想い通りに生きる経営者のための「人生計画」の重要視点

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この記事は、更新時の情報と筆者の考えに基づくものです。


おはようございます!

今日は2024年第30週の土曜日です。7月が終わりますが、今月も好調でしたか?

さて、今日は「人生設計」について整理します。このブログでもあっちこっちに書いているように、会社経営の目的は「関わる人たちの持続的な幸福の実現」です。その関わる人の中で「超中心的人物」である経営者も例外ではなく、「幸せな人生を歩む」ことは当然の大目的です。

私は26歳で「税理士業界」に入り、40年近くにわたり多くの経営者と接してきました。それは「様々な経営者の人生を目撃してきた」ということでもあります。中には、羨ましいほど幸福な経営者もいれば、目を背けたくなるような状態に陥ってしまった経営者もいます。百者百様、いや、万者万様と言えるほど様々な人生模様があり、このドキュメンタリーの視聴は今も続いています。また、37歳で税理士事務所を開業し、60歳で事業承継するまでの20数年間を経営者として過ごしたという意味で、私も「当事者」のひとりでもあります。

その経験や体験を通じて「経営計画は人生計画の一部である」と強く考えるようになりましたが、今日は「経営計画」の上位概念である「人生計画」について書き留めておきます。

この記事は「中小企業向|経営計画の策定と運用、3つの新視点」の補足です。

このブログでは「10人~100人規模の中小企業経営者」の方々に向けて「経営脳の自主トレサポート」を目的に「もっといい会社」にするためのヒントを発信しています。初めてアクセスしていただいた方は、こちら(=「このブログについて」)をまずご覧ください。

経営計画と人生計画

「もっといい会社」にするため「経営計画」は欠かせないツールですが、それはあくまでも「手段」です。「目的」は「みんなで幸せになること」です。関わる人たちのみんなで幸せな人生を歩むために、もっといい会社にするのであって「誰かの人生を犠牲にしてでもいい会社にする」のではありません。

ですから、ロジックは「幸せな人生を歩むために、どんな会社にすればいいだろう?」であり、経営計画は、その目指す会社に成長するためのシナリオであり、また、マニュアルという位置付けです。

そのような意味で、中小企業、特にオーナー企業において「経営計画」は「経営者の人生計画」の一部であり、「人生計画」のない「経営計画」は、目的を見失った計画と言っても過言ではないと私は考えています。

(関連記事)中小企業の経営計画は「経営者の人生計画」という視点

理想の人生は避けたい人生の裏返し

「あなたの理想の人生は?」という問いかけに対して、明確な答えを持っていますか?「突然聞かれても・・・」と、案外答えがすぐに出てこない経営者は少なくありません。そんなとき、私は「リアルな理想」ではなく「避けたい人生とは?=望まない状態とは?」と問いかけを変えてみます。そうすると、多くの場合「お金」と「健康」と「家族」について「避けたい状態」を話し始めてくれます。「お金がない」「病気やケガ」「家族が何かに困っている」、そのような人生は避けたいと。当然ですね。

私の「幸福の定義」は、「不幸でないこと」です。

多くの場合、「不幸でない人生」は「幸せな人生」なのです。

あとは、そのレベル感です。目指すレベルは、人によって様々であり「正解」は、その人固有のものであり「一般的な正解」はありません。「これだけあれば充分やな」というレベルを設定すれば、それが「ゴールイメージ」になります。

例えば、下記のように簡単でいいので整理してみましょう。

  • 60歳でリタイアして90歳まで生きる=セカンドライフ30年×年間生活費500万円=リタイア時「1.5億円」あれば安心かな
  • リタイアすれば、年に2回は海外旅行がしたい=そのための健康と体力を維持しないと
  • 家族みんなが健康で楽しく、仲良く過ごしたい=そのために何が必要か?

さらに「欲しいモノ」「やりたいこと」などをリストに追加すれば「あなたのゴール」が可視化されます。

(関連記事)中小企業の経営計画の成否は「ゴール設定」で決まる

時間軸を鮮明に可視化する

人生設計は「時間の計画」です。「将来***したいな」という漠然としたものではなく「**歳で**する」というように「いつ?=時間軸」を鮮明に可視化する必要があります。最近では、大谷君が高校3年生の時に書いたと言われている人生計画が有名ですよね。知らなない人は是非検索して見てみてください。

未来年表を作成する

「2050年、何歳になる?」という「計算」は、誰でもできますが、ここで必要なのは「計算」ではなく「イメージ」です。エクセルやスプレッドシートで「未来年表」を作成しましょう。

ここでのコツは「大切な人たちの年齢」も並記することです。意外と「子供が結婚する頃、両親は**歳か・・・」など改めて確認することができます。

下記は、サンプルとして10年分だけペーストしましたが、スプレッドシートも共有設定してあるので参考までにご覧になってください。(ちなみに、私は自分が100歳になる2061年まで横長のシートを作成しています)

現在1年後2年後3年後4年後5年後6年後7年後8年後9年後10年後
西暦20242025202620272028202920302031203220332034
会社3期4期5期6期7期8期9期10期11期12期13期
自分35歳36歳37歳38歳39歳40歳41歳42歳43歳44歳45歳
配偶者30歳31歳32歳33歳34歳35歳36歳37歳38歳39歳40歳
第1子3歳4歳5歳6歳7歳8歳9歳10歳11歳12歳13歳
第2子2歳3歳4歳5歳6歳7歳8歳9歳10歳11歳12歳
第3子1歳2歳3歳4歳5歳6歳7歳8歳9歳10歳11歳
65歳66歳67歳68歳69歳70歳71歳72歳73歳74歳75歳
60歳61歳62歳63歳64歳65歳66歳67歳68歳69歳70歳

https://docs.google.com/spreadsheets/d/e/2PACX-1vSvh1n69YpdWZhjgz8gm7MhC1Kj5hGTdOYKff4cPN1rj8DdGTiAc4LT1yS7Pp-iwIYrGTQ9bbnt6aKF/pubhtml?gid=0&single=true

共有スプレッドシート

自責で未来を予測する

本稿を書いている時点で、日本の人口が1億人を割り込むのが2056年と予測されています。約30年後ですね。高齢化比率もどんどん上昇する日本の未来はどうなるのでしょうか?様々なレポートが公表されていますが、人口だけではなく「世の中の変化予測」について、楽観的な人、悲観的な人は様々ですが「自分なりの答え=自責の未来予測」を持っておく必要があります。

その「自分なりの答え=自分の予測」に、どのような対応していくのか?も「人生計画」に欠かせません。技術進歩も含め少なくとも「現在の外部環境は変わらない」ということはありません。

ちなみに、私が大学を卒業して、いわゆる社会人になったとき(1980年代前半)、まだインターネットは一般的ではありませんでした。携帯電話(もちろんガラケー)も一部の人しか持っていませんでした。音楽はCDが出始めの頃でどちらかというとレコードを買っていました。映画はもちろん映画館に行ってました。約40年前です。さらに約15年前、よく海外出張に行ってましたが、当時のドル円相場は約80円、今の2倍の「円高」で「外国って安いなあ」と気楽に出国してたものです。

振り返ると、20年~40年の間に世の中は大きく様変わりしました。当時、新しい技術にワクワクもドキドキもしましたが、まだ法人化が認められていない税理士業界も「間違いなく変わる」と確信して様々な勉強をしたものです。

(参考サイト)

(関連記事)必修経営スキル【先見力】未来の解像度を高めるチカラ

不足しているモノを5レイヤーで整理する

今の延長線上に「幸せな人生」がハッキリ見えていれば「現状維持」がひとつの答えであり「計画」です。しかし、そうではないとすれば「何かが不足している」ということになります。

それが「お金」なのか「時間」なのか「健康」なのか、あるいは「能力」なのか・・・それらを整理し、そのが課題解決策が「TO-DOリスト」になります。

そのセルフチェックには、是非「5レイヤー」を活用してみてください。漠然と考えるよりフレームワークで考えた方が格段に効果的です。

【経営脳】5つのレイヤー。「マインドセット」「フィジカル」「メンタル」「スキル」「センス」。

「人生計画」を実現するために・・・

  • L1:マインドセットの課題は?
  • L2:フィジカルの課題は?
  • L3:メンタルの課題は?
  • L4:スキルの課題は?
  • L5:センスの課題は?

「お金」も「時間」も「健康」も、そして「能力」も、5レイヤーを整えることで最適化されます。それぞれ「セルフマネジメント」の結果であり「棚からぼたもち」でもなければ「神様の恵み」でもありません。

(関連記事)5レイヤー:経営脳は5層構造、フレームワークで最適化する

メンテナンスを年末のルーティンとする

未来は誰にも分かりません。予測も当たるとは限りません。雑誌や新聞等でよく目にする「激動の時代」というキャッチコピーは、毎年叫ばれてるそうですが、それは「視聴者や購読者」を惹きつけるためのコピーであり、盲目的に受け入れるものではありません。人生は「他責」ではなく「自責」の最たるものですが、「なりたい自分になる」「生きたい人生を生きる」ためには「未来を予測し、未来に備える」ことが、もっとも「確率」が高い方法です。

そのために「人生計画」のアップデートは欠かせません。世の中は変わります、また、自分も変わります。つまり「前提条件」は日々変わるので「計画の見直し」が必要です。

毎年、年末に「人生計画」の加除修正のためのメンテナンスをルーティンにすることを強くオススメします。お正月に「いい年になりますように!」とわずかなお賽銭で神頼みをしても「想い通りの人生」になることはありません。

(関連記事)最高の人生のための「経営者のタイムマネジメント」

まとめ

さて、どうですか?今日は「経営者の人生設計の視点」を紹介しました。

この記事を「猛暑の7月」にアップした理由があります。「人生計画」の「初版」を年末までの半年で熟考して言語化してほしいからです。経営脳の自主トレにとっても最適なテーマです。ぜひ、取り組んでみてください。

関連記事も含め参考にしてみてください。

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