この記事は、更新時の情報と筆者の考えに基づくものです。約 8 分で読めます。

おはようございます!
今日は、2025年第11週の土曜日。
順調に経営してますか?
さて、今週は、「人材育成」の重要視点について整理します。
あなたは「現場に手を取られて、経営者としての仕事が手薄になってる」と感じることはありませんか?
もう少し、社員たちの手が離れればなあ・・・と。
でも、実は「手が離せない」のではなく「手を離してない」のでは?
そんな視点で「自走するチーム作り」を考えてみます。
チームが自ら考えて行動するようになると、経営者はもっと経営に専念できるはずです。
この記事は「中小企業向け人材育成|人が成長する仕組み作りの概要」の補足です。
このブログでは「10人~100人規模の中小企業経営者」の方々に向けて「経営脳の自主トレサポート」を目的に、「もっといい会社」にするためのヒントを発信しています。
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【課題確認】
過ぎると社員は考えなくなる
「指示待ち社員が多い・・・」
「自分で考えて動かない・・・」
こんな悩みを打ち明けてくれる経営者は少なくありません。
その原因は社員・メンバーの能力不足でしょうか?
本当に 「できない人たち」 なのでしょうか?
必ずしもそうとは言えないと思います。
実は「できる人たち」なのかもしれません。
あなたや、リーダーたちが「指示し過ぎること」や「教え過ぎること」が原因かもしれません。
上位ポジションの人たちからの指示命令が多いと、それに従った方が摩擦が少なくていいからです。
社員・メンバーは 「指示を待つ方がラク」 になってしまいます。
怖いのは、それが企業風土になってしまうことです。
- 「上の言うことを聞いておけばいい」
- 「失敗しても上の人の責任だ」
- 「意見してもゴキゲンを損ねるだけだ」
このような企業風土が定着すると、社員・メンバーたちは「自ら考える機会」が無くなってしまいます。
さらに症状が進むと「自ら考える必要」が無くなります。
「自ら考えない人」は、成長が止まります。
- 成長しなくても、言われたことだけやればいいから・・・
- 必要なことは教えてもらえるから・・・
もともとは、そんな人材ではないかもしれません。
そんな人材にしてしまっているかもしれません。
さて、心当たりはありますか?
【重要視点】
育てたいなら「し過ぎない」
日常業務において、指示も必要だし、教えることも必要。
いちいち社員・メンバーが考えることを待ってられない。
そんな余裕があるはずがない。。。
短期的は、その通りだと思います。
しかし、中長期視点で考えたらどうでしょうか?
おそらく、多くの経営者と同じようにグチが出てくると思います。
「いつまでたっても・・・」
本稿の主旨は「指示しない」「教えない」という話ではありません。
大切なのは「し過ぎないこと」です。
「細かく指示しすぎ」「細かく教えすぎ」をなるべく避けようという提案です。
「し過ぎ」は、成長のチャンスを奪います。
社員・メンバーが「自ら考える機会」を奪ってしまうからです。
「この案件、どう進めたらいいですか?」と聞いてきたとき。
つい「あ~して、こ~して、あとは~して・・・」と教えたくなりますが、そこをグッとこらえる。
だからといって「それくらい自分で考えろ!」では、台無しです。
ここで大切なのは「効果的な問いかけ」をすること。
社員・メンバーが自ら考えれるような「効果」を狙います。
具体的には、次のフレームワークがオススメです。
【実践実務】
問いかけフレームワーク
社員・メンバーが「自ら考えさせる」といってもムリがありますよね。
「白紙のキャンパス」では「何を描けばいいかわからない」と戸惑うはずです。
そこで「考えるガイドライン」を示してあげましょう。
ガイドラインを示すことで「大きな脱線」をすることなく、考えを進めることができます。
そのステップは4つ。
- STEP1:WHAT
- STEP2:WHY
- STEP3:HOW
- STEP4:IF&THEN
それぞれのステップの具体的なフレーズは次のとおりです。
STEP 1:WHAT:現状を問う
まずは、現状を正しく言語化できるようにサポートします。
コミュニケーションのトラブルは、この「現状認識のズレ」が少なくありません。
下記のような問いかけで「現状認識」させると同時に「現状共有」をします。
- 「今、何が一番の課題だと思う?」
- 「どの部分でつまずいている?」
- 「ゴールに対して、今どんな状況?」
思考力の前提である言語化をトレーニングしましょう。
STEP 2:WHY:原因を問う
次に、「なぜそうなっているのか?」を考えるサポートをします。
- 「なぜ、うまくいかないと思う?」
- 「その問題の本当の原因は何?」
- 「本来、どうあるべきだと思う?」
表面的な「現象」で分かった気になってる人には、特に「原因」を考えるサポートを多くしましょう。
下記のようなケースをよく見かけます。
「売上が下がってることが問題だと思います。」
「売上が下がっている原因は何だと思う?」
「来客数が減っているからだと思います。」
「なぜ、来客数が減ったと思う?」
「・・・」
このステップでは、伝統的なフレームワーク「なぜ?なぜ?」の繰り返しが効果的です。
あなたがつかんでいる「本当の原因」にたどり着くまで、根気よく「なぜ」を繰り返しましょう。
深い思考力を養うことに効果的です。
STEP 3:HOW:どうするか問う
現状認識と、その原因を共有できれば、次は「解決策」です。
社員・メンバーが自ら答えを見つけられるようにサポートしましょう。
- 「どうすれば、この課題を解決できる?」
- 「もし、制約がなかったらどうする?」
- 「もっと良いやり方はある?」
ポイントは、代替案を考えさせること。
ひとつの答えで終わらず、複数の選択肢を出せるようにサポートすると、幅の広い思考力を養うことができます。
STEP 4:IF / THEN:行動を問う
解決策まで言語化し、共有できれば、実行あるのみです。
- 「君は、まず何から始める?」
- 「この方法で本当にうまくいく?」
- 「もしこの方法がダメだったら、次にどうする?」
「ダメだった場合の次の一手」も考えることで、柔軟な思考力を養うことに効果的です。
【企業文化】
自走するチームカルチャー
さて、どうですか?
「こんなの、個々にやってれば、時間がいくらあっても足りないよ!」
そんな声が聞こえてきそうです。
そのための解決策が「カルチャー(企業文化)にしてしまう」です。
「し過ぎないコミュニケーション」を当たり前にしてしまいましょう。
日常のちょっとした意識と工夫で「自走するチーム作り」ができるはずです。
会議やミーティングは「問い」から始める
参加者は上位者の指示や命令を聞くだけ。
上位者は、参加者から報告を受けるだけ。
そんな会議やミーティングになっていませんか?
これでは、考える機会が生まれません。
指示・命令してもいいのです。
でも、そこで「なぜ、私はこんな指示命令をしていると思う?」と参加者に問いかけてみる。
また、報告も受けなければなりません。
でも、そこで、その報告の現象について「なぜ、そうなったんだろう?」と問いかけてみる。
いつもの指示命令、報告にもう一言「問いかけを付け加える」だけで変わるはずです。
失敗は「再発防止策」をセットにする
仕事に失敗はつきものです。
でも、その失敗を活かすも殺すも「問いかけ」次第です。
「申し訳ありません!」
「次から気を付けろよ!」
「はいっ!」
これでは「学び」はありません。
私は、よく「謝罪は要らないから、再発防止策を持っておいで」と部下に言ってました。
「同じ失敗を繰り返さないためにどうすればいいか?」と考えさせたかったからです。
これは効果てきめんです。
ただ、一点だけ注意。
「すいません!失敗しました!再発防止策は明日報告します!」
まずトラブルが発生したことはスピーディーに報告。
しかし、謝罪だけでなく「再発防止策が必要なのは分かってます!」というアピールです。
これができるように伝えておかないと「再発防止策が出来るまでトラブル報告が遅れる」という笑えないことが起きます。
失敗と再発防止策はセットですが「同時」である必要はありません。
ポイントは「謝罪だけで終わらず、再発防止策を考えるきっかけを作ること」です。
「答えを言わない」のを当たり前にする
チームワークにおいて「報連相」はとても大切です。
報告・連絡・相談のいずれにも「考えること」が大切ですが、その中でも特に「相談」。
「どうすればいいでしょう?」という丸投げ相談には即答しない。
これは、上司部下の関係でなく、同僚間のコミュニケーションにおいても必要です。
「自分では考えず、安易に他人に答えを求める」ことに「違和感がある」というカルチャーです。
とはいえ、どれだけ考えても、自分では答えが出ないことがあります。
そんなときも「自分では、ここまで考えたけど、行き詰った」というコミュニケーションが必要です。
上位者から率先して意識しましょう。
【要点整理】
経営者は経営に専念できる
さて、どうですか?
結論は「育てたいなら、考えさせろ」です。
- 過ぎると社員・メンバーたちは考えなくなる
- 育てたいなら教えすぎない、指示し過ぎない
- 問いのフレームワーク(WHAT → WHY → HOW → IF)で「考えること」を促す
- 「自分で考えるカルチャー」を作る
「自ら考える社員」が増えれば、会社は自走できるチームになります。
課題解決や目標設定について、指示命令がなくても、メンバーが自主的に考え、動くチーム。
すべての中小企業経営者が望む状況だと思います。
この最大のメリットは「経営者が、本来の経営に専念できること」です。
「もっといい会社」にならないわけがありません。
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