中小企業経営者向|アタマがもっと良くなる「分解思考」の話

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この記事は、更新時の情報と筆者の考えに基づくものです。


突然ですが「あなたのアタマはいつもクリアですか?」。

チームのトップリーダーである中小企業経営者のアタマは「戦略立案」や「課題解決」、日常の「判断」や「意思決定」、さらに「分かりやすいメッセージを発信するため」に、常に整理整頓されクリアな状態を保つことが大切です。

とはいえ、日々の忙しさから、整理がつかずモヤモヤしたり、ひどい時にはちょっとしたパニックに陥ってしまったり、アタマを常にクリアに保つことは、実は簡単ではありませんよね。

そうならないために、ぜひ習慣化しておきたいのが「分解思考」ですが、これは、物事を複数のパーツに分解して整理する思考方法のひとつです。

これによって、物事の解像度が増し、より論理的に考えることができるようになったり、また、優先順位を付けやすくなりますが、それとともに「常にアタマがクリアであること」による精神衛生上のメリットも見逃せません。

この思考法は、決して難しいノウハウでもなんでもないので「意識するだけ」で誰でも習慣化できます。

もし、アタマの整理が苦手であれば、本稿を参考にして「分解思考」を習慣化しましょう。

このブログでは「10人~100人規模の中小企業経営者」の方々に向けて「経営脳の自主トレサポート」を目的に「もっといい会社」にするためのヒントを発信しています。初めてアクセスしていただいた方は、こちら(=「このブログについて」)をまずご覧ください。

分解思考とは何か?

「分解思考」とは、物事を複数のパーツに分解して考える思考の方法です。

例えば、最もシンプルかつ一般的なのが「売上高=単価×数量」で、これは「分解している」という意識すらないと思います。

しかし「単価」と「数量」に分解するだけで、「売上をどうやって上げるか?」と分解せずに考える場合に比べて、とても考えやすくなり、答えのバリエーションが増えたり、また、そのアウトプットのスピードが上がります。

さらに、複数のメンバーで考えるときには、相互コミュニケーションも取りやすくなります。

仕事に関わらず、プライベートにおいても、物事を考えるときには意識的に分解することを心掛けると、思考の範囲やスピードなど、知的生産性はワンランクもツーランクもアップするはずです。

これは、「意思決定が仕事」である経営者にとっては必修と言っても過言ではありません。

さらに、分解思考を習慣にすれば、前述したように、「アタマがクリアであることによるストレス軽減」や、「ちょっとアタマが良くなった気がする」ので、メンタル的にも侮れない効果があります。

中小企業経営における分解思考の活用例

  • チーム力=攻撃力×守備力
  • 野球の投球=球種×スピード×コース
  • 行きつけのお店=料理×価格×接客×利便性×わがまま許容度(=注:私の場合w)

このように、仕事に限らず、意識することもなく分解していることがありますが、同じように、中小企業経営のシーンを想定して、分解思考の活用例をリストアップしてみましょう。

定番のフレームワーク

  • 5W1H=When+Where+Who+What+Why+How
  • 3C=Customer×Competitor×Company
  • 4P=Product×Price×Place×Promotion

これらは、定番のフレームワークですが、分解思考の定番です。

例えば、商品戦略を考える際には「4P」を使って

  • Product:商品力は?
  • Price:販売価格は?
  • Place:販路は?
  • Promotion:販促は?

と分解することで、とても考えやすくなります。

時間で分解する例

  • 長期計画→中期計画→短期計画
  • 短期計画→月間計画→週間計画

私は、常々「経営計画は、経営者の人生計画」と説いていますが、経営計画のプランニングにおいても、分解思考が欠かせません。

「どんな人生を送りたいか?」を起点として、長期計画から短期計画までブレークダウンしますが、これは「時間を分解して考える」という典型的な事例です。

(関連記事)中小企業の経営計画は「経営者の人生計画」という視点

人の役割で分解

チームビルディングにおいても、分解思考が必要です。

スポーツに例えると、フォーメーションのプランニングですね。

「どんなチームが理想か?」を起点として、部門配置や、そこに属する各メンバーのポジションに分割し、各人の役割まで落とし込むことで、不足するポジション、不足するスキルが鮮明になり、今後の採用計画や育成計画のプランニングに役立ちます。

このブログの定番

このブログで紹介している「経営脳の5レイヤー」も「3Gマネジメント」も、私が分解思考で整理したものです。

分解思考のための代表的フォーマット

分解思考するときは「デジタル」より、「手書き」の方が思考の幅や深さが広がります。

そのための実務的なツールとして、次のようなフォーマットがありますので、実際に紙に書いて活用してみてください。

二軸図

分解思考のフレームワーク「二軸図」

たとえば「行きつけのお店」を「味」と「値段」に分解して考えるようなときに縦軸と横軸という二軸をひいて「見える化」すると鮮明度が高まります。

仕事においては「優先順位」を考える際に「重要度」「緊急度」の二軸に分けて考えるときの定番です。

マトリックス

分解思考のフレームワーク「マトリックス」

二軸図は「強弱」で考えるときのフォーマットですが、こちらは、二軸の要素の組み合わせを整理するときに便利なフォーマットです。

ロジックツリー

分解思考のフレームワーク「ロジックツリー」

クドイ説明は不要だと思いますが、分解思考の代名詞のようなフォーマットです。

マンダラ(曼荼羅)

分解思考のフレームワーク「曼荼羅」

大谷君の目標達成シートで改めて注目されている今やブーム?のフォーマットですね。

(参考記事)【曼荼羅ダウンロード】経営脳の自主トレ用フレームワーク

分解思考の注意点:MECEを心掛けること

思考のクオリティを高めるためにとても効果的な分解思考ですが、注意点(デメリット・リスク)があります。

それは「分解もれ」「分解ミス」です。

いわゆるMECE(もれなく・ダブりなく)に分解されてないと「重要な要素が漏れる」ということが起きます。

例えば「投球=球種×スピード×コース」と分解すべきところ「コース」を忘れてしまうと「考えてるつもり」になってしまい、分解することが裏目に出てしまいます。

もれなく分解するように注意しましょう。

まとめ

さて、どうですか?もっとアタマをよくするための「分解思考」を整理しました。

上述したように、この思考法は、決して難しいノウハウでもなんでもないので「意識するだけ」で誰でも習慣化できます。

関連記事も含め参考にしてみてください。

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