人材に成長してほしい。
もっと成長してほしい。
でも、思い通りに成長しない。
その原因は…
「成長の定義」があいまいだから。
人材は、順調に「成長」していますか?
人材に、もっと「成長」して欲しいですか?
ところで「成長」ってなんですか?
意外と説明しづらいですね?
今回は、この「成長の定義」を「組織戦略」の視点で整理します。
「成長の定義」をチームで共有することが、
「人材育成」にとても効果的だからです。
【組織戦略】
「育成」の戦略的位置づけ
本題に入る前に「なんの話か?」を確認しておきましょう。
「経営戦略」の中の
「組織戦略:育成」の位置付けについて
「おさらい」が必要なら、ここをクリック。
(必要なければ、次に進みましょう)

【定義確認】
「成長」とは?
経営者は「メンバーに成長してほしい」と願っています。
でも「成長とは何か?」を共有しておくことが必要です。
そうでないと、その願いは届きません。
あるいは「成長の勘違い」が生じてしまいます。
「成長」を「共通言語」にすることが必要です。
ビジネスの世界では、成長企業、成長戦略、人材の成長支援など、「成長」という言葉をよく使います。
ところが「成長ってナニ?」と聞かれると、意外と上手く答えられないものです。
この「成長」という言葉、人材育成においてメチャクチャ大事なので、改めて「成長の定義」について整理しておきます。
先に結論。
「成長」とは、
「もっと役に立つように進化すること」。
詳しく紹介します。

だから、大して役に立たず、
むしろ悪評だらけの会社は、
どんなに大きくなっても、
それは「成長」ではなく「膨張」ですね。


【目的確認】
「成長」したいか?
私が、社員研修の仕事で「第1回目」で「挨拶代わり」に受講生の皆さんに質問するフレーズ。
「あなたは成長したいですか?」
余程のひねくれ者でない限り、ほとんどの人は「もちろん成長したいです」と答えてくれます。
そこで、続けて質問します。
「では、成長って何ですか?」
すると、みんな
「・・・(モゴモゴ)・・・」
と曇った表情を見せます。
「なぜ、成長したいのですか?」
みんな、さらに困った表情になり
「・・・(モゴモゴ)・・・」。
私は、次の話を続けます。
成長すると「なぜ幸せになれる」のでしょうか?
それは、成長に応じて「幸せ感」が増していくからです。
幸せ感には、次の4つのレベルがあります。
レベル1:関心を持たれる幸せ
何かのアクションを起こした時、誰かがそれに気付いて関心を持ってくれたら、少しだけ幸福感を感じます。
これが最初の「関心を持たれる幸せ」です。
その逆は「誰も気付いてくれない」「気付かないふりをされる」「無視される」という最悪な状態です。
レベル2:認められる幸せ
そのアクションが誰かの役に立つと、その相手はもちろん、その様子を見ていた人もあなたを「やればできるやん!」と認めてくれます。
誰だって、役に立って認められるとうれしいものです。
関心を持ってもらうことに比べて幸せ感が少し増します。
認められるとうれしいので「もっと役に立とう!」と思うようになります。
レベル3:褒められる幸せ
もっと役に立とうと頑張ると、次は「よくやったね!」とか「がんばったね!」と褒めてもらえます。
すると「頑張ってよかったな」とさらに幸せな気持ちになります。
褒められると、益々頑張るようになります。
レベル4:尊敬され感謝される幸せ
お役立ち度がさらに上がると、次は「すごいね!」と尊敬されるレベルに上がり、時には「ありがとう!」と感謝され、さらに幸せを感じます。
もっと役に立とうと思って一生懸命頑張って、関心を持ってもらい、認められ、褒められ、尊敬される——というようにレベルアップしていきます。
これが「幸せ感のレベルアップ」です。
「えらいね~」
↓
「よくできたね~」
↓
「すごいね~」
↓
「ありがとう!」
「お役立ち度」のアップに応じて「幸せ感」がアップしています。
多くの人は幼少時に経験したこのステップが心に刷り込まれているのだと思います。
この幸せ感のレベルアップを経験的に知っているのだと思います。
だから、もっと幸せ感を感じたいから、大人になっても「成長したい」と思うのだと思います。



だから、
私は「幼児教育」において
「お手伝い」をさせて
「褒めて」
「感謝を伝えること」って
メッチャクチャ重要だと思っています。
ちなみに、逆を考えれば背筋が冷たくなります。
「誰かの役に立ちたい」という気持ちが低く、自分ファーストな考え方で、何事もテキトーに済ませていると、誰にも認められず、褒められず、尊敬されることもない日々を送ることになります。
想像しただけで悲しくなります。
こんな気持ちになりたくありません。
繰り返します。
「なぜ、成長したいのか?」
その理由は「もっと幸せになりたいから」です。
【定義共有】
「成長」を共有する
話を「組織戦略」に戻しましょう。
「成長」とは、
「もっと役に立つ存在に進化すること」
この定義を共有することで、各メンバーの「努力の方向」が定まります。
例えば
「英語が好きだから英会話を勉強した」。
少々厳しい言い方にはなりますが・・・
「英会話を修得したことで、海外取引の幅が広がった!」なら「成長したね!」です。
「英会話を修得したことで、字幕なしで映画鑑賞ができるようになった」なら「上達したね!」です。
この「成長の定義」に当てはめて表現すると——
- 「企業の成長」
もっと役に立つ会社に進化すること - 「社員の成長」
もっと役に立つ社員に進化すること - 「経営者の成長」
もっと役に立つ経営者に進化すること
ということになります。
この「成長の定義」を、チーム全員で共有しましょう。
たったこれだけですが、
「もっと役に立つチームに成長しよう!」という、
シンプルですが、とても重要な
「チームの考動の軸」ができます。
【実務指針】
「成長」するためにどうする?
では、成長するためにどうすればいいのか?
どうすれば
「ちょっとだけ役に立ってた人」が
「かなり役に立つ人」に進化できるのか?
その答えは
「もっと役に立つ結果」を出せばいい。
ここで
「結果=考動」のフレームワーク。
結果=考え方×行動
「結果」は、
「考え方」と「行動」で決まります
「もっと役に立つ結果」のために
「もっと役に立つ考え方」と
「もっと役に立つ行動」をすればいい。
「もっと役に立つ考え方」
「もっと役に立つ行動」をするためには
「今の考え方」
「今の行動」の課題を解決すればいい。
もっと役に立つように考える、
もっと役に立つように行動する。
この繰り返しです。
経営者が行う
「成長支援」の「本質」は、
この「繰り返し」のサポートです。
【共有効果】
「成長」をチームで共有する効果
以上の話は・・・



「当たり前やん」
・・・ですよね?
しかし、成長と幸せの関係についてチームのメンバーは認識しているでしょうか?
おそらく、認識できていないと思います。
前述したように、私が社員研修で必ず最初にこの話をするのには理由があります。
この「成長の定義」を先に伝えておくと、研修効果に明らかな差が出たからです。
この「成長の定義」の話をせずに研修を始めると、受講生たちは「知識インプットの時間」と思っています。
しかし、これから勉強することはすべて「幸せ」に繋がっている、ということが分かれば、姿勢や吸収力が変わるのです。
ゲスな言い方ですが「勉強するメリット」が分かるからです。
チームのメンバーに「成長してほしい」と願うなら、まず「成長ってナニ?」をチーム全員で共有することを強くおススメしている理由です。
【自己認識】
手本となっているか?
この話、ひとつだけ「リスク」があります。
レアケースですが、経営者の「言行不一致」。
「役に立つチームとして成長しよう!」と共有したときに、メンバーの反応が悪い時があります。
「社長は、言ってることと、やってることが違う」
この「成長の定義」、
もちろん経営者も例外ではありません。
「もっと役に立つ存在として進化」する
「お手本」でなければなりません。
「成長の定義」を共有するということは、
「社長、それは誰の役に立ってるのですか?」と、
周囲から問われるということにもなります。
もし、心配なら
「私も考動を改めるから、これからは…」と
「前置き」をすることを強くお勧めします。


【要点整理】
「成長」の共有は育成の大前提
さて、どうですか?
「成長の定義」と
「成長を共有する効果」を整理しました。
- 成長したい理由は「幸せになりたいから」
- 成長すると「もっと役に立つ存在に進化する」
- 成長すると「幸せ感」が増していくこと
- 成長するために
「役に立つ考え方」と
「役に立つ行動」を続けること
これをぜひ、チームで共有してください。
「成長の定義」は、
「人材育成」において
「大前提となる本質的な考え方」です。
お役に立ちますように!
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1部:概要編
3部:採用編
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このような理由で「トラブル解決系」や「裏技的な方法」は、一般公開しているこのサイトでは書けません。
「それが聞きたいのに・・・」と、物足りなさを感じられる方も少なくないと思いますが、何卒ご了承ください。
ただ、トラブルや裏技が必要になるときの共通した原因があります。それは、この「組織戦略」を疎かにしてしまったリバウンドであること。念のために書き添えておきます。


