突然ですが「優秀な人材のニーズを正しく認識できていますか?」
中小企業経営者の多くが、いや、全員が「優秀な人材が欲しい」と口をそろえます。
そこで、「優秀な人材ってどんなヒト?」と質問すると「優秀といえば優秀なヒトやん」とのこと。
なんとも頼りないリアクションです。
さらに「優秀な人材は何を求めているの?彼ら彼女らのニーズは?」と質問を続けると・・・
「ん?」と目をパシパシさせて黙ってしまう経営者も珍しくありません。
本稿では「優秀な人材が求めるニーズ」について整理します。
「顧客ニーズに応える」と同じように「メンバーニーズに応える」ことは、今後、益々重要なテーマになります。
人材育成のための重要視点です。
ぜひ、参考にしてみてください。
この記事は「中小企業向け人材育成|人が成長する仕組み作りの概要」の補足です。
このブログでは「10人~100人規模の中小企業経営者」の方々に向けて「経営脳の自主トレサポート」を目的に、「もっといい会社」にするためのヒントを発信しています。
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【定義確認】「優秀な人材」とは?
比較的規模の小さい中小企業において「優秀な人材」とは、「その経営者にとっての優秀な人材」です。
必ずしも一般的に優秀とされるイメージとは一致しません。
世間一般で「優秀」と評価される人の典型的なイメージは、学歴や職歴などにおいて優位な、あるいは、資格を持っているなど、あえて言うなら「優秀」というより「優等生」です。
しかし、中小企業経営者が求めている「優秀な人材」にとって、学歴や職歴や資格は「無いよりあった方が良い」程度であり、もっと「重要視」している要件があります。
言語化できている経営者は少ないですが、私が観察していると、その多くは明らかに「自分(経営者)との相性」「性格や考え方、人柄」を重視しています。
その証拠に、採用面接を終えた経営者に「どうやった?」と聞くと、最も多い回答が「ええ感じのヒトやった」と、まるで「お見合いした後」のような反応です。
経営者にとっての「優秀な人材」の本質は「好みのタイプ」であり、私は、これを否定するどころか大賛成です。
(参考記事)人が育つ人事評価|評価基準で経営者の”好み”を言語化
【独自視点】
自分のモノサシで評価すること
ところが「ミスった」と採用後に後悔する経営者が後を絶ちません。
「好みのタイプ」のはずだったのに、その期待通りのパフォーマンスを発揮してくれない・・・。
しばらくすると「おかしいぞ」と感じ始めるのです。
その原因は「履歴書に書いてあるスペック」です。
十分な学歴、申し分のない職歴や経験、最低限の資格など、既存メンバーと比べても優位な「スペック」。
たしかに「優秀」なんです。
しかし、この人は前述の「一般的に優秀とされる人材」であり、経営者自身のホンネである「好みのタイプ」とは一致してなかった、というケースです。
学歴や職歴、資格などは「一般のモノサシ」です。
大切にしなければならないのは「自分のモノサシで評価すること」です。
必要最低限の学歴や職歴、経験、資格などの「スペック」は必要でしょう。
しかし、それ以上に「好みのタイプ」ありきです。
【優秀人材】
経営者が好きな人の共通点
前置きが長くなりました。
採用面接のあとに「エエ人やった」と評価する人材を紐解くと、実はみんなよく似ています。
「変わった趣味嗜好」の経営者もいますが少数派です。
多くは「似たタイプ」を「好き」と言います。
そんな「似たタイプ=みんなに好かれる優秀な人材の共通点」を整理すると、次のようになります。
- 自分自身の人生を大切にしている人材(=成長意欲)
- 社会人として正しい倫理観や道徳観を持っている人材
- 会社の理念や方針、目標に共感する人材
- 協調性が高い人材
- 基礎スキルが合格ライン以上の人材
求めている「好きなタイプ=優秀な人材」とは、このような人ではないでしょうか?
もし、これらの要件を兼ね備えていたら、学歴や職歴、資格などは劣後の要件になるはずです。
(関連記事)人が育たない理由|「能力」を見ず「スキル」で採用するから?
【重要視点】
優秀な人材の5つのニーズ
「優秀な人材」に来てもらい、もちろん、既存メンバーも「もっと優秀」になってもらえば、チームのパフォーマンスはますます高くなり、会社はイヤでも成長します。
そのためには、どうすればいいのか?
その答えは、すでに上記にリストしました。
ヒントは「優秀な人材の共通点」です。あえて、再掲します。
- 自分自身の人生を大切にしている人材(=成長意欲やワークライフバランス)
- 社会人として正しい倫理観や道徳観を持っている人材
- 会社の理念や方針、目標に共感する人材
- 協調性が高い人材
- 基礎スキルが合格ライン以上の人材
この「優秀な人材の共通点」は、「優秀な人材のニーズ」と一致しています。
- 人生の安心感や期待感を感じることができる会社なのか?
- 正しい倫理観や道徳観を持っている経営者なのか?
- 共感、賛同できる理念や方針、目標が具体的に示されているか?
- 協調性の高いメンバーでチームが編成されているか?
- スキルを高めるための研修や評価の制度が運用されているか?
この5つのニーズに応えることが「優秀な人材を採用する視点」であり「優秀な人材が定着する視点」です。
念のために「逆のケース」も書き加えておきます。
- 人生の安心感や期待感が感じられず、むしろリスクを感じる
- 倫理観や道徳観に疑問を感じる経営者
- 会社の理念や方針、目標が、あいまい、発信されてない、形骸化してる
- チームワークが悪い
- 成長支援のための研修や評価の制度がない
もし、このような会社であれば、優秀な人材にとって魅力がないばかりではなく、既存のメンバーも去っていくリスクがあります。
【要点確認】
優秀な人材のニーズに応える
さて、どうですか?「優秀な人材のニーズ」について整理しました。
- 「優秀な人材」とはスペックより「経営者の好み」であること
- 一般的なスペックに惑わされず、自分のモノサシで評価すること
- 経営者に好かれる「優秀な人材」は共通していること
- 優秀な人材の5つのニーズに応えること
関連記事も含め参考にしてみてください。
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