「ヒト モノ カネ」に「トキ」を加えて、さらに「5つ目」の話

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この記事は、更新時の情報と筆者の考えに基づくものです。


「ヒト モノ カネ」は、経営資源を3つにカテゴライズして整理するための伝統的なフレームワークであり、経営者が頭の整理をするときにとても便利なツールですが、この3つでは大事なことが漏れてしまいます。

そのひとつが「トキ」です。

経営実務において、「ヒト モノ カネ」以外に「時間軸」「時間感覚」「時間管理」など「トキ」についても、その使い方、考え方の優劣が成果を大きく左右します。

さらに、もうひとつ忘れてはならない5つ目の要素があります。

それは「ジブン」です。

私の口癖は「もっといい経営者になれば、会社はもっとよくなる」ですが、中小企業においては、特に経営者と会社の成長は切っても切れない裏表の関係にあります。

5つ目に加える「ジブン」とは、経営者自身のことです。

仮に「ヒト モノ カネ トキ」が十分に整っていても「ジブン」に課題があれば、それらは「宝の持ち腐れ」になってしまいます。

本稿では、「ヒト モノ カネ トキ」に、経営者自身である「ジブン」を加えて、このフレームワークを整理します。

このブログでは「10人~100人規模の中小企業経営者」の方々に向けて「経営脳の自主トレサポート」を目的に「もっといい会社」にするためのヒントを発信しています。初めてアクセスしていただいた方は、こちら(=「このブログについて」)をまずご覧ください。

伝統的なフレームワーク「ヒト モノ カネ」

「ヒト モノ カネ」は、「今さら感」すら感じる伝統的なフレームワークですが、古くから語り継がれている理由は「本質」だからだと思います。

時代が変わっても「ヒト モノ カネ」が、経営の3大資源であることに変わりないからでしょう。

しかし、このフレームワークを「知ってるけど、使ってない」という人がほとんどです。

フレームワークは、ツール(道具)なので「使ってナンボ」です。

  • 会社の現状を「ヒト モノ カネ」に整理して課題をピックアップする
  • 戦略を「ヒト モノ カネ」にブレークダウンして具体的な作戦や計画に落とし込む

たったこれだけでも、その効果効用を実感することができます。

もし、まだ「日常使いをしてない」という方は、この機会に使い始めてください。

ネット検索をすれば、多くの解説や意見がでてきますが、まずは「習うより慣れろ」です。

そもそも、フレームワークなので「自分にとって使いやすい形、使い方」が正解です。

「使い方はこうあるべき」ということに惑わされる必要もないので、使いながら「自分用にカスタマイズ」すればOKです。

ちなみに、私は「心技体」との組み合わせがとても便利なので多用していますが、その詳細は下記の記事を参考にしてみてください。

(参考記事)【シン・フレームワーク】「心技体」×「ヒト・モノ・カネ」

4つ目の要素、「トキ」を加える

「ヒト モノ カネ」に、4つ目として「情報」や「ブランド」など「見えないもの」を加えて活用している人もいますが、私は「トキ」を加えることが中小企業において特に効果的であると「(コーチングの)現場感覚」で実感しています。

  • 中長期計画や構想における「時間軸」としての「トキ」
  • 生産性を向上させるときの「時間管理」としての「トキ」
  • 納期設定、会議時間、残業管理など「時間感覚」としての「トキ」

中長期構想から、日常の時間の無駄遣いまで、大小どんなシーンであっても「時間を気にする」ことが大切です。

また、様々な課題解決策も「いつ?」を鮮明にしないと、足並みが揃わないどころか、最悪の場合「決めたけど実行しない」という笑えないことも少なくありません。

「ヒト モノ カネ」と同じく「時間も経営資源」ですね。

この「トキ」という経営資源を無駄遣いしない視点は、下記の記事で紹介しています。併せて参考にしてみてください。

「ヒト・モノ・カネ」に「トキ」を加える話

5つ目の要素、もうひとつ大切な「ジブン」

前述したように、5つ目の要素は「ジブン」、つまり、経営者自身です。

「それを言っちゃあおしまいよ!」と「身もフタもない話」ですが、当たり前すぎて「ヒト モノ カネ」で語られることがない「経営者」という経営資源もフレームワークに加えることが「頭の整理」に効果的です。

私自身、以前は「ヒト モノ カネ」の「ヒト」には経営者も含まれると説いてきましたが、それでも「自分のことを棚に上げる経営者」が後を絶たないので「ジブン」を加えた、という経緯です(笑)。

この5つ目を加える経緯において、忘れられないエピソードがあります。

ある日、「5つ目は『環境』がいいのでは?」と意見してくれる経営者がいました。市場環境、社会情勢などの外部要因も重要な経営資源であるという考え方です。私は、いったん「確かに・・」と納得しかけたのですが「ん?」と、あることが気になりました。

「ヒト モノ カネ」に「環境」を加えると、それが「抜け道」になるかも?と。

不都合が起きた時に「市場環境が悪かったから」「採用環境が悪かったから」「社会の価値観が変化したから」というように「他責」で済ませてしまうことになるな、と心配したのです。

私は、何事も「まず自責で考える」ということを促したいという意図も含めて「やっぱり『ジブン』や」と返事しました。

「ヒト モノ カネ」に「トキ」も加えて、これらをマネジメントするのは「ジブン」です。

「ヒト」「モノ」「カネ」「トキ」、これらを活かすも殺すも「あなただ!」というメッセージが、この「ジブン」には含まれています。

「経営脳:5つのレイヤー」と「ジブン」

さて、どうやって「ジブン」を整えるか?

とりもなおさず、これがこのブログのメインテーマです。

詳しくは、「経営脳は5層構造、フレームワークで最適化する」を参照してもらうこととして、ここでは、その要点だけおさらいしておきます。

【経営脳】5つのレイヤー。「マインドセット」「フィジカル」「メンタル」「スキル」「センス」。

「経営脳」を5つのカテゴリーに分類し、それぞれの課題を解決することで経営者のパフォーマンスを改善、向上しようというフレームワークです。

  • マインドセットに課題は無いか?
  • フィジカルに課題はないか?
  • メンタルに課題はないか?
  • スキルに課題はないか?
  • センスに課題は無いか?

この自問自答を習慣化することが「経営脳の自主トレ」の中心です。

「ジブン」の課題を正しく認識して、それをコツコツと改善していくという地道なトレーニングですが、実はこれが最短の近道です。

このトレーニングによって「ヒト モノ カネ トキ」のマネジメントレベルは、確実に向上していきます。

「ヒト モノ カネ トキ」に併せて「ジブン」を常にモニタリングすることを習慣にしましょう。

フォーマットサンプル

最後に、「ヒト モノ カネ トキ ジブン」の5つをまとめたフォーマットのサンプルを掲載しておきます。

各項目は、サンプルなので一例です。これを参考に、あなたの経営に必要なテーマを書き加えてください。

ヒト社内カルチャー
採用
育成
評価
社外顧客
取引先
モノ商品・サービス品質
価格
在庫
設備
カネ資本自己資本
他人資本(借入)
管理財務会計
管理会計
資金運転資金
設備資金
投資資金
トキ計画中長期計画
生産性
労働時間
ジブンL1:マインドセット
L2:フィジカル
L3:メンタル
L4:スキル
L5:センス

まとめ

さて、どうですか?「ヒトモノカネ」に「トキ」と「ジブン」を加えてフレームワークを整理しました。

関連記事も含め参考にしてみてください。

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