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中小企業において「予算管理」は「マネジメント会計」そのものです。「予算管理」がなければ「マネジメント会計」じゃないといっても過言ではないでしょう。もし、あなたが「会社の健全な成長」を望むのであれば、迷う必要はありません。「予算管理」を経営のルーティンとして活用しましょう。
この記事は「中小企業向け|マネジメント会計(管理会計)の設計と運用の概要」の補足です。
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「予算管理」とは何か?
文字通り「予算」を「管理」するわけですが、「予算」とは「目標」でもあります。
なので「目標管理」と言い換えることもできます。
「予算管理」とは「経営者が目指す目標=会社の近未来像」に確実にアプローチするための経営手法です。
(参考記事)中小企業の予算管理|「予算」は「予想」でも「予測」でもない
「予算管理」はムダだ、という意見
「予算管理」を提案すると・・・
「予算を立てても、どうせそのとおりにならないからムダだ」
・・・という意見が返ってくることがあります。
これは「予算クリア」が目的化している人の意見です。
「予算」は「目的」ではありません。
「予算」は「手段」です。
簡単に言うと・・・
「予算が目的化している人」は、「売上目標が達成すればOK」と考えます。
一方で「予算は手段と考える人」は「なぜクリアできたのか?」と、そのプロセスを検証します。
「予算」は「結果オーライ」なのではありません。
「予算管理」を通じて、そこに至るプロセスの計画差異の検証を行い、成功ノウハウを蓄積したり、また一方で経営課題を解決を繰り返します。
このように「予算管理」を正しく運用すればムダはひとつもありません。ただし、「正しく運用すれば」です。
「予算管理」の正しい運用
せっかくの「予算管理」も正しく運用しなければ「ただのメンドクサイ計算事務」になってしまいます。前述したように「予算管理はムダ」という意見を持っている人の理由でもあります。
「予算を立てて儲かるんやったら誰も苦労しないよ!」という意見の人です。
これは、まったく逆です。
「予算を立ててないから、その苦労が絶えないんやで!」ですw。
では「予算管理の正しい運用」とは?
その要点を整理すると・・・
- 予算管理は会社全体で取り組む
- 予算の目的と根拠を明確にする
- 月次決算によって予実分析を行う
この3点が重要です。
予算管理は会社全体で取り組む
会社経営がチーム戦である以上、目標をチームで共有することは当然です。
「見せ方」という意味で、実務的な工夫が必要ですが「予算」は、全員で目指すべき目標であり、会社全体で取り組むのが原則です。
予算の目的と根拠を明確にする
「予算」が「意味のない数字」であれば、チームはホンキになれません。
チームメンバー=社員たちが納得し、賛同できる「目的」と「根拠」が必要です。
単に「売上は前期比120%を目指すぞ!」という掛け声ではなく、「110%の賃上げを実現するために、目指すぞ!」とか「キレイなオフィスに移転するために!」とか「メンバーをあと3人増やすため!」とか「もっとユーザーを増やして地域ナンバーワンになるため!」などなど、誤解を恐れずに言うと「なんでもいい」です。あなたのチームメンバーが盛り上がるなら。
さらに、その「目標」が「達成できそう」というリアリティがなければなりません。
そのための「根拠」についても明確にする必要があります。
「この戦略・戦術・作戦・方法なら、目標達成できそう!」という「根拠」となるストーリー&シナリオを明確にしましょう。
月次決算によって予実分析を行う
クドイ説明はいらないですよね。
毎月の「予実分析」です。
ただ、注意しなければならないのは、良くても悪くても「予実差異」について、その原因を言語化しチームで共有することです。
「*****だからクリアできた」「*****だからクリアできなかった」と、それぞれの原因を明確にすることで「成功体験」や「経営課題」を全員で共有することができます。
そのために「月例予算会議」を毎月開催し、ルーティン化しましょう。
このルーティンが「人材育成」にも効果的なのは言うまでもありません。
常に3年先を予算化するローリング方式
一般的に「中期経営計画」といわれているものは3年単位ですが「3年ごと」に立てるのではなく、毎期「来期以降3年分」を予算化して行います。
私は「3年計画」でなく「36カ月計画」をおススメしていますが、その理由は「実現可能性」の差です。「月々けじめをつける」という方法の方が成果が得やすいからです。
この「36カ月予算」の最初の12か月分が「今期予算」となります。
「予算管理」は「PDCA」
以上、お気付きのとおり「予算管理」は「PDCA」に他なりません。
- 【P】Planning
「3年後のゴール」にアプローチするための「計画=ストーリー&シナリオ」をプランニングし、それを「予算化」する。 - 【D】Do
「予算クリア」のために、チーム全体が「予算を意識しながら」日々活動する。 - 【C】Check
毎月「予実分析」を行い「月例予算会議」において、その内容を共有する。 - 【A】Action
「予実分析」によって明らかになった課題の解決策を実行し、必要ならば「計画変更=予算集積」も行う。
このPDCAサイクルを回すことこそが「健全に成長する」ための基本スタイルであり「予算管理」が必要な理由です。
まとめ:「健全な成長」のための「予算管理」
「予算管理」をすることなく拡大路線に邁進して結果「膨張」してしまう、つまり「不健全な成長」をしてしまう会社が少なくありません。
「不健全な成長=膨張」ではなく「健全な成長」のために必要な「予算管理」です。
「中小企業に予算管理なんて時間のムダ」と豪語し、強烈なリーダーシップで予算管理なんてなくても「健全な成長」をしている経営者もゼロではありませんが、超レアケースです。
特別な経営手法がある、特別なカリスマ性がある、競争相手がいない独占事業を行っている・・・あるいは「健全な成長を目指してない」等の「特別な事情」がない限り「予算管理」は絶対必要です。
繰り返します・・・「健全な成長」のための「予算管理」です。
関連記事も含め参考にしてみてください。
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