人が育つカルチャー|優先順位思考が考動習慣という企業文化

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この記事は、更新時の情報と筆者の考えに基づくものです。


おはようございます!

2024年第44週の土曜日、「まだ早い!」と言われますが、私は「もう今年も終わりや~」という意識が強く、すでに心がザワザワしています。

心がザワついている理由は、来年のスケジューリングが始まって、例年通り「365日のパズル」のごとくGoogleカレンダーと「格闘」しているからです。

スケジューリングされる各項目は、「MUST事項(やらなければいけないこと)」「SHOULD事項(やるべきこと)」「WANT事項(やりたいこと)」などに区分されますが、それぞれには優先順位がありますが、この検討がパフォーマンスに直結するためメチャクチャ大事です。

ここ最近の実績や経験から「来年は、どの順番がいいかな?」なんて考えているから「格闘」になってしまうのですね(笑)。

・・・ということで、今日は「優先順位」について整理しておきます。

結論は、タイトルのとおり「優先順位思考をチーム全員で習慣化しよう!」という提案です。

チームメンバーの全員が常に優先順位を意識し「最優先タスク」から片付けていくということが思考&行動習慣となれば、チームのパフォーマンスは見違えるほどアップします。「もっといいチーム」=「もっといい会社」にするための参考にしてみてください。

このブログでは「10人~100人規模の中小企業経営者」の方々に向けて「経営脳の自主トレサポート」を目的に「もっといい会社」にするためのヒントを発信しています。初めてアクセスしていただいた方は、こちら(=「このブログについて」)をまずご覧ください。

【課題認識】なぜ優先順位の意識が低いのか?

あなたのチームのメンバーは、常に優先順位の高いものから片付けていますか?

あなた自身は常に優先順位の高いものから片付けていますか?

私が知る限り「優先順位の高いものから片付ける」ということを習慣化し、実行できている人は少数派です。

みんな「優先順位の高いものから片付けるべき」と理屈はよくわかっているのに、なぜでしょうね?

そもそも「優先順位を付けようとしていない人」や「自分なりの優先順位を優先してる人」も少なくありませんが、その人たちも含めて「優先順位を軽視している人」は、「優先順位思考のお得感」に気付いていないからだと私は思っています。

「お得感」とは、優先順位の高いものから片付けることで「ムダ」が少なくなるので、「時間の有効活用」や「ストレスの軽減」につながり、その結果、アウトプットが「量」から「質」に変化するメリットのことです。

「優先順位の高いものから片付ければトクだ!」という、この「お得感」さえ知れば、自然と「優先順位思考」は身に付きます。

【効果認識】優先順位思考のメリット

「優先順位思考」とは、文字通り「優先順位が高いものから仕事を片付けるための思考」のことです。

この「優先順位思考」が考動習慣になれば、「より大きな成果」を「よりスピーディー」にこなせるようになります。

上述した「お得感」を少し掘り下げると、次のようになります。

  • 時間の有効活用
    • 優先順位を検討するプロセスにおいて「やらなくてもいいこと」の時間が浮く
    • 優先順位を付けることで「やり直し」や「二度手間」や「待ち時間」などを削減することができる
  • ストレスの軽減
    • 優先順位を付けることで、スケジュールに余裕が出来、締め切りに対する焦りや不安が軽減する
    • 上記の時間の有効活用によって「順調に進むこと」が増え、「心地よさ」がストレスを軽減する
  • アウトプットの質がよくなる
    • 「考える時間」の優先度を上げることで、より重要なタスクに時間を振り向けることができる
    • 「自分でなくてもよい仕事」を他者に振分けることによって「自分の仕事」への集中力が高まる
    • 優先順位を検討する段階で、事前にリスク想定をするので「リスク対応力」が高まる

このリストの各項目を「裏返し」にすると、日常における不具合や不都合の発生は「優先順位を間違っているから」が原因であることが良く分かります。

【現状確認】仕事をたな卸しする

「優先順位思考」が身に付いていないと「やりやすい仕事」「やりたい仕事」「目の前の仕事」から着手したり、最悪の場合は「やらなくてもよい仕事」に時間を費やすことになってしまいます。

そのような「ムダ」を少なくする「優先順位思考」を身に付けるためには、まず「現状確認」が必要です。

「自分のクセ」を客観視し、それを素直に受け入れることから始めましょう。

それには、定番のフレームワークである「重要度と緊急度のマトリックス」で仕事を棚卸することがオススメです。

毎日の仕事を緊急度と重要度で整理してみると「自分のクセ」に気付くと思います。

さらに「優先順位思考」に長けた人にレビューしてもらうことも、とても効果的です。

「自分では良かれ」と思っていたものも、他者に見てもらうことで「実は間違ってた」と気付き、さらに「自分のクセ=自己認知を深めること」が可能です。

下記のサンプルを参考にしてみてください。

(サンプル)緊急度:高緊急度:低
重要度:高重要度:高、緊急度:高
主要取引先からのクレーム対応
– 急な設備トラブルの対処
– 締め切り間近の資金繰り対応
– 従業員の緊急の健康問題
重要度:高、緊急度:低
– 長期的な事業計画の策定
– 従業員のスキルアップ計画の構築
– 顧客との信頼関係構築のための定期フォロー
– 新商品の市場調査と分析
重要度:低重要度:低、緊急度:高
– 突然の来客対応
– 短納期の小規模注文への対応
– 急な打ち合わせ依頼
重要度:低、緊急度:低
– オフィス内の軽微な整理整頓
– 日常のメールチェック(ルーチンワーク)
– 郵便物の整理

この「仕事のたな卸」をしてみて「緊急度・重要度の高い仕事」から優先的に片付けている、「緊急度・重要度の低い仕事」に費やしている時間は少ない、ということであれば「優先順位思考」は合格点です。

しかし、特に「重要度が低い仕事」に多くの時間を費やしているようであれば、一日も早く「優先順位思考」を習慣化しなければなりません。

【雑用優先】重要度も緊急度も低い仕事から

上記の「重要度と緊急度のマトリックス」の活用での注意点を追記しておきます。

マトリックスにおける「重要度も緊急度も低い仕事」ですが、その中には「雑用」とカテゴリーされるものも多いかと思います。

案外、このゾーンの仕事が生産性を阻害していることが多く、軽視することはできません。

この「重要度も緊急度も低い仕事」に分類された「雑用等」を細分すると、重要度も緊急度も低いけど「やめることができないもの」と「やめることができるもの」に大別されます。

実は「やめることができる」のであれば、話は簡単で「やめればいい」でおしまいです。

次に「やめることはできないもの」は、「自分でなければいけない?」「他者に任せてもいい?」に分けることができます。

実は、これで整理された「重要度も緊急度も低いけど、やめるわけにもいかず、さらに自分で処理しなければならない雑用」は「最優先」です。

これらは「面倒なこと」や「本当はやりたくないこと」などが多いので、これらはサッサと最優先に片付けてしまい「スッキリしておく」ことが、その後の「緊急度が高いもの・重要度が高いもの」を片付ける際のメンタルやモチベーションに良い効果を産みます。

私は「郵便物の整理」「領収書の整理」「決済依頼案件の整理」「私的なスケジューリング」などは「あさイチ」の仕事として「スッキリ」してから「メイン業務」に取り掛かるようにしています。

「雑用最優先」も忘れないようにしましょう。

【仕事仕訳】重要度は「影響の対象と大きさ」

上記のマトリックスの「重要度」は、「影響の対象と大きさ」で考えると、思考を深めることができます。

「影響の対象」とは、「自分」「他者=社内」「他者=社外」に分類できます。

その仕事が「自分にとってとても重要」であっても、メンバーや取引先には影響が少ないもの、あるいは、自分への影響は軽微であっても、メンバーや得意先、取引先にとっては大きく影響するものなど「その仕事の対象」で仕訳けします。

また「影響の大きさ」とは、時間的な影響、経済的な影響、心理的な影響などのことです。

つまり「重要度」を検討する際には「誰にどれくらい影響するか?」を具体的に想定し仕分けすることがとても重要です。

極端な言い方をすれば「自分を優先するか?」「他者を優先するか?」という二択のようなケースもあるでしょう。

中長期の時間軸で見渡し「モグラたたき」のように短絡的に優先順位を決定しないように注意しましょう。

【企業文化】優先順位思考をカルチャーにする

さて、本稿の目的は、タイトルの通り「チームの優先順位思考」です。

マネジメントコーチとして、様々な中小企業を観察していると「チームのパフォーマンスの差」を感じざるを得ませんが、その中でも「パフォーマンス、高いなあ~」と感じるチームは「優先順位思考を習慣化してる」ことが少なくありません。

経営者自身に限らず、個々のメンバーが「何を優先すべきか?」ということを常に考えながら、また、それを行動に移しているチームは、上述したように「時間の有効活用」「ストレス軽減」「量より質」というメリットがパフォーマンスに表れるからです。

あなたが「当社のチームのパフォーマンスを高めたい」と期待するなら、ぜひ、この「優先順位思考」をチームにインストールしましょう。

その方法は「継続的なトレーニング」です。

「優先順位思考」は「思考習慣・行動習慣」なので「分かったら明日から実践できる」という類のものではありません。

日常の繰り返しによって習慣化していくテーマです。

まずは、経営者自身が「優先順位思考に長けた人」となり、またそれは「周囲の評価」とならなければなりません。

「優先順位思考してるよ」というレベルではなく、特にメンバーが「ウチの社長の優先順位思考がヤバい!」と認知されるレベルが必要です。

つまり「経営者自身がお手本となること」が先決です。その上で、日常のコミュニケーションの中で「何が最優先?」「優先順位は?」「その影響は?」など下記のリストにあるような問い掛けが「優先順位思考」を意識させるOJTとして効果的です。

  • その仕事の重要度はイチバンか?
  • その仕事の緊急度はイチバンか?
  • その仕事はチーム全体にとって最優先か?
  • その仕事で得られる成果や効果はどれくらい?
  • その仕事以上に優先的な仕事はない?
  • その仕事は自己チューな順番になってない?
  • その仕事が最優先である理由を教えて!

このようなディスカッション(コミュニケーション)を地道に繰り返すことで徐々に意識に定着していき、これが「企業文化(カルチャー)」となって醸成していきます。

また、少々難易度は高いですが「人事評価の項目」として「優先順位思考」を加えればさらに良し!です。

【まとめ】チームは飛躍的にもっと良くなる

さて、今日は「優先順位思考」についてまとめました。どうですか?

チームのメンバーが

  • どの仕事がもっとも重要なのか?
  • どの仕事がもっとも急ぎなのか?

に加えて、

  • どの仕事がもっとも成果を得られるか?
  • どの仕事がもっとも効果的か?

など、全体を俯瞰して、優先順位を自ら判断して活き活きと仕事をしている姿を想像してみてください。

一人ひとりがこのような「優先順位思考」を持ってくれれば、チームのパフォーマンスは飛躍的に改善し、必ず「もっといい会社」になります。

関連記事も含め参考にしてみてください。

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