経営スキル|理念の表現にひと工夫「現在進行形」に変換する

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この記事は、更新時の情報と筆者の考えに基づくものです。


企業理念や経営理念は「経営者の価値観」を社内外に伝え、共感や賛同を得るための道具(プレゼン・ツール)です。

何を目指しているか?何を是とし、何を非とするか?そんな「想い・価値観」を言語化して掲げるものであり、社内外の人たちは、それに賛同、共感し、その実現のために協力してくます。

本稿では、その表現を「ひと工夫」して「現在進行形」にしたらどうなるか?というサンプルを紹介するので、あなたの会社で掲げている企業理念をブラッシュアップするヒントにしてみてください。

本稿は、必修経営スキル【理念創造力】理念で人を惹きつけるチカラの補足記事です。

このブログでは「10人~100人規模の中小企業経営者」の方々に向けて「経営脳の自主トレサポート」を目的に「もっといい会社」にするためのヒントを発信しています。初めてアクセスしていただいた方は、こちら(=「このブログについて」)をまずご覧ください。

【一般例】よくある普通の企業理念

ホリイ
ホリイ

日本の中小企業の企業理念としてオススメをリストアップしてほしい

GPT
GPT

日本の中小企業向けに、シンプルで実践的な企業理念の例をリストアップしました。以下の内容を参考にしてください。これらの企業理念は、中小企業が自社の特徴や目標に合わせて柔軟にアレンジすることができます。

ということで、Chat‐GPTが、リストアップしてくれたのが下記です。

  • 顧客第一主義:常に顧客の満足を最優先し、信頼される企業を目指す。
  • 地域社会への貢献:地域に根ざし、地域社会と共に成長する企業を目指す。
  • 社員の成長と幸福:社員一人ひとりの成長と幸福を追求します。
  • 挑戦と革新:変化を恐れず、新しいことに挑戦し続ける企業文化を育む。
  • 持続可能な発展:環境と経済の両立を図り、持続可能な社会の実現に貢献する。
  • 信頼と誠実:誠実な経営を通じて、顧客や取引先からの信頼を得ることを大切にする。
  • 品質の追求:最高の品質を提供し、常にお客様の期待を超えることを目指す。
  • チームワークと協力:チームワークを重視し、社員が一丸となって目標達成を目指す。
  • 社会的責任の遂行:公正で倫理的な経営を行い、社会的責任を果たすことを目指します。
  • 長期的視点での成長:短期的な利益にとらわれず、長期的な成長を見据えた経営を行う。

「オススメ」とお願いしたのに「フツウやん!」というアウトプットですが、ま、「よくある理念」ですね。

【変換例】表現を”現在進行形”に変えてみる

上記の「よくある表現」を「現在進行形」に変換してみれば、次のようになります。

(単純な変換なので、少々違和感アリもありますが・・・)

  • 顧客第一主義:常に顧客の満足を最優先し、信頼されています。
  • 地域社会への貢献:地域に根ざし、地域社会と共に成長しています。
  • 社員の成長と幸福:社員一人ひとりの成長と幸福を追求しています。
  • 挑戦と革新:変化を恐れず、新しいことに挑戦し続けています。
  • 持続可能な発展:環境と経済の両立を図り、持続可能な社会の実現に貢献しています。
  • 信頼と誠実:誠実な経営を通じて、顧客や取引先からの信頼を得ています。
  • 品質の追求:最高の品質を提供し、常にお客様の期待を超えています。
  • チームワークと協力:チームワークを重視し、社員が一丸となって目標を達成しています。
  • 社会的責任の遂行:公正で倫理的な経営を行い、社会的責任を果たしています。
  • 長期的視点での成長:短期的な利益にとらわれず、長期的な成長を見据えて経営しています。

【新視点】目指している?=今は違うんかい!?

例えば、上記の「顧客第一主義:常に顧客の満足を最優先し、信頼される企業を目指す」ですが、「顧客満足を最優先すること」「信頼される企業になること」が目標であり、それを目指していることは伝わってきますが、少々意地悪な解釈をすれば「今は違うの?」という疑問が湧いてきます。

あえてツッコむなら「顧客満足をまだ最優先できてないから」「信頼される企業になってないから」目指しているんですね?です。

そこで、現在進行形に変換して「常に顧客の満足を最優先し、信頼されています」と一工夫すれば、そんな「あげ足」を取られることは無くなくなります。

「世界制覇を目指します!」のように、物理的な目標を現在進行形で「世界制覇しています!」にすれば「ウソつき」になってしまいますが、価値観や姿勢、考え方については「目指すもの」ではなく「今、実践しているもの」であるはずです。

「目指している」ということは「今は未達」という意味でもあるので「細かい話」のようですが、会社が発信するオフィシャルな情報として、これはとても重要なことです。

もう少し、サンプルを見てみます。

  • 社員一人ひとりの成長と幸福を追求します。
  • 社員一人ひとりの成長と幸福を追求しています。

「します」と「しています」のたった2文字でニュアンスが違うことがお分かりいただけると思います。

「いつか」の話ではなく「今」まさに我々は日々追及しているんだという意味が強くなりますね。

  • 最高の品質を提供し、常にお客様の期待を超えることを目指す。
  • 最高の品質を提供し、常にお客様の期待を超えています。

さて、これは難しいですね。「常にお客様の期待を超えています」と掲げると、お客様から「まだ期待は超えてないよ」とツッコまれるかもしれません。

だったら「常に、お客様の期待を超える最高品質を追求しています。」とアレンジすればどうでしょう。

このように、一見「真っ当なことを言ってる」ように見える企業理念は、丁寧に見るとツッコミどころが多いものです。

以上のように、「将来、目指しているコト」と「今、実践しているコト」を明確に区分し、それぞれ正しく表現するように注意しましょう。

【期待効果】チームに良質の緊張感

「将来、目指します」と「今、やってます」は、チームの緊張感にも差が生じます。

あえて極端な表現をすると「いつかやればいい」と「今やらなければならない」の違いです。

例えば「公正で倫理的な経営を行い、社会的責任を果たすことを目指します。」

これ、違和感ありますよね?

「公正で倫理的な経営」は、目指すものではなくいつもそうでなければなりません。

「ヤンチャなヒト」が、心を入れ替えて「更生中」なら、このような表現でもいいかもしれませんが、企業理念として掲げるのであれば「常に公正で倫理的な経営」でなければならず「現在進行形」の共有が必要です。

そもそも「企業理念」は「お飾り」ではありません。「実践してナンボ」です。

そのためにも「現在進行形」の理念は、チームに良質な緊張感=実践のためのプレッシャーを持たせるために効果的です。

【まとめ】「言葉」は大切に扱うこと

さて、どうでしょう?

企業理念を「現在進行形」の表現に変換した場合のサンプルを紹介しました。

「いつかやります」から「今やってます!」へのちょっとした変更です。

「目指しているコト」と「実践しているコト」を明確に区分して、それぞれ正しく表現することが大切です。

「言葉」って大切です。ちょっとしたことでニュアンスが変わります。

あなたの「真意」が正しく表現できているか?雑な言葉遣いになっていないか?セルフチェックしてみましょう!

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以上、お役に立ちますように!