジカル・メンタル・スキル・センス)を方向付けることになるため「マインドセット」は5つのレイヤーの最下層(第1レイヤー)に位置しています。
成長マインドセット
固定マインドセット
マインドセットで結果が変わる
マインドセットの説明に必ず登場する心理学者キャロル・ドゥエック先生の「成長型」と「固定型(停滞型)」の概念が有名です。
- 固定マインドセットFixed Mindset
自分の能力は成長せず固定されているというマインドセット。この考え方を持つ人は、ミスや失敗を恐れ、チャレンジから逃げる傾向があります。 - 成長マインドセット:Growth Mindset
自分の能力は成長し進化するものだというマインドセット。この考え方を持つ人は、チャレンジを歓迎し、ミスや失敗を経験として受け入れることができます。
この2つは解釈によって一長一短であり優劣ではありませんが、マインドセットによって結果が変わることは理解できると思います。
どうしたいのか?
どうなりたいのか?
マインドセットは自由。
ただし、鮮明に持っておく
マインドセットは「どうしたいのか?」「どうなりたいのか?」という個人の目標や目的を実現するための思考や志向、あるいは嗜好であり、それはその人の自由であり、他人がとやかくおせっかいすることではありません。
しかし、成功を目指す経営者は、チームのトップリーダーとして信念や価値観などを含むマインドセットを鮮明に持っておく必要があり、それが曖昧であったり、軸がなくフラフラしていてはなりません。
経営の原理原則と
マインドセット
筋を通し、道理に適った
正しい考え方
経営の目的は「関わる人たちの持続的な幸せ」であり、これが「筋」であり「道理」です。この経営の原理原則に沿ったマインドセットが経営者にとって欠かせない「正しい考え方」です。
お客様や取引先、社員たち、そして経営者自身がもっと幸せになるように会社を経営する。そのために原理原則に沿った正しい考え方を持つ。
このマインドセットが、他のレイヤーであるメンタル、フィジカル、スキル、センスを高める動機となり、その継続によって経営脳は益々最適化されていきます。
もっといいチームになる
「正しいマインドセット」に共鳴する仲間や
パートナーが集って来る
マインドセットを整え、高めると、なぜ「もっといい会社」になるのか?
その理由は、経営者の「正しいマインドセット」に共鳴する仲間やパートナーが集まり「もっといいチーム」になるからです。
さらに「正しいマインドセット」を持ったチームには、それに共感、共鳴する顧客が集ってきます。
この「善循環」の原点が、リーダーである経営者の「正しいマインドセット」なのです。
会社は経営者の考え方次第という所以です。
【結論】
会社の成長は
経営者のマインドセット次第
経営者のマインドセットによって会社の成長は大きく左右されます。
会社が持続的に正しく成長するためには、経営の原理原則に沿った「正しいマインドセット」が必要です。
この記事では、成長志向、本質志向、使命感、倫理観、学習意欲、素直、多様性、可能志向の8つの切り口を紹介しましたが、これらに限定するものではありません。他にも気になるキーワードがあればマインドセットを整え、そして高めるため柔軟に自主トレしてください。
お役に立ちますように!