自主トレ準備|固くなってるアタマを柔らかくする方法

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この記事は、更新時の情報と筆者の考えに基づくものです。


突然ですが「問題」です。

3・6・9・12・・・さて、次の数字は?

この問題、私の最近のマイブームで、気心知った人たちには必ず「出題」していますが、ほぼ100%から「15」と返ってきます。

私の性格をよく知っている人は「堀井がこんな問題を出すときは、必ず『罠』が仕掛けてある」と警戒しますが、結局「15やろ?」と自信なさげに返事してくれます。

私は、続けて「15の他にない?」と聞くと、これまた全員「15以外にはない」と返事してくれます。

「アタマが固いから」ですね(笑)。

答えは「14」でもいいし「100」でもいいです。

さて、本稿では「固いアタマを柔らかくする方法」について考えてみます。

「経営脳の自主トレ」は、偏見や先入観、固定概念が残ってる「固いアタマ」では、なかなか進まないものです。

自主トレを効果的、効率的に進めるための「準備運動」として参考にしてみてください。

このブログでは「10人~100人規模の中小企業経営者」の方々に向けて「経営脳の自主トレサポート」を目的に「もっといい会社」にするためのヒントを発信しています。初めてアクセスしていただいた方は、こちら(=「このブログについて」)をまずご覧ください。

【盲点】アタマが固いという”自覚”がない

冒頭の問題「3・6・9・12」は「九九の3の段」の流れで「15」という回答が多いのですが「左の数字より大きな数字」という規則であれば「12」より大きければいいので「14」でも「100」でもいい、という話です。

私も最初引っ掛かりましたが、言われるまで「アタマの固さ」に気付いていませんでした。むしろ「自分は柔軟な方だ」と自信すら持っていましたが、見事に崩されてしまいました。

このように「無意識に思い込んでること」ってたくさんあって、例えば「信頼できる専門家に依頼した」ということがありますが、そもそも、素人が専門性を測ることはできないので、その選択は「人としての信頼」であって「専門性の信頼」ではないなずです。しかし「専門性も高いはず」という期待が信頼に置き換わっているだけですね。

同じように「経験豊富な人材」というのにも「思い込み」が影響することが少なくありません。

同じ職場で働いていても「同じ仕事を10年間繰り返した」という人と「10年間で難易度を上げた」あるいは「10年間、チャレンジを繰り返した」という人では、まったくタイプが違います。しかし、一括りに「経験豊富」という言葉で信頼してしまいます。

期待や願望からそれが事実のように誤認したり、情報源を確かめもせず鵜呑みにしたりすることが意外と多いものですが、自分の事を振り返ると、これらは「思考省略」であり、さらに過去の成功体験や固定観念などが加わって、アタマが固くなるのだと思います。

【自己否定】”アタマが固い自分はダメだ!”から

前述した私のように「自分は柔軟な方だ」という主観的な思い込みこそ「アタマが固い」典型です。

私は、「15」と言い張った自分を反省し、あの日を「369事件」と命名し「自己否定記念日」としました(笑)。

アタマをもっと柔らかくするためには、まずは「アタマが固い自分はダメだ!」と「自己否定」が必要です。

「自分はダメだ!」と自己否定できない人は、それ自体が「カチコチ」であることに気付かなければなりません。

その上で「絶対、柔らかくする!」というコミット、つまり「マインドセット」が必要ですが、これが「柔らかくするトレーニング」の前の「準備運動」となります。

「自己否定」というトレーニングウエアに着替えて、「マインドセット」という準備運動を省略すれば、おそらく、後述のトレーニングは「キツイもの」になるはずです。

(関連記事)経営者のマインドセット|「素直な心」を忘れていないか?

【バイアス】偏見 先入観 固定概念という”敵”

バイアスとは、偏見や先入観などの「かたより」のことです。

「15しかない」という「固さ」は、バイアスが強い状態です。もしバイアスが弱ければ「15以外にもあるはず」と「柔らかく」考えることができます。

過去の経験や体験から「染みついているモノ」がたくさんあります。

例えば、「著名な指揮者」と聞くと「男性」のイメージが先立ったり、「小学校代の優しい先生」と聞くと、その人の体験から「男性」をイメージする人や「女性」をイメージする人がいます。加えて性別だけではなく、年齢や国籍、容姿まで「自分の中にある優しい小学校の先生」を真っ先に思い浮かべますが、誰でも「その人」にイメージが固まっているのですね。

柔軟でバイアスが弱い人は、「その先生は、若い人?ベテラン?イケメン?ビジン?」などと、先に「登場人物」を確認する質問を挟んでから話の続きを聞きます。

この確認をせずに話を聞いていると、ずっと「(例えば)若くてビジンの先生と決めつけて聞く」ことになりますが、話の最後のあたりで、お決まりのパターン「え?この話の先生ってオジサンやったのね!」と、ビックリするシーン・・・バイアスですね。

他にも、「若い人は経験が浅い」とか「高齢者はテクノロジーに弱い」といったバイアスも「あるある」の典型です。

アタマを柔らかくするトレーニングの最初は、このバイアスに気付き、自分では思っている以上に偏見や先入観を持っていることを認めなければなりません。

このバイアスに気付き、認めるだけでも「ちょっと柔らかくなった」気がするものです。

【柔軟体操】アタマを柔らかくする7つの方法

「自己否定」し、「マインドセット」を整え、「バイアスを認める」ことができれば、具体的に「アタマを柔らかくするトレーニング」に励みましょう。

以下「聞いたことはあるけど、実際にはやってない」と思われる方法をリストするので、行動に移しましょう。

異なる視点や意見に触れる

「アタマが固い人」には、「ガンコな人」や「思い込みが激しい人」が多く、このタイプの人は「他人の意見や視点」を排除しがちです。

心当たりがあるなら、意識的に「異なる視点や意見」に触れるようにしましょう。

私も実践しているおススメの方法は「ネットニュースの記事に寄せられているコメント」を読むことです。良質な実名コメントを掲載しているニュースサイトがオススメですが、あえて、匿名の炎上系コメントも「こんな考え方もあるんや」とか「こりゃヒドイ」というものまで、「自分の常識」の対極も意外と参考になるものです。

(参考記事)中小企業経営者のための「正しい情報収集」の重要視点

行動範囲を変えてみる

これも、私が実践している方法ですが「近隣旅行」は、アタマのストレッチに有効です。

私の生活圏は関西+福岡ですが、あえて、広島岡山エリア、北陸エリアなどの文化圏が異なる近場でのウォーキングを習慣としています。

「時々強い負荷の筋トレ」ではなく「日常から軽い筋トレ」みたいに、「時々遠くに」ではなく「小まめに近くで」動くことで「アタマの可動域を拡げる」というイメージです。

いつも同じ場所で動くのではなく、行動範囲を変えるだけでリフレッシュ効果もあるので、オススメです。

いちいち「なぜ?」を考えてみる

私は(人には言えない若い頃に騙された苦い思い出があるので)「簡単に騙されないぞ!」と、常に思っています(これ自体がカタイ?)が、簡単に信用しない、いったんは疑ってみる、情報の出所を確認することが、思考習慣になっています。

悪く言えば「疑い深い人間」なのかもしれませんが、そのおかげで、どんなことでも「なんで?・なぜ?」と瞬間的に思い浮かび、原因や理由を確認するクセがあります(その結果、無神論者ではないけれど無宗教者になったw)。

この「なぜ?」を確認することで「だったら、こんな方法もアリじゃない?」と、別案が出やすくなります。

この、いちいち「なぜ?」を考えることは、間違いなくおススメですが、ただ、時には、ナゼを封印して「鵜呑みする」「騙される」ことも「(悪い意味での)カタイ人」と思われないようにするために要注意です(笑)。

あえて制約してみる

あえて制約するとは、「条件を変えて考えてみる」ということです。

よくある(ない?)「今夜が最後の晩餐やったら、ナニ食べたい?」というやつです。

さっきまで「何を食べよう」と迷ってたのに、この条件が付くだけで「ハラミ定食!」と即答できたりします。

「全員が退職したらどうする?」「銀行が貸してくれなかったらどうする?」「優秀な人材を確保できなかったらどうする?」など、あえて条件を制約して考え直してみると、違うアイデアが出てくるきっかけになることがあります。

「明日も平和な一日がやってくる」というのも、根拠のない期待が現実になるという「バイアス」ですね。

相性の悪い人を受け入れる

これは、私が最も苦手としている方法です(笑)。

自分を振り返ると、幸せなことに、私は公私ともに「相性の良い人」に囲まれて生活しています。

「相性の良い人」は、よく考えると、価値観や考えが近い人たちです。「相性の良い人」は、それゆえに「耳の痛いフィードバック」もしてくれますが、そのフィードバックを聞くどころか「ま、許せ!」と笑って済ませ、改めるどころか「甘える」きっかけにすらしてしまいます。

これは、ダメですね・・・。

自分の事を棚に上げて言いますが、時には「相性の悪い人」を鏡にして、自分の「かたより」に気付くことが「柔らかさ」だと思います。

違うものに置き換えてみる

例えば、自社のチームを野球やサッカーチームに置き換えてみると、チームビルディングのアイデア出しに効果的です。

野球やサッカーのように「攻撃陣」「守備陣」「コーチ陣」「監督」といったように、自社のチームのフォーメーションや、各ポジションのメンバーについて置き換えてみると「攻撃に偏ってるな」とか「だれもゴールを守ってないやん」とか「コーチ兼プレーヤーばっかりやん」とか・・・いろいろ角度を変えて見ることができます。

これは、私がコーチングの現場でチームビルディングをサポートするときに多用している方法でもあります。

ちなみに、余談ですが・・・当社の「マーカス」という社名は、当社(旧税理士事務所)とお客様との関係を「バンド」に置き換えた時に思いついて「社名変更」したものです。「ボーカルやギタリスト(=お客さん)」のパフォーマンスを最大限引き出すために「ベースやドラム(=当社)」がしっかりリズムを刻まないと・・・ってことは、ベーシスト・・・ってことは!「大好きなマーカス・ミラー」を拝借しよう、って感じです(笑)。

アタマのストレッチは継続こそチカラなり

上記以外にも、アタマを柔らかくする方法には様々ありますが、どれも「手段」です。

いろいろ試してみて、あなたのアタマが最も活性化するような方法を見つけてください。

ただ、どんな方法であっても「続けること」が重要です。

「カラダ」と同じように、ストレッチをサボると、またすぐに「カチコチ」になります。

継続こそチカラなり!です。

【目的確認】なぜ柔らかくするのか?

さて、ここまで「アタマを柔らかくする方法」を考えてきましたが、そもそも、これとて「手段」です。

なぜ、アタマを柔らかくするのか?、本質的な「目的」は、もっといい経営者になって、もっといい会社に成長させることです。

競争社会である以上、会社には「競争力」が必要です。

「戦略とは何か?」について、最も短い定義は「差をつけること」です。

この「差」に必要なのが「発想力」であり、それを支えるのが「アタマの柔らかさ」です。

言い換えれば、「カタイアタマ」では、発想が偏り「差」をつけにくく「競争に弱い会社」というリスクに直結します。

あらためて「競争力強化のためにアタマを柔らかくするんだ」という目的を鮮明にしましょう。

経営者のアタマを柔らかくすれば、会社はもっとよくなります!

【まとめ】固さを認め”柔軟に”取り組む

さて、どうですか?「競争力を強化するためにアタマを柔らかくする方法」について整理しました。

「柔らかくする」ために、イコジにならず「アタマを柔らかくして」取り組みましょう!w

関連記事も含め参考にしてみてください。

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以上、お役に立ちますように!

【追伸】MITATEの田中達也さん

私が無条件に「発想の神様やなあ~」と思う、見立て作家の田中達也さんのインスタを紹介しておきます。

百聞は一見に如かず、一見の価値ありです!

田中さんのアタマは柔らかいが過ぎてフニャフニャです、たぶん。

https://www.instagram.com/tanaka_tatsuya/?hl=ja