
おはようございます!
さて、今週は少々シビアな話、「自責」です。
「自責」は単に「責任を取る」という話ではありません。
何事も自分起点で捉え、反省と改善を積み重ねていく姿勢のことです。
本稿の結論は「経営者の自責考動が、会社の成長を加速させる」です。
「自責力の強化」「自責考動の習慣化」のきっかけにしてください。
「10人~100人規模の中小企業経営者」の方々に向けた「自己投資=経営脳トレーニングのサポート」を目的に、「もっといい会社」に成長するヒントを毎週発信しています。
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【現状確認】
意外と多い他責の日常
唐突ですが・・・カップ焼きそばを作っているとき、湯切りの際に麺をシンクにぶちまけた経験ありますか?
今やメーカーの企業努力の結果、そんな悲劇はほとんどなくなりましたが、私の若い頃は「あるある」でした。
落ちた麺を救出しようとして、ちょっとしたヤケドまでしてしまいます。
一食をムダにした上に満たされない空腹感も手伝って…
「なんじゃ!この容器は!すぐに麺が落ちるやん!」とブチギレ!
湯切りがヘタクソな自分を棚に上げての典型的な「他責」です。
「他責」のままにしておくと、反省も改善も無いので再発・・・「またや!」。
もし、少しでも「自分が悪い=自責」の視点があれば、次のような改善行動につながっていたはずです。
- あらかじめザルを用意し、その上で湯切りする
- 力任せではなく、優しく傾けて湯切りする
- カップを直角ではなく、最適な角度を調整する
実は、こういった「他責による不都合の再発」は日常にあふれています。
特に、冷静さを欠いているとき、瞬間的に他責にしがちです。
心当たりはありますか?
1食をムダにし、ヤケドまでして、おまけに空腹が満たされないという散々な状況…。
自業自得を受け入れる心の余裕などありません。
同情の余地はあるものの、「自責の考動習慣」のない人の「あるある」です。
「自責の考動習慣」のある人なら、そのブチギレは自分に向きます。
麺が落ちた瞬間に「また、やらかした!なんて自分はヘタクソなのか!」と。
(関連記事)冷静な経営者:多少のことでは動じない泰然自若のチカラ
【定義確認】
自責とは自分起点の考動習慣
「自責」とは「何事も自分起点で捉え、成長のきっかけにする思考」のことです。
つまり、
- 結果と自分の考動を関連付ける
- 良いことは、再現性を高めるために考動を変える
- 悪いことは、再発防止のために考動を変える
逆に 「他責」 とは?
- 特に、不都合は、他者や環境に関連付ける
- 改善を他者に求める
要は 「他人のせい」 です。
どちらがいいか、言うまでもないでしょう。
ただ、ここでいう「自責」は、「責任を取って辞めます」のような「罰を受ける」といった意味ではありません。
あくまでも「自分起点の思考習慣」のことです。
【自責効果】
会社と経営者の成長が加速する
「自責の効果」は、「成長の加速」に表れます。
「自責考動」が習慣化すると、自分の「考え方」や「行動」が、どのよう結果につながったのか、その因果関係がより鮮明に見えてきます。
たとえば、望まない結果に直面した時、次のような問いが自然と浮かびます。
- 「自分のどんな考え方が、この悪い結果を招いたのか?」
- 「自分のどんな行動が、この悪い結果につながったのか?」
この振り返りを通じて、良い結果を得るために
「自分の考え方をどう変えればいいか?」
「自分の行動をどう変えればいいか?」
「自分はどのように変わればいいか?」が見えてきます。
自分起点での反省と改善を積み重ねることによって、「もっといい結果」に近づくことができます。
つまり、「自責考動の習慣化」によって、会社も経営者自身もその成長が加速するのです。
重要なのは「習慣」であり、一時の感情的、一過性の反省とは本質的に違います。
(関連記事)フレームワーク|結果=考え方×行動|もっとよくなる思考習慣
【事例確認】よくある他責リスト
私はマネジメントコーチとして、これまで多くの中小企業経営者に接してきました。
それ以前の税理士時代の経験も含めて、「それ、他責では?」と感じたエピソードをリストにまとめておきます。
中小企業における不都合が改善や解決に向かわない本質的な原因は「経営者が他責にしているから」がほとんどです。
「自責なら、どう考えればいいのか?」については、すでによくお分かりだと思うのであえて書きません。
売上不振を他責にする
- 「景気が悪すぎるのが原因だ」
- 「競合が強すぎるのが原因だ」
- 「顧客の値下げ要求が強すぎるからだ」
モチベーションを他責にする
- 「うちの社員の責任感が希薄だからだ」
- 「指示待ち人間ばかりで、主体性が足りないからだ」
人手不足や定着率低下を他責にする
- 「大手が優秀な人材を吸い上げてるからだ」
- 「世の中の優秀な人材が少なくなったからだ」
- 「最近の若者は我慢ができないからだ」
部門間の連携不足を他責にする
- 「バックオフィス部門は、協力的でない」
- 「部門間の意思疎通が下手だから」
- 「うちの社員は情報共有の意識が弱い」
- 「部門間で仲が悪いから仕方ない」
クレームを他責にする
- 「顧客の期待が高すぎるからだ」
- 「最近の値上げに応じてくれない」
- 「細かいことにうるさくて困る」
業務効率を他責にする
- 「うちの社員は集中力が足りない」
- 「言われた通り動かない」
- 「みんなもっとテキパキ動けばいいのに」
コストアップの影響を他責にする
- 「材料費が上がっているから減益は仕方がない」
- 「仕入先が値下げに応じてくれない」
- 「人件費が高騰してるから利益が出ない」
意思決定の悪さを他責にする
- 「意見を言わないので決められない」
- 「報告が少ないので判断が難しい」
- 「報告が遅いから意思決定に時間がかかる」
カルチャーを他責にする
- 「社員が変化を嫌がり、改革に抵抗する」
- 「古株が改革の障害になっている」
- 「幹部が意識を変えないと、改革はうまくいかない」
【企業文化】
自責のチームを作る自責
最後に、シンプルに伝えておきます。
この話「るいとも(類友)」です。
「他責」は「他責」を引き寄せます。
それは、「自分は悪くない」と考える人たちの集団となり、そこには常に「いざこざ」があります。
反対に、「自責」は「自責」を引き寄せます。
経営者が「自責考動」を習慣化していれば、それは日常の言動や態度に表れます。
その結果、共鳴する人たちが集まります。
さらに、周囲の人たちも影響されて「自責考動」が強くなっていくものです。
目の前の不都合を「自分事」として捉え、必要な反省と改善を繰り返すメンバー。
このような人たちで構成されるチームのパフォーマンスの高さは想像に難くないと思います。
まずは、「自責のチーム作り」を「自責」で考えることからです。
そうすれば、おのずと「自責のリーダー」であることの必要性と重要性を感じることができると思います。
これが、「自責考動」が会社の成長を加速させる理由の大切なひとつです。
(関連記事)チームのパフォーマンスを高めるための成長カルチャー創り
【要点整理】
自責考動が会社を成長させる
さて、どうですか?「経営者の自責考動」について整理しました。
(関連記事)
「自責思考」は、経営脳を整える際にも前提条件となるものです。
こちらの記事では、自責力が弱いと「5つのレイヤー」の効果が得られないことについて、詳しく解説しています。
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