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この記事は、更新時の情報と筆者の考えに基づくものです。
経営課題がない会社はありません。
「ヒト・モノ・カネ」さらに「トキ(時間)・ジブン(経営者自身)」の課題解決が「経営」そのものと言っても過言ではありません。
「経営が上手くいってる状態」とは「課題解決が順調に持続している」ということであり、反対に「経営が上手くいってない状態」というのは「なかなか課題が解決せず山積している」ということです。
この違いの理由はふたつ。
ひとつは「課題の難易度の差」、もうひとつは「課題解決のスキルの差」です。
本稿では、後者である「課題解決スキル」について実務の視点で整理します。
売上の伸び悩み、人手不足、資金繰りなど山積している課題解決が進まず「経営が順調でない」のであれば、ぜひ「課題解決力の強化」の参考にしてください。
本稿は、【経営者の基礎スキル】課題発見のためのゴールファースト思考の補足記事です。
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【定義】まずは「課題とは何か?」から
課題解決に取り組む際に、意外と抜け落ちてる「課題の定義」。
「課題は何か?」の前に、そもそも「課題とは何か?」です。
課題解決ができずに悶々としている経営者をよく観察すると、そもそも「課題が明確でない」ということが多いのですが、さらにその理由を探ると「課題とは何か?」という定義が曖昧であることが少なくありません。
「課題」とは「ギャップの発生原因」です。
「理想と現実」、「あるべき姿と現状」、「ありたい姿と現状」、「スタートからゴール」などの「ギャップの発生原因」が「課題」です。
また、「課題」は、「人によって変わる」という特徴があります。「課題は人によって違う」のです。さらに言い換えれば「あなたにとっての(当社にとっての)課題は何か?」です。
「現状」はすでに起きている「事実」なので、誰から見ても同じですが、それぞれが掲げる「理想」や「ゴール」の高さで「ギャップ」の幅は大きくなったり、小さくなったり、あるいはなくなったりします。
たとえば、現状の売上高が2億円の会社において、目標が3億円の場合と5億円の場合によって解決すべきギャップは全く違い、また、その発生原因もほとんどのケースで大きく違います。
課題解決に必要なのは、「理想・あるべき姿の解像度」と「現状の解像度」です。
このふたつが鮮明であればあるほど、ギャップが鮮明になり、その発生原因を見つけやすくなります。つまり、より解決しやすくなるのです。
まずは「課題とはギャップの発生原因」という定義を再確認しましょう。
(関連記事)目標設定|経営計画の良し悪しは「ゴールの解像度」で決まる
【技術】課題解決の4つのステップ
課題解決には手順があります。
多くの経営者が「感覚的」に問題を解決しようとしますが、それでは同じ課題が何度も繰り返され、時間とコストを無駄にすることがあります。
解決の確率やスピードを高めるためには、自己流ではなく、効果的な「パターン」に基づく方法を使うことが最も効率的です。
ここで紹介するのは、課題解決のための「4つのステップ」で構成されたひとつのパッケージです。このパッケージを使えば、課題解決の精度とスピードを飛躍的に向上させることができます。
- STEP1:ギャップを鮮明にする
- STEP2:原因特定
- STEP3:解決策の立案
- STEP4:実行管理
STEP1:ギャップを鮮明にする
課題解決の最初のステップは、理想やあるべき状態に対するギャップを鮮明にすることです。
ここでの注意点は「解像度」です。
より「鮮明にすること」というのは「表面的な差」ではなく「その奥に潜む差」まで掘り下げることです。
「売り上げ低迷」という不都合について検討するケースにおいて、例えば「目標1000万円:実績600万円」という状況の時、「表面的なギャップ」は、400万円ですが、これでは「解像度が高い」とは言えません。
取扱商品やサービスによって異なりますが、「単価×客数」のように「要素分解」することが重要です。
- 「現状の単価」と「あるべき単価」のギャップは?
- 「現状の客数」と「あるべき客数」のギャップは?
というような具合です。
このような「要素分解」をすることによって、「売上高のギャップ」は、「単価のギャップ」と「客数のギャップ」に分けることができ「ギャップの発生原因」にアプローチしやすくなります。
他のテーマについても、要素分解のサンプルを示すと下記のようになります。
- 人材育成:「価値観共有度」「基礎スキル」「実務スキル」
- 販売力:「商品力」「広告力」
- 顧客数:「新規獲得力」「継続力」
これを参考に、いま生じている不都合には、どんな要素が関係しているか?を分解してみてください。
このプロセスが「ギャップを鮮明にする=解像度を高める」という意味です。
(関連記事)フレームワーク|アタマがもっと良くなる「分解思考」
STEP2:原因の特定
次は、課題そのものである「ギャップが生じている原因の特定」です。
「なぜ、ギャップが生じているのか?」の原因を明らかにします。
たとえば、上記のように「売り上げ低迷」を「単価」と「客数」に要素分解したなら「単価にギャップがあるのはなぜか?」「客数にギャップがあるのはなぜか?」について「考えられる原因はいったん全部出し切る」ことが重要です。
大切なことは「網羅すること」です。最初から原因を絞り込まず、考えられるものはすべてリストアップして検討することで「思い込み」や「もれ」を少なくすることができます。
このように原因として考えられることは、すべて洗い出し、その後、いくつかの仮説に絞り込みます。
絞り込みのコツは「それを解決すればギャップは解消するか?」という確認です。
例えば、様々な仮説のうち「商品力を改善すれば、ギャップはなくなる」という確認ができれば「原因特定」をしたことになります。
STEP3:解決策の立案
STEP2で原因を特定したとはいえ、実務には「やってみなければ分からない」ということがほとんどなので、実際の実行して検証しなければなりません。
上記に続けると「商品力強化」が解決策として特定したなら、具体的にその取り組みの「実行計画=解決策の立案」です。
「G:ゴール」「S:シナリオ」「C:キャスティング」を具体化し「正しい計画」を立案します。
- G:ゴール:目指す品質のレベルの言語化
- S:シナリオ:ゴールに達するための具体的な方法
- C:キャスティング:計画の各項目について担当責任者を選任
(参考記事)経営者の計画実現力:バックキャスト思考なら必ず実現できる
STEP4:実行管理
あとは「やるだけ」ですが「解決策の実行管理」をしなければなりません。
上記、STEP3で作成した「解決のための正しい計画」を「正しく実行」しているか?を管理すると同時に「計画は正しいのか?」を検証します。
「正しい計画」と思っていても、いざ実行してみると「いや、ちがうぞ!」ということが往々にしてありますが、そんなときは素早く計画修正が必要になります。大きく外れてしまってからでは手遅れになることもあるので、この実行管理は「日々」「週ごと」など短いスパンで行うようにしましょう。
【まとめ】課題は”感覚”ではなく”技術”で解決
さて、どうでしょう?「課題解決の技術」について整理しました。
- STEP1:課題発見と優先順位付け
- STEP2:原因特定
- STEP3:解決策の立案
- STEP4:実行管理
経営は「課題解決の連続」です。次々に発生する新たな経営課題を解決し続けることで「もっといい会社」に進化成長していきます。そのためには「感覚的に解決」するのではなく、「技術的に解決する」という視点が重要です。
関連記事も含め参考にしてみてください。
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