経営が順調な時「誰」のおかげ?
経営が不調な時「誰」のせい?
真っ先に思い浮かぶのは「誰」?
たったこれだけで分かる成長の可能性。
今回は「経営者の自責」について整理します。
「自責」とは
「責任を取る」という意味ではありません。
不都合や失敗をきっかけに
自分をアップデートしていく考動習慣のこと。
「自責考動」は、成長が速い経営者の共通点です。
「自己投資」の参考にしてみてください。
【現状確認】
意外と多い他責の日常
唐突ですが・・・
カップ焼きそばの湯切りの際に、麺をシンクにぶちまけた経験ありますか?
最近は、メーカー努力の結果、そんな悲劇はほとんどなくなりましたが、私の若い頃は「あるある」でした。
落ちた麺を救出しようとして、ちょっとしたヤケドまでしてしまいます。
一食をムダにした上に、空腹感も手伝って…
「なんじゃ!この容器は!
すぐに麺が落ちるやん!」とブチギレ!
湯切りがヘタクソな自分を棚に上げての典型的な「他責」です。
「他責」のままにしておくと、
「反省も改善」も無いので再発…
「またやっ!」
もし、少しでも
「自分が悪い=自責」の視点があれば…
- あらかじめザルを用意し、その上で湯切りする
- 力任せではなく、優しく傾けて湯切りする
- カップを直角ではなく、最適な角度を調整する
「相手のせい」にせず「自分を変える」。
こういった「他責による不都合の再発」は日常にあふれています。
特に、冷静さを欠いているとき、瞬間的に他責にしがちです。

「なんで、彼女は、オレの誕生日を忘れるんや!」
「なんで、彼女は、オレの良さを分かってくれないんや!」
よく「モテナイ自分」を棚に上げたもんです💦
さて、心当たりはありますか?
【定義確認】
自責とは自分起点の考動習慣
「自責」は
「自分が責任を取る」ではなく、
「自分に責任がある」という意味です。
「自責考動」を習慣化している経営者は
「こうなったのは、自分の考動の結果だ」と
「自分起点で捉え、成長のきっかけ」にします。



もっと、モテル自分になろう!
つまり
「結果」と「自分の考動」を関連付けるクセ。
- 良いことは、
再現性や持続性をもっと高めるために考動を変える - 悪いことも、
再発防止のために考動を変える
逆に
「他責考動」が習慣化されている経営者は、
「他者や環境」に関連付けるクセがあります。
要は「他人のせいにするクセ」です。
どちらがいいか、言うまでもないでしょう。


【重要前提】
課題や不都合に気付くこと
「自責考動」には「前提」があります。
それは「課題認識」のチカラです。
そもそも「不都合が生じていること」に気付かなければ自責も他責もへったくれもありません。



「誕生日をたまたま忘れただけや」
「ホンマはオレのこと好きなはずや」
不都合が生じるのは
「解決すべき課題」があるからです。
たとえば・・・
「社員がすぐ辞める」という不都合が生じていても
「中小企業ってそんなもんやろ」
「しゃーない」
・・・と課題認識ができなければ
どれだけ
「自責考動」の習慣を持っていても
「宝の持ち腐れ」。



ちなみに、
不都合を見て見ぬふりをする
「失敗を認めないひと」は論外ですw
【傾聴姿勢】
「自責の耳」と「他責の耳」
「自責の人」と「他責の人」。
長年マネジメントコーチをしていると、
この両者の違いは「聞く耳」でよくわかります。
「自責」が強い経営者は「自分が変われば結果が変わること」をよく知っているので、多少の苦言でも素直に耳を傾けてくれます。
だから、私もそのような経営者と話していると「やりがい」を感じるので、安心して「ズバズバ」と言えます。
「他責」が強い経営者は「自分は悪くない」と考えていることが多いので、ちょっとした苦言でも、イヤな顔をします。
だから、私は「やりがい」を失い、だんだん「耳障りのいいこと」しか言わなくなります。
でも、それは双方にとって良くない。
だから、ラストチャンスの際には「他責の耳」を突き抜けんばかりに、ズバ~っと「耳に痛いこと」をぶち込みますが、その多くは気分を害して終了。
契約は更新せず、おしまい。
もったいないな、と思います。どっちも。



もう時効なので
「タネ明かし」をします。
コーチング依頼があったとき。
「育て方を教えてほしい」という依頼ならすぐに商談成立でしたが、
「社員を育ててほしい」という依頼の場合は「どうしよ?」と内心警戒してました。
「自責の人」は
「自分を変えるための情報」を聴くための
「自責の耳」を持っています。
「他責の人」は
「相手を変えるための情報」を聴くための
「他責の耳」を持っています。
短期的には「他責の耳」で、その場しのぎをすることも「経営の現実」なので否定はしません。
でも、それで、
他人は変わっても、
自分は変わりません。
中長期的に考えれば「自責の耳」を持って、経営者自身がもっと成長する方が「お得」であることは言うまでもないでしょう。


【自責効果】
会社と経営者の成長が加速する
「自責の効果」は「成長のスピード」に表れます。
「自責考動」が習慣化すると、自分の「考え方」や「行動」がどのような結果につながったのか、その因果関係がより鮮明に見えてきます。
「自分のどんな考え方が、
この結果を招いたのか?」
「自分のどんな行動が、
この結果につながったのか?」
「自分の考え方・行動に
改善点はないだろうか?」
自分起点での反省と改善を積み重ねることによって
「もっといい考え方」に整い、
「もっといい行動」に変化し、
「もっといい結果」を得ることができます。
重要なのは「習慣」。
一時の意識的な反省とは本質的に違います。
「もっといい結果」は、
「もっといい経営者」に成長したからであり、
「もっといい会社」の成長に欠かせません。
「他責」にして、遠回りすることと比較すれば
「自責」のスピード感は、大違いです。


【自己内観】
自責考動のチェックリスト
さらに理解を深めるために、自責と他責を比較してみます。
心当たりがないか?確認してみてください。
- 学びの機会
- 自責:成功や失敗から多くを学ぶ
- 他責:経験がムダになり、学びの機会を逃す
- 求める変化
- 自責:「自分」を変えようとする
- 他責:「相手」を変えようとする
- 口ぐせ
- 自責:「どうすれば、貸してもらえるか?」
- 他責:「なぜ、貸してくれないのか?」
- コミュニケーション
- 自責:「どうすれば、伝わるだろう?」
- 他責:「なぜ、理解できないのだろう?」
- フレームワーク
- 自責:「どうすれば、活用できるか?」
- 他責:「なぜ、役に立たないのか?」
さて「自責」と「他責」の違いの解像度は高くなりましたか?
タタミかけるようですが、私のコーチング経験を振り返って「他責フレーズ集」も追記しておきます。
興味があれば、ここをクリックして読んでみてください。
- 売上不振を他責にする
- 「景気が悪すぎるのが原因だ」
- 「競合が強すぎるのが原因だ」
- 「顧客の値下げ要求が強すぎる」
- モチベーションを他責にする
- 「うちの社員の責任感が希薄だ」
- 「指示待ち人間が多い」
- 「主体性が足りない」
- 人手不足や定着率低下を他責にする
- 「大手が優秀な人材を吸い上げるから」
- 「世の中に優秀な人材が少ないから」
- 「最近の若者は我慢ができないから」
- 部門間の連携不足を他責にする
- 「バックオフィス部門は協力的でない」
- 「部門間の意思疎通が下手だから」
- 「うちの社員は情報共有の意識が弱い」
- 「部門間で仲が悪いから仕方ない」
- クレームを他責にする
- 「顧客の期待が高すぎるからだ」
- 「最近の値上げに応じてくれない」
- 「細かいことにうるさくて困る」
- 業務効率を他責にする
- 「うちの社員は集中力が足りない」
- 「言われた通り動かない」
- 「テキパキ動かない」
- コストアップの影響を他責にする
- 「材料費が上がるから仕方がない」
- 「仕入先が値下げに応じてくれない」
- 「人件費が高騰してるから儲からない」
- 意思決定の悪さを他責にする
- 「意見を言わないので決められない」
- 「報告が少ないので判断が難しい」
- 「報告が遅く意思決定に時間がかかる」
- カルチャーを他責にする
- 「社員が変化を嫌がり改革に抵抗する」
- 「古株が改革の障害になっている」
- 「幹部が意識を変えないからムリ」
【企業文化】
自責のチームを作る自責
続けて「チーム・カルチャーへの影響」も整理しておきます。
この話「るいとも(類友)」です。
「他責」は「他責」を引き寄せます。
「自分は悪くない」と考える人たちの集団となり、そこには常に「いざこざ」があります。
反対に
「自責」は「自責」を引き寄せます。
経営者が「自責考動」を習慣化していれば、それが日常の言動や態度に表れます。
その結果、共鳴する人たちが集まります。
さらに、その周囲の人たちも影響されて
「自責考動」がだんだん強くなっていくものです。
目の前の不都合を「自分事」として捉え、必要な反省と改善を繰り返すメンバーたち。
このような人たちで構成されるチームのパフォーマンスの高さは想像に難くないと思います。
まずは「自責のチーム作り」を「自責」で考えることからです。
そうすれば、おのずと「自責のリーダー」であることの必要性と重要性を感じることができると思います。
「自責のカルチャー」。
たったこれだけでも「競争力」が増します。
なぜなら「自責のカルチャー」を持っている中小企業はまだ少数派だからです。
「善は急げ!」ですね。


【自爆考動】
勘違いするとエライことになる
次に「注意点」も書き添えておきます。
「自責考動」は、勘違いすると
「自爆考動」になってしまいます。
上述もしたように、
「自責」は
「自分が悪いんだ」
「自分が責任さえとればいいんだ」
というような結果責任がどうこうという
「精神的な話」ではありません。
「自分を効率的にアップデートする考動」という
「論理的な話」です。
「自分が悪いんだ」ではなく
「自分の考え方や行動が悪いんだ」
という振り返りが必要なのであって
「責任さえとればいい」とか
「自分が謝ればいい」という
「薄っぺらい自爆」の話ではありません。
加えて
「自分を責める」という意味でもありません。
会社で生じている様々な不都合の解消のために、
経営者として「考え方」や「行動」をどのように改善するか?
そのきっかけのための考動習慣です。
「メンタル」を大切に、くれぐれも勘違いしないようにしましょう。


【自責強化】
4つのトレーニング提案
最後に「自責考動」を強くするための4つの方法を提案しておきます。
「損な考え方」だと気付く
「他責」は学びの機会を逃し、成長を止めます。
「自分にとって損なこと」だと気付けば、改める動機になるでしょう。
何事も自分と結びつける
日々起きる良いことも悪いことも、自分の考え方・行動と意識的につなぎましょう。
「自分の考動の何が良かったのか?」
「自分の考動の何が悪かったのか?」
この小さなPDCAを「考動習慣」になるまで意識的に回すことです。
子供の頃の歯磨きと同じで、最初はメンドウでも、気付けば「習慣」になります。
「鵜呑み」にせず「疑問」を持つ
経営者の周りには情報が溢れています。
特に自社の経営や自分の成長に影響の大きな情報については「疑うこと」を意識しましょう。
例えば、顧問税理士から届く「決算書」。
「これ、正しいか?」と疑ってみる。
最初は疑う方法がわからなくても構いません。
大切なのは「疑問に思う習慣」です。
判断を「人任せ」にしない練習です。
決算書をそのまま受け取るのは、判断を他人に依存しているのと同じです。
「最終判断の責任は自分にある」と腹をくくる姿勢が、自責考動を高めます。
自責とは「恩返しの責任」
会社経営は多くの人のチカラを借りて進めるプロジェクトです。
借りたチカラは、成果を上乗せして返すのが筋。
「自責の責」は「恩返しの責」でもあります。
自分に関わってくれる人たちへの感謝の想い。
このように考えると、自責はさらに深く、強くなっていくことでしょう。


【要点整理】
人生の主導権を強く握る!
さて、どうですか?
長くなりましたが
「経営者の自責」について整理しました。
長くなるのは
「それだけ大切なこと」だからです。
「最高の経営者人生」のために、
「もっといい会社」にしたい。
誰も「いい会社」にしてくれません。
運は「ワルイ会社」にすることさえあります。
「もっといい会社」にして
「もっといい人生」を送る。
それは「自分でつかむ」。
「自責」の強さは
「人生の主導権」の強さでもあります。
あと、最後に、冒頭の答え合わせ。
経営が順調な時「誰」のおかげ?
→「関わってくれている人たちのおかげ」
経営が不調な時「誰」のせい?
→経営者自身、ジブン。
さて、合ってましたか?








