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この記事は、更新時の情報と筆者の考えに基づくものです。
「いい会社」のひとつの大きな特徴であり、必要条件は「いいチーム」です。中小企業経営者が認識している「経営課題」をカテゴライズすると、その大半が「チームの課題」であると言っても過言ではないでしょう。チームの課題が解決され「最高のチーム」に進化、成長できれば、多くの経営課題を解決することができます。
この記事では、中小企業の経営計画におけるゴール設定に際に欠かせない「最高のチームの定義」について整理します。
この記事は「中小企業向|経営計画の策定と運用、3つの新視点」の補足です。
このブログでは「10人~100人規模の中小企業経営者」の方々に向けて「経営脳の自主トレサポート」を目的に「もっといい会社」にするためのヒントを発信しています。初めてアクセスしていただいた方は、こちら(=「このブログについて」)をまずご覧ください。
経営計画は経営者の人生計画
このブログでは、中小企業の経営計画は、経営者にとって人生計画であるという新視点を紹介しています。「もっといい会社にしたい」という想いのベースには「もっといい人生を送りたい」という経営者の本質的な想いがあります。「どんな会社にしたいか?」は、「どんな経営者人生を送りたいか?」と表裏一体です。
そんな「経営者人生」に大きく影響するのが「チーム」です。チームの良し悪しが、会社の良し悪しを左右し、つまり、経営者の人生を左右します。そんな「大切なこと」を疎かにしないようにしなければなりません。
(参考記事)中小企業の経営計画は「経営者の人生計画」という視点
チームは経営者の鏡=自責で考える
様々な経営課題の原因を「チームの未熟さ」に求め、愚痴る経営者は少なくありません。チームのモチベーションが低いのは「やる気」が弱いから、売上が上がらないのはチームの営業力が未熟だから、チームの雰囲気が悪いのはコミュニケーションスキルが低いから、チームがまとまらないのはリーダーが頼りないから・・・などなど。
その気持ちは分かります。ストレス解消のため「分かっているけど言いたいだけ」なら構いません。いくらでも聞きます(笑)。
しかし、です。
少人数の中小企業を客観的に観察していると「チームは経営者の鏡」であることがよくわかります。モチベーションも、営業力も、コミュニケーションも、そしてリーダー不足もその原因を冷静に観察していると「それは経営者に原因がある」ことがよくわかります。モチベートしてない経営者、営業力強化のトレーニングをしてない経営者、良好なコミュニケーションをサポートをしてない経営者、リーダーを育成してない経営者・・・という具合です。やればできるのに「してない」のです。
愚痴ることは何の解決にもなりません。
もし、心当たりがあるなら「チームの課題」を「自責」で見直しましょう。
自分にとっての「最高のチーム」を鮮明にする
経営者の人生を幸せで豊かにするために欠かせない「最高のチーム」ですが、その定義は千差万別です。
親分肌の経営者にとっての最高のチームは軍隊のように統率のとれたチームかもしれません。一方で上下関係より左右のコミュニケーションを重視する経営者なら、建設的なディスカッションができる仲間たちのチームかもしれません。
そんな多様性を踏まえた上で、その要件サンプルをリストアップすると次のようになります。
- 経営理念に賛同共感し、浸透している
- 経営目標が正しく共有されており考動ベクトルは一致している
- 上意下達、経営者の指示命令や意図がチーム全体に正しく伝わっている
- チームの一体感、連帯感が強く、チームワークは良好である
- 個々の役割は明確であり、それぞれが正しく認識している
- 報連相を含め、メンバー間のコミュニケーションは良好である
- 人事評価基準に基づいて自己の成長課題を正しく認識し、その改善に積極的に取り組んでいる
- 仲間の成長課題を解決するための相互支援が根付いている
- 必要な情報は求めなくても上がってくる
- 改善に対する意識が高く、課題発見及びその解決に自発的に考動している
- 時間の価値観が共有されており、期限や納期に対してシビアに取り組んでいる
- セキュリティ意識が高く、リスク想定とそれに対する準備や対策がは万全である
- 価値観の多様性を理解し、お互いを尊重する関係にある
- 社会人としてのモラルが高く、心配することはない
上記は、一部に過ぎません。あなたが理想とする「最高のチーム」の要件リストを作成し、イメージの解像度を高める参考にしてください。
どうすれば「最高のチーム」になるか?
上記のチェックリストを見て「これは理想過ぎる」と思った方もいるかもしれません。確かに、このチェックリストのすべてに「YES」が付くようなピッカピカのチームは、非現実的かもしれません。しかし、です。だからと言って「適当なレベル」で目標設定しても「最高のチーム」を組成することは困難です。
少々高すぎるかな?理想過ぎるかな?で構わないので「あなたにとっての最高のチーム」を定義してみてください。
その上で「じゃあ、どうすれば最高のチームになるのか?」です。
STEP1:NOの原因を明確にする
例えば、上記のリストの「経営理念に賛同共感し、浸透している」が「NO」の場合、その原因を明確にするところから始めます。「なぜ、経営理念に賛同共感しないのだろう?」です。それが「賛同共感するセンサーを持っているメンバー」なのであれば、掲げている理念に課題があると思われます。メンバーの賛同共感を得るに足りない理念だということです。もし「賛同共感するセンサーを持ってないメンバー」なのであれば、採用プロセスを見直す必要があるかもしれません。
このように「最高でない原因」をひとつひとつ丁寧に明確しましょう。
STEP2:NOの原因を解決する方法の立案
「NOの原因」を解明できれば、それを解決しなければなりません。次は「じゃあ、どうすればYESにできるのか?」という解決策を具体化します。経営者自身の考え方を変える必要があるのか?あるいは、行動を変える必要があるのか?または、誰かにサポートしてもらうのか?。解決のための方法を具体化しましよう。
STEP3:公表し共有する=経営計画
「最高のチーム」に進化成長するための方法が具体化できれば、それを公表し、チーム全員と共有します。
「最高のチーム」の当事者は、個々のメンバーです。それぞれのメンバーに「最高のチームとは?」を説き、そのために不足していること、解決すべき課題があることを伝え、また、その原因が経営者自身にあることをカミングアウトし、協力を得る必要があります。
この時に大切なのは(当然ですが)「経営者のためにお願いします」というスタンスではありません。「最高のチーム」となって、もっといい会社にし、みんなでもっと幸せになろう!」という宣言です。
そして、この一連のステップを「経営計画」に盛り込み、運用すれば2~3年で「いいところ」まで行くことができます。相手は「生身の人間」なので、一朝一夕に解決する問題ではありませんが、チームビルディングのコツは、地道に、丁寧に、確実に進めていく取り組みであり、そして、それが最短距離です。
(参考記事)必修経営スキル【チームビルディング力】組織最適化のチカラ
まとめ
さて、どうですか?経営者の幸せな人生を左右する「最高のチームを定義することの大切さ」について整理しました。
関連記事も含め参考にしてみてください。
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