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04:経営計画の実務|上手に運用する「コツ」

2026 1/03
2025年11月29日2026年1月3日
H.HORII

「経営計画」は、「人生計画」の一部、また、前提。

「経営計画」の運用の優劣は、経営者の「人生の優劣」に直結しています。

その意味で「おろそか」にするわけにはいきません。

今回は、せっかく作った「経営計画」がムダにならないよう、「効果的な運用方法」について整理します。

「10人~200人規模の中小企業経営者」の「自己投資=経営脳トレーニングのサポート」を目的に、「もっといい会社」に成長するヒントを日々更新しています。
40年近く税理士として中小企業経営を支援し、経営計画や管理会計、組織作りを専門とするマネジメントコーチ・堀井弘三が、その現場で得た豊富な経験と知識に基づき執筆しています。
初めてアクセスしていただいた方は、「このWEBサイトについて」をまずご覧ください。

INDEX

【課題共有】
経営計画は「誰のもの?」

私は、税理士時代からも含め、長い間、多くの中小企業で経営計画のサポートをしてきました。

そこでよく見かけたのは「社長のための経営計画」。

もう少し丁寧に言えば「社長のためだけの経営計画」という残念な状態。

チームの他のメンバーにとっては、せいぜい「与えられた売上目標」程度の受け止め方で「当事者意識」がとても低い。

当の経営者も、そんな冷めた社内で呼応して?冷めていく・・・フェードアウト。

ついには「経営計画は作っても意味がない」という始末。

私に言わせれば「社長、すねてんのん?」です。

なぜ、こうなってしまうのか・・・。

その課題の原因と解決策を整理します。

【原因解明】
経営計画が盛り上がらない理由

経営計画が「社長のためだけ」のものになってしまう原因は、いわば「当然の理由」です。

他のメンバーにメリットがない

  • 「売上前年比130%を目指す!」
  • 「拠点を3か所増設!」
  • 「キャッシュフロー改善!」

よくある「目標共有」です。

客観的に見ればお察しだと思いますが、「だからどうやねん?」。

チームのメンバーにとって、これらの目標が「魅力的か?」です。

それぞれが、メンバーにとっても「望むところ!」ってことであれば、「エイエイお~っ!」って盛り上がるでしょう。

でも、この目標設定をして、自分たちにどんな恩恵、メリットがあるのか?と思ってしまうと、なかなか盛り上がることができません。

「社長、盛り上がってるね・・・」と冷めた目で見られる原因のひとつであり、もっとも多い「症状」です。

心当たりはありますか?

大義名分がない

  • 「売上前年比130%を目指す!」→「もっとお客様に喜んでもらおう!」
  • 「拠点を3か所増設!」→「もっと遠くのお客様にも届けよう!」
  • 「キャッシュフロー改善!」→「もっと待遇をよくしよう!」

もし、少なくとも、このような「大義」がセットであれば、意気に感じるメンバーもいるかもしれません。

優秀な人材ほど、待遇だけではなく「やりがい」を求めている傾向があります。

「なぜ、この仕事をしているのか?」

「がんばる理由」が必要なのですね。

「経営計画」に、その意義、大義名分、社会貢献などが伝わるように言語化、可視化されてれば、彼ら彼女らの意識も変わるはずです。

中小企業の多くは、経営者も社員たちも「同じ屋根の下で人生の多くを共にする仲間」です。

その「気持ち」に寄り添った「経営計画」になっていないことも、よくある「症状」です。

成果分配のあいまいさ

次は「生々しい話」かもしれません。

でも、メンバーにとってはとても重要な話。

クドイ話は避けますが「経営計画を達成、実現すれば、分け前はどうなん?」です。

実務的には「業績連動型賞与」の制度がもっとも多い仕組です。

「達成したら、ボーナス弾むよ!」という約束とは次元が違います。

経営計画と成果の分かち合いが「制度・仕組」として連動していることは、とても重要です。

リリースの方法がまずい

経営計画のリリースの方法がまずいことが原因ということも少なくありません。

結論は「肝いりの経営計画」なのであれば「経営計画発表会」のような「イベント化」すること、です。

ましてや「印刷して、配布して読んでおいてね!」・・・なんてありえない。

自ら「大したもんじゃないけど」と言ってるのと同じです。

「経営計画」は「たいしたもん」なんです。

もし、「たいしたもん」でないなら、そもそも「作り直し」です。

【課題解決】
経営計画が盛り上がる方法

以上、「盛り上がらない理由」を整理しましたが、その解決策「盛り上がる方法」は、真逆をしればいい、というシンプルな話です。

クドイ話はいらないと思うのでリストだけしておきます。

  • 経営計画に、チームメンバーにとってのメリットを表現する
  • 経営計画には「やりがい」を感じる「大義名分」が必要
  • 経営計画と「業績分配」の制度、仕組みを連動させる
  • 経営計画発表会を社内イベントとして開催する

【経営会議】
経営計画を当たり前にする

「盛り上がった経営計画」を「盛り上がったまま持続する」ための基本は「定例会議」です。

関連者と進捗状況を共有するため「月例経営会議」について、付け加えておきます。

厳しい重要会議として

「月例経営会議」は、営業、開発、製造、管理など「部門別開催」も一考ですが、私は「一堂に会する」ことを提案しています。

その理由は、比較的小さなチームである中小企業においては「横連携」がとても大切だからです。

他部門の事情や状況を把握し、相互理解を深めるための絶好の機会です。

なお、「月例経営会議」は、次のように厳しめで運用することをおススメします。

  • 「経営会議」は、ほかのどの仕事より「最優先事項」
  • 開催日時は、あらかじめ1年分を固定
  • 遅刻厳禁。全員揃うまでスタートしない。
  • 欠席厳禁。欠席者が出るときは、中止して、全員が揃う日に延期。


「え?」と思われましたか?

「やりすぎ!」と思われるかもしれません。

ここまで、厳格に運用する理由は「経営計画の重み」を継続するためです。

  • 得意先行くので欠席します!
  • その日は有休をもらっているので!
  • 電車が遅れて30分遅刻します、先に始めてください!
  • あれ、今日は出席者が少ないね…

私に言わせれば「なめとんのか!」です。

いや・・・「なめられるような運用」が悪いのです。

「得意先の面談より」「有休も取れないくらい」「遅れると全員に迷惑がかかる」「え?中止・・・」

これくらいで「ちょうど」です。

もちろん、私も、悩んだことがあります。

「あまりにも昭和的かな?」

でも「重要会議が軽視される企業風土」は、他の面にも波及します。

結果として「ゆるい風土」になり、経営者は「社員のやる気を高めるにはどうしたらいい?」という「別の相談」を持ちかけてきます。

その原因は「ゆるい会議」にある、ということが多々あります。

「やりすぎではない」と思います。

せっかくの「経営計画書」をカルチャー(企業文化)として根付かせるためにとても重要です。

PDCAを回しまくる場

「月例経営会議」の目的は「PDCA」を回すことです。

「現象共有会議」ではありません。

「課題解決会議」でなければもったいない。

「現象共有会議」のお決まりのフレーズは・・・
「売上が予算比90%でした+来月は気合でがんばります!」。

「課題解決会議」であれば・・・
「予算未達の原因は***です」
「この解決のために***を考えています」

「計画」を「実行」して「評価」して「改善」する。

「改善」を「実行」して「また評価」して「また改善」する。

このグルグル回す会議によって、チームは成長し、経営力が強化される、という理屈です。

このPDCAのための会議であることを忘れないようにしましょう。

【補足事項】
経営計画と人事

最後に、簡単に「経営計画と人事」について、要点だけ触れておきます。

詳細は「組織戦略カテゴリの記事」を参考にしてください。

経営者が掲げる理念や目的、目標、つまり「経営計画」に賛同し、共に実行してくれた仲間に報いる仕組みを忘れてはなりません。

そのためのツールが「人事評価」と「業績連動型賞与」。

経営計画に対する貢献度が「人事評価」に反映されるという「連動性」がとても重要です。

  • 経営計画の実行に必要なスキルを「評価基準」で明示
    ↓
  • 各メンバーが「必要なスキル」を理解
    ↓
  • スキルが上がる
    ↓
  • 経営計画への貢献が高まる
    ↓
  • 貢献を公正に評価する
    ↓
  • 成果分配が増える

このロジックによると「人材育成」と「業績分配」は「経営計画の実行力を上げるためのトレーニングである」と定義することができます。

人材育成や人事評価、そして「業績分配」も「経営計画が起点」なのです。

【要点確認】
できないならやらない

さて、どうでしょう?

「経営計画の運用」について、整理しました。

「なるほど~」と思いましたか?

それとも・・・

「大変やな~」と思いましたか?

少々厳しい言い方になりますが・・・。

「中途半端な経営計画はリスク」

「やるなら、ちゃんとやる」

「できないなら、やらない」

この2択です。

なぜなら、「経営計画」を中途半端に運用すると、

  • 「社長、毎年この季節だけ盛り上がってるね」
  • 「どうせ、すぐにフェードアウトでしょ」
  • 「目標達成しようがしまいが、自分たちに関係ないもんね」
  • 「え~、これ以上、忙しくなるのん?」

どんどん、経営者の「支持率・求心力」は低下していきます。

リーダー評価がこうでは、もはや「チーム」では、なくなります。

もう一度、念を押しておきます。

「やるなら、ちゃんとやる!」。

これが、最もシンプルな「経営計画のコツ」です。

【関連記事】
中小企業の経営計画実践ガイド

  • 01:経営計画の本質|経営者の「人生計画」
  • 02:経営計画の本質|幸せな引退のための「10年計画」
  • 03:経営計画の基礎|36ヶ月計画の「6ステップ」
  • 04:経営計画の実務|上手に運用する「コツ」
  • 05:経営計画の種類|成長段階別「7つのパターン」
  • 06:経営計画の工夫|長いなら「四半期」で区切る
  • 07:経営計画の良否|良い計画は「ゴール=目標」が秀逸
  • 08:経営計画の失敗|質が伴わない量的拡大プラン
  • 09:経営計画の盲点|売上は目標利益から逆算する
  • 10:経営計画の効果|「強い気持ち」で収益力強化
  • 11:経営計画の目標|利益の目標設定「6パターン」
  • 12:経営計画の目標|賞与から利益を逆算するシン視点
  • 13:経営計画の目標|「定量」と「定性」の複眼視点
  • 14:経営計画と組織|「最高のチーム」という目標設定
  • 15:経営計画の盲点|「生涯収入」の見込みと目標設定
中小企業の経営計画
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この記事を書いた人

H.HORIIのアバター H.HORII

「もっといい会社」にするためには「もっといい経営者」になればええねん!が口ぐせ。
「経営脳:5つのレイヤー」で体系化した独自のマネジメントメソッドで、10名~200名規模の中小企業経営者を「リセット・コーチング」。
専門は「36カ月の経営計画」「管理会計」「チームビルディング・人事評価・業績連動型賞与制度」。
1999年に創業した自身の税理士事務所を2022年に事業承継し、現在はコーチ専業。
このサイト「Re!」はライフワーク。
「経営者のための思考のインフラ」としてお役に立てるように日々更新。

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