中小企業の人材育成|「成長の定義」を共有する大きな効果

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この記事は、更新時の情報と筆者の考えに基づくものです。


ビジネスの世界では、成長企業、成長戦略、人材の成長支援など、「成長」という言葉をよく使います。

ところが、じゃあ「成長ってナニ?」と聞かれると上手く答えられないものです。

この「成長」という言葉、人材育成においてメチャクチャ大事なので、この記事では「成長の定義」について整理しておきます。

この記事は「中小企業向け人材育成|人が成長する仕組み作りの概要」の補足です。

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あなたは「成長」したいですか?

「あなたは成長したいですか?」

私が社員研修の仕事で「第1回」で受講生の皆さんに最初に質問するフレーズです。

余程の「ひねくれもの」でない限り、ほとんどの人は「もちろん成長したいです」と反応してくれます。

そこで、続けて「では、成長って何ですか?」と質問すると「・・・(モゴモゴ)・・・」と、みんな曇った表情を見せます。

成長したいのは「幸せになりたいから」

人はみんな、なぜ「成長したい」と思うのか?

その答えは「幸せになりたいから」です。

幸せになりたくない人なんていません。みんな幸せになりたいのです。そして、その方法が「成長すること」であると知っています。だから、みんな「成長したい」のです。少なくとも私はそうだし、あなたもそうだと思います。

成長すると幸せ感が増していく

じゃあ、成長するとなぜ幸せになれるのでしょうか?

それは、成長に応じて「幸せ感」が増していくからです。

「幸せ感」のレベルは、次の4段階です。

  • レベル1:関心を持たれる幸せ
  • レベル2:認められる幸せ
  • レベル3:褒められる幸せ
  • レベル4:尊敬され感謝される幸せ

何かのアクションを起こした時、誰かがそれに気付いて、関心を持ってくれたら少しだけ幸福感を感じます。これが最初の幸せ感です。その逆は「誰も気付いてくれない」「気付かないふりをされる」「無視される」という最悪な状態です。

そのアクションが誰かの役に立つと、その相手はもちろんのこと、その様子を見ていた人もあなたを「やればできるやん!」と認めてくれます。誰だって、役に立って認められるとうれしいものです。関心を持ってもらうことに比べて幸せ感が少し増します。これがレベル2の「認められる幸せ」です。

認められるとうれしいので「もっと役に立とう!」と思います。すると、次は「よくやったね!」とか「がんばったね!」と褒めてもらえます。すると「頑張ってよかったな」とさらに幸せな気持ちになります。これがレベル3の「褒められる幸せ」です。

褒められると、益々頑張るようになります。「お役立ち度」がさらに上がるので、次は「すごいね!」と尊敬されるレベルに上がり、時には「ありがとう!」と感謝され、さらに幸せを感じます。これがレベル4の「尊敬され感謝される幸せ」です。

もっと役に立とうと思って、一生懸命頑張って・・・

  1. 関心をもってもらい
  2. 認められ
  3. 褒められ
  4. 尊敬される

・・・というようにレベルアップしていきます。これが「幸せ感のレベルアップ」です。

「えらいね~」「よくできたね~」「すごいね~」「ありがとう!」と、多くは人は、幼少時に心に刷り込まれているので、みんな、この幸せ感を知っているのです。だから、もっと幸せ感を感じたいから、ほとんど本能的に「成長したい」と思うのだと思います。

ちなみに、逆を考えれば背筋が冷たくなります。

「誰かの役に立ちたい」という気持ちが低く、自分ファーストな考え方で、何事もテキトーに済ませていると、誰にも認められず、褒められず、尊敬されることもない日々を送ることになります。

想像しただけで悲しくなります。こんな気持ちになりたくありません。

繰り返します。

なぜ、成長したいのか?」、その理由は「もっと幸せになりたいから」です。

成長の定義:もっと役に立つ存在への進化

こうして考えると「成長とは何か?」がお分かりいただけると思います。

「成長とは、もっと役に立つ存在に進化すること」です。

この定義に照らし合わせると、勉強して新たに何かを覚えただけでは成長とは言えません。勉強して新しく覚えたことによって「もっと役に立つことができた」から成長なのです。

いっぱい練習して歌が上手くなったとしても、それは「上達」しただけで、「成長」したわけではないのです。「上達した歌声」で誰かの役に立って初めて「成長したね」ということになります。

歌が上手になって「自己満足」という意味では幸せかもしれません。しかし、その上手な歌を誰かに聞いてもらって「うまいね~」「すごいね~」「感動した!」と認められ、褒められ、尊敬される幸せに比べれば自己満足なんてチッポケなものです。

つまり、仕事でも趣味でも、誰かの役に立つようにもっと進化することが「成長」なのです。

この「成長の定義」に当てはめて表現すると・・・

  • 「企業の成長」=もっと役に立つ会社に進化すること
  • 「社員の成長」=もっと役に立つ社員に進化すること
  • 「経営者の成長」=もっと役に立つ経営者に進化すること

 ということになります。

成長するために、どうすればいいのか?

じゃあ、成長するためにどうすればいいのか?です。

どうすれば「ちょっとだけ役に立ってた人」が「かなり役に立つ人」に進化できるか?

どうすれば「ちょっと」を「かなり」に「結果」を変えることができるか?

「成長」とは「結果を変える」ということでもあります。

「結果」は「考え方」と「行動」で決まります。

・・・ということは「もっといい結果」を出すには「もっといい考え方」と「もっといい行動」をすればいいということになります。

「もっといい考え方」「もっといい行動」にするためには「今の考え方」「今の行動」の課題を解決するということです。

この理屈をまとめると「もっと役に立つ存在に進化するための課題解決」が「やるべきこと」ということになります。

「成長のために、どうすればいいのか?」

この答えは・・・

「課題を解決すればいい」です。

「課題とは(あるべき姿)と(現状)のギャップ」です。

常に「あるべき姿」を正しく認識し「現状」とのギャップを埋めていく「考え方」と「行動」をしすれば「もっと役に立つ存在」として「成長していく」という理屈です。

(参考記事)【結果=考え方×行動】結果を変える思考のフレームワーク

「成長の定義」をチームで共有する効果

以上の話を「当たり前やん」と思って読んでいただいたかもしれません。しかし、あなたの会社のメンバーと成長と幸せの関係について共有は出来ていないと思います。

前述したように、社員研修で私が必ず最初にこの話をするのには理由があります。

この「成長の定義」を先に伝えておくと研修効果に明らかな差がでるからです。

これから勉強することはすべて「幸せ」に繋がっている、ということを理解・納得しているので、吸収力が変わるのです。

まとめ

さて、どうですか?「成長の定義」と、「成長を共有する効果」を整理しました。

関連記事も含め参考にしてみてください。

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以上、お役に立ちますように!