基礎スキル|経営者の学び直し「Re-スキリング」より大事なこと

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このブログは、中小企業経営者の方々の「経営脳の自主トレサポート」を目的としていますが、「トレーニング」をシンプルに言い換えれば「学習してもっと成長すること」です。

学習と言えば、新たにスキルを習得する「リスキリング=Re-Skilling」という言葉を一時よく見聞きしましたが、私の「現場感覚」からすると「新たなスキル」を習得より「不偏的な必修スキル」を見直す方が(=リラーニング=Re-Learning)がいいのではないか?です。

本稿では、その視点にて「経営者の学び直し」について整理します。

「学習している割には成長(効果)の実感がない」ということに心当たりがあれば、参考にしてみてください。

このブログでは「10人~100人規模の中小企業経営者」の方々に向けて「経営脳の自主トレサポート」を目的に「もっといい会社」にするためのヒントを発信しています。初めてアクセスしていただいた方は、こちら(=「このブログについて」)をまずご覧ください。

経営者の成長とは?

なぜ「学び直し」が必要なのか?以前、経産省が発信してた「リスキリング」を再確認してみると「変化に適応するため」という目的があったような印象ですが、「御意」、異論の余地はありません。

「直し」と表現しているのは、スキルは陳腐化するのでアップデートしよう、というような意味合いだと思います。どんな時代であっても「今、必要なスキル」「今後、必要なスキル」に「直すこと」は経営者に限らずすべてのビジネスパーソンに必要なことです。

中小企業経営者も、自社のメンバーのスキルアップを常に願って、OJT(On the Job Training)はもちろんとして、社内外の研修に参加してもらったり、それぞれ「アップデート」の対策を講じています。

その結果、以前はできなかったことができるようになる、誰かのサポートが必要だったことが自力でできるようになるなど、成果はそれぞれのメンバーの「仕事」に表れます。

この話を経営者に置き換えてみると、次のようになります。

外部環境と内部環境の変化に適応するため、柔軟なマネジメントが求められます。この柔軟性は「経営者のスキル」に大きく依存していますが、このスキルは、環境の変化=時代の変化に応じたアップデートが必要です。そのアップデートの成果は「仕事」、つまり「会社の状態」に表れます。

「会社の成長」は、「経営者の成長」の結果です。経営者の成長の実感は「会社が成長した」という結果でのみ得られるものです。仮に、意識的な学習をしていなくても、会社が成長しているならば、経営者は成長しているものです。

だから、少々厳しいですが、どれだけ学習し経験を積んでも、会社が成長しなければ、それは「徒労」あるいは「自己満足」なのです。

つまり、会社の成長と、経営者の成長は「表裏一体」です。

(必読記事)成長とは「もっといい会社」に進化すること

学習の必要性を感じるとき:スランプ?

会社経営をしていると「スランプ」を感じる時があります。その時期や自覚には個人差がありますが、必ずあります。

私の経験上、この「スランプ」は「自己流経営の限界」と考えています。

多くの経営者は、「自己流経営」「見よう見まね経営」で創業時から数年を過ごします。

皮肉なもので、多くの場合、この創業期・起業期は「好調」なので「自信」にもなり、モチベーションも高く「会社を作って良かった」としみじみ実感する人も少なくありません。

しかし、です。

数年が経って気付けば、売上が伸び悩み、資金繰りが怪しくなり、強い絆で結ばれていたはずのチームメンバーとギクシャクし始めたり、その結果、退職者が出る・・・などなど、「想い通りにいかないな」と感じることが多くなり、それまでの自信が揺らぎ「最近、調子悪いなあ・・・スランプや」・・・そんなことありませんか?

この時期から、「スランプ脱出の手がかり」として、経営に関する書籍を読んだり、ネット検索することが多くなってきます。

「学習の必要性」を感じている表れですが、これが「自己流経営の限界」です。

実は「経営」を学習したことがない?

「見よう見まねで楽しい草野球と、理論と経験が必要なプロ野球」

私は、この例えがピッタリだと思っています。

仲間を集め、近所の公園でする草野球は楽しいものです。空振りしてもエラーしても、それも楽しみのひとつです。

さらに、草野球であっても続けていると上手になっていきます。上手になると、さらに楽しくなります。

なぜか?

「遊び」だからです。

しかし、大会に出場できるようになって「ホンキの勝負」になったとたんに、空振りやエラーが勝敗に影響し始めるので「笑えないこと」になっていきます。

「遊び」でなくなったからです。

この段階に来ると、それまで「見よう見まね」で楽しんでいた野球ですが、ライバルチームに勝つためには、個人的な「打ち方・投げ方・走り方」に加えて、チームとしての「戦術・作戦」など「考えること・覚えること・身に付けること」が多くなってきます。

これが「プロ」になれば、さらに、その必要性は増していきます。

なぜなら「お金をもらってるから」です。

これ以上は「くどい話」になるので止めますが「言いたいこと」はお分かりいただけると思います。

会社経営は、当然ですが「遊び」ではありません。

「考えること・覚えること・身に付けること」がたくさんあります。

つまり「専門知識」が必要になるのですが、中小企業経営者の多くは「見よう見まねの自己流」が多く、また「専門知識」と言っても、分野も難易度も思い付き的にランダムにインプットすることが多く、「基礎」から「体系的」に学ぶということに取り組んでいる人は少数派です。

短時間で最高の学習効果を得るための重要視点

どうすれば、スランプを脱出して、新たな成長プロセスに入れるか?

クドイようですが「どうすれば、会社は再び成長するか?」は「どうすれば、自分は再び成長するか?」です。

成長志向の経営者の多くは「せっかち」なので、のんびりしていられません。

「短時間で最高の学習効果を得たい」と思います。

その重要視点は、「Re!スキリング」ではなく「Re!ラーニング」です。

  • Re!スキリング:経済産業省によると「新しい職業に就くために、あるいは、今の職業で必要とされるスキルの大幅な変化に適応するために、必要なスキルを獲得すること」
  • Re!ラーニング:「再学習」、既に持っている知識や経験を棚卸しして、体系的、カテゴリー的に整理し、必要なアップデートを行うための学習。

「新たなスキル」ではなく、基本的な「必修スキル」の整理とアップデートです。

「DX」「SDGs」や「***経営」など、いわゆる「トレンド・キーワード」を見聞きしますが、それらも必要かもしれませんが、それ以前に「戦略立案」や「会計」や「人事」などの「必修スキル」は大丈夫ですか?

もっと言えば、ビジネスパーソンとしての「基礎スキル」に課題や苦手はありませんか?

例えば「ロジカルシンキング」や「クリティカルシンキング」が、充分でないと、新たなトレンド情報に接しても「鵜呑み」してしまい「消化不良」してしまいます。また、声高に目標を掲げても「バックキャスト思考」や「リーダーシップ」が不足していると「絵に描いた餅」「笛吹けども踊らず」に悩まされることになります。

いずれも「知らないこと」ではありません。これら、「論理的思考」「批判的思考」「計画立案」などの基礎スキルは「何をいまさら」と思ってても「実は不合格」であることが散見されます。

「短時間で最高の学習効果を得たい」と思うのであれば、「目新しいトレンドワード」に惑わされることなく「不偏的な必修基礎スキル」を「Re!ラーニング」することを強くオススメします。

一見「遠回り」に見えるかもしれませんが「距離はあるけど平坦なキレイな道」と「距離は短いけど高低激しく荒れた道なき道」くらいの差があるものです。

Re!ラーニングのメニュー

さて、実務です。

何を「Re!ラーニング」すればいいか?ですが、少々手前味噌で恐縮ですが「このブログ」ですw。

私のブログには、あまりトレンドを意識した「トレンドもの」は多くなく、ほとんどが「必修テーマ」です。

まずは、「経営とは何たるや?」を再確認し、経営脳の最適化に取り組んでみてください。

経営の原理原則

「会社とは何か?」「利益とは何か?」、そもそも、何のために会社経営をしているのか?という、本質的な原点を確認しましょう。人が「迷う」「悩む」「間違う」とき、その原因のほとんどは「原理原則」からの脱線です。「思考の軸」がブレてないか?がとても重要です。

(必読記事)持続的に正しく成長するための「経営の原理原則」

経営脳の5レイヤー

【経営脳】5つのレイヤー。「マインドセット」「フィジカル」「メンタル」「スキル」「センス」。

このブログのメインテーマでもある「経営脳」。野球には野球脳、サッカーにはサッカー脳、と言うように、会社経営には「経営脳」が必要です。

「経営脳」は、「L1:マインドセット」「L2:フィジカル」「L3:メンタル」「L4:スキル」「L5:センス」という5つの階層になっています。

最下層の「L1:マインドセット」に課題があれば「L2~L5」をどれだけトレーニングしてもその効果は限定的です。

「L2:フィジカル」が、もっとも分かりやすいと思います。カラダが不調であれば、スキルもセンスも「へったくれ」も役に立ちません。 

改めて、5つの階層について、自己内観し、成長課題を整理し「Re!ラーニング」してみてください。

(詳説記事)経営脳は5層構造、フレームワークで最適化する

まとめ:やっぱり「死ぬまで勉強」

さて、どうですか?「経営者の学び直し」について整理しました。

経営課題がなくなることはありません。会社経営は課題解決の日々です。経営者は常に自身をアップデートしなければ、また深刻なスランプがやってきます。やっぱり「死ぬまで勉強」なのですね。

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