【社員たちの幸せとは?】経営の目的は関わる人たちの幸せ

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この記事は、更新時の情報と筆者の考えに基づくものです。


おはようございます!

今日は、2024年第6週の土曜日。「そろそろ花粉か・・・」と私は少々テンション&パフォーマンスが下がる季節の到来ですが、皆さんのコンディションいかがですか?

さて、今週は、ある経営者からの相談を紹介します。

社長
社長

経営の原理原則である「関わる人たちの幸せ」を考えて経営しているが、なぜかうまくいかない・・・。

やっぱり、原理原則は理想論でしかないのか?

経営脳の第4レイヤー「スキル」のひとつである「コミュニケーション・スキル」のひとつの事例でもあります。今週の「自主トレ」の参考にしてみてください。

この記事は「持続的に正しく成長するための経営の原理原則」の補足です。

このブログでは「10人~100人規模の中小企業経営者」の方々に向けて「経営脳の自主トレサポート」を目的に「もっといい会社」にするためのヒントを発信しています。初めてアクセスしていただいた方は、こちら(=「このブログについて」)をまずご覧ください。

経営の原理原則「関わる人たちの幸せ」

会社経営の本質的な目的は「関わる人たちの持続的な幸せ」であり、これが「経営の原理原則」であるというのが、私の考え方です。

3Gマネジメント:社会・取引先+社員+経営者
  • 得意先や取引先を中心とする社会
  • 社員や、その家族や大切な人たち
  • 経営者自身や、その家族や大切な人たち

この3つの「関わる人たち」に迷惑をかけたり、犠牲にしたり、理不尽な負担をかけるような経営はうまく行かない、という考え方です。

この3つのグループの人たちの持続的な幸せを目的に「もっといい会社」に成長するには「もっといい経営者」になることが必要と、私は「あちこち」で説いています。

(関連記事)持続的に正しく成長するための「経営の原理原則」
(詳説記事)【3Gマネジメント】近江商人の「三方良し」との違い

関わる人たちの幸せを考えているのに・・・

今回の相談は「関わる人たちの幸せを考えているのに、うまくいかない」という話。

特に、社員たちの幸せを第一に考えている、もっと言えば、自分は犠牲になってもいいとまで考えているのに「なんでやろ」と、この経営者はモンモンとしていました。

  • 不公平が起きないように、給与や賞与に大きな差を付けないようにしている
  • 勤続年数に応じて定期昇給するようにしている
  • 健康も考慮して、しっかり栄養が取れるようにランチにはお弁当を支給している
  • 残業が多くならないようにパート社員を増やしている
  • 親睦を図るため、毎月1回、全員参加の飲み会を開催している
  • 日頃の苦労に報いようと、久しぶりの慰安旅行も企画している

こんなに「彼ら彼女らのことを思っている」・・・数少ない一部の社員からは「社長、ありがとうございます!」と感謝されているけど・・・なのに・・・という具合です。

幸せは多様である

すでにお気づきの通りです。

社員の幸せは会社の繁栄に不可欠な要素です。しかし「幸せ」は主観的であり、一人ひとりの価値観によって異なります。「よかれと思って」という一方的な考え方は、多様性への配慮が欠けており、その結果、モチベーションの低下や信頼の喪失につながるリスクをはらんでいます。

特に、昨今は顕著であり「様々な幸せの形」があることを理解しておかなければなりません。

社員一人ひとりが何をもって幸福と感じるかを理解することが第一歩です。

例えば、ワークライフバランスを重視する社員と、多少プライベートを犠牲にしてでもキャリア成長を優先する社員、または「お金が優先」という人、「時間が優先」という人もいます。それぞれ、幸せに対する考え方が大きく異なります。

この「幸せの多様性」を理解せず「よかれと思って」という一方的な施策は、その期待に反して「幸せでない」という場面を作ってしまっている可能性があります。

このケースであれば、給与や賞与に差を付けないこと、定期昇給、様々な福利厚生など「よかれと思って」やっていることが、本当にメンバーの満足や幸せ感に結びついているか?です。

チームのパフォーマンスを上げるため

話を進める前に、先に書いておきます。

この話は「甘やかす」「なんでも与える」「すべて許す」という類の話ではありません。

あくまでも「チームのパフォーマンスを最大化するためにどうすればいいか?」の話です。

言い換えれば「チームのパフォーマンスアップの障害を取り除くには?」ということでもあります。

たとえば、パフォーマンスが低下するよくあるケースは「経営者による価値観否定」です。

経営者のポジションで、つまりトップが、自分と違う価値観を「それは間違っている」と拒否し、否定してしまうと、メンバーたちは反論することができず「社長はわかってくれない」「社長に言ってもムダ」とあきらめてしまいます。

それなのに「モチベーションを上げろ」と言っても、それはムチャ難題です。

社員たちとの真のコミュニケーション

この問題を解決する方法は「真のコミュニケーション」です。つまり「彼ら彼女らのホンネ」を正しく理解し、それを受け入れるところから始めなければなりません。

特に、中小企業経営者は「成長志向」や「上昇志向」が強い人が多く、その志向が低い社員たちを「やる気がない」「モチベーションが低い」と決めつけ、まるで(口には出さなくても)「ダメな人間」というレッテルまで貼ってしまう人がいます。それが行き過ぎて「排除」する言動に出てしまうことすらあります。

トップの役割の一つは「チームのパフォーマンスを最大化すること」です。

社員たちの本音を理解し、受け入れることをせず、パフォーマンスアップを望むのは「理屈があってない」と言わざるを得ません。

まずは、個々の社員たちと「真のコミュケーション」を重ね「ホンネ」に耳を傾け、それを理解し、受け入れることから始めましょう。

(関連記事)【経営者の基礎スキル】コミュニケーションの盲点「思いやり」

できることはやる・できないことは説明する

社員たちの「ホンネ」を受け入れることができれば、次は「それにどう応えるか?」です。

彼ら彼女らのパフォーマンスが上がるなら「できることはやる」ことです。

例えば、在宅勤務を認めることで通勤ストレスから解放され心身のパフォーマンスが改善するという「ホンネ」があるなら「リモートワーク」を検討したり、在宅が無理なら「フレックスタイム」を検討したり、という具合です。

しかし、諸事情で「できないこと」があるならば「無理!」と一言で片づけるのではなく「なぜ、できないか?」について、丁寧な説明をし、相互理解を深めることが大切です。

「お互いの思い」や「お互いの事情」を知り合うことによって、チームのコミュニケーションの質を高めることが、チームのパフォーマンスを改善する取り組みになります。

ただ、その過程で「どうしても価値観に相違がある」と感じるときは、下記の記事を参考にしてみてください。

(参考記事)中小企業の人材採用力|必要な人を必要なときに採用するチカラ

まとめ

さて、どうですか?

この話は、奥が深く、賛否両論があることも承知していますが、再考のきっかけにしていただければと思います。

経営の原理原則である「関わる人たちの持続的な幸せ」の実現は簡単ではありませんが、その大前提は「関わる人たちにとっての幸せとはなにか?」と正しく理解し、受け入れておくことがです。

自分自身の価値を尊重するあまり、多様性を認めず、結果として「押しつけ」「ごり押し」「威圧」があると「いいチーム」にはなりません。

(関連記事)経営者のマインドセット8選|「多様性」を尊重しているだろうか?

関連記事も含め参考にしてみてください。

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