人が育つ仕組み|褒めて育てる「いいね!」の効果

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2024年第24週の土曜日、経営脳は順調に進化していますか?成長の実感を感じていますか?

さて、今週の「御題」は「褒める」です。

最近、誰かを褒めてあげましたか?あるいは、誰かに褒めてもらいましたか?

私は「褒めることはエネルギーのプレゼント」だと思っているのですが、褒められるとうれしいし、褒めると相手は喜んでくれて、こちらもうれしいし、そこには何らかのエネルギーが発生している気がするんですよね。万が一、褒められてイヤな思いをするような特殊な場面であっても、間違いなく「心を動かすエネルギー」が発生しています。

今日は、この「褒める(エネルギー)は人材育成にとても効果的」という話を整理します。簡単に言うと「褒めて育てる」という話です。

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優秀な人材ほど「褒めて欲しい!」と思ってる

先に結論をまとめておくと・・・優秀な人材ほど「関心を持ってほしい」「認めてほしい」「褒めてほしい」という「承認欲求」が強く、「関心を持たれること」でモチベーションがあがり「もっと認めてほしい」「もっと褒めてほしい!」とさらにその欲求が強くなり、そのためにもっと頑張る・・・この繰り返しで人は成長する・・・だから「褒め上手になろう」という話です。

かつての日本は「謙虚」であることが求められ「自慢」はあまりよい印象はありませんでしたが、時代は変わりました。「見て!見て!」「聞いて!聞いて!」「いいね!」「すごいね!」というアピールとリレーションが当たり前になりました。「這い上がれ!」とダメ出しを連発し、プレッシャーをかけて「しごく時代」から「褒めて伸ばす時代」に変わったと思います。

そして、この傾向は、優秀な人材ほど強く「もっといい人材が欲しい」と願うなら「人材育成の手段」として「関心を持つ」「認める」「褒める」ということについて上手になる必要があります。

言葉だけでは足りない=「褒める」を可視化する

仕事で成果があった社員を「言葉で褒めること」はどの経営者もやってると思いますが、実は、それでは足りません。彼ら彼女らの承認欲求を満たすため「関心を持つ」「認める」「褒める」を可視化することが必要です。

  • 何についてどれくらい関心をもっているのか?
  • 何についてどれくらい褒めているのか?
  • 何についてどれくらい認めているのか?

「新規顧客を獲った!」というケース、「数字を獲ったこと」を褒めているのか?それとも「プレゼン良かったね!」と、その方法を褒めているのか?また、そのレベルは満点なのか?合格点なのか?など、これらを明確に伝えることがとても大切です。

単に「いいね!」と言えばいいのではなく、彼らが求めている「承認欲求」をドンピシャで満足させてあげることが必要です。「社長は、自分のことをよく分かってくれている、よく見てくれている」という彼ら彼女らの「実感」がとても大切なのです。

そのための実務ツールが「人事評価基準」に他なりません。

「人事評価基準」は「こんなことを、こんなレベルだったら、こんな評価だよ」というものです。仕事の現場において「褒める」というのは「ご機嫌取り」ではありません。「友達同士の褒め合い」とは次元が違う話です。

「人事評価基準」は「あなたの承認欲求を満たすためには、このレベルのことをクリアすることが必要だよ」というメッセージでもあります。

つまり「人事評価基準」は、「褒める」「認める」「関心をもつ」を可視化するツールとも言えます。「承認欲求」が強い人が増えてきた現代において「褒めて育てるための人事評価=成長支援型人事評価の仕組み」の必要性が高まっている理由でもあります。

(参考記事)中小企業の人材育成|「成長の定義」を共有する大きな効果

評価が上がっていくことがモチベーションとなる

相当の「ひねくれ者」でもない限り、人は誰でも褒められると気分が良くなります。

男女問わず「カッコイイね!かわいいね!」と言い続けると益々カッコよくなり、可愛くなるといいます。

料理も同様、「美味しいね!」と褒めてあげると、どんどん上手になるものです。

つまり、人は認められ褒められると、その幸福を再体験したくて「もっと褒められたい」という欲から、その手段として「もっと頑張ろう!」というモチベーションが高くなっていくのです。

だから「人事評価」において注意しなければならないのは「認めること」「褒めること」であり「ダメ出しするだけではダメ」ということです。

褒めるところがない?

とはいえ、残念ながら成果が少なく、認め、褒める内容が少ない人材もいますよね。その場合は「もう少し***すれば、もっと良くなるよ!」とアドバイスし、凹まさないことが重要です。

 ・カッコ悪いな~
 ・可愛くないないな~
 ・この料理、マズ!

など、否定されて「なにくそ!」と奮起する人は、ほとんど見かけなくなりました。

「ものは言いよう」です。

 ・こうすれば、もっとカッコ良くなるよ
 ・こうすれば、もっと可愛くなれるよ
 ・こうすれば、もっと美味しくなるよ

「(5段階評価で)2点だからダメ」という「人事評価」をするのではなく「もう少しで3点になるから頑張れ!」「君なら3点の可能性が高いから頑張れ!」と、その頑張る方法も含めて「点数アップのサポート=成長支援」というスタンスで「人事評価」をすることがとても重要です。

もう少し補足すると「課題がない完璧な人はいない」のです。「課題」とは「あるべき姿」と「現状」のギャップです。経営者と社員の双方が「人事評価」で明確になった「成長課題」をどうやって解決するか?を話し合い、具体的な行動によって成長を支援するのが人事評価の目的です。この関わりにより「社長に期待されている!」と、一人一人の社員が感じ、これがモチベーションにつながります。

(参考記事)失敗しない「人事評価面談・キャリア面談」の実務

褒めても育たない?ChatGPTの反論

この「褒めて育てる」という話に反対意見を持つ人もいます。ちなみに、ChatGPTに聞くと、次のようなアウトプットがあったので、軽く「壁打ち」してみます。(以下、引用部分原文のまま)

承認欲求が強い人ばかりではない

すべての人が「褒められたい」「認められたい」という強い承認欲求を持っているわけではありません。一部の人は内面的なモチベーションや自分自身の成長に焦点を当てているため、過度に褒められることが逆にプレッシャーやストレスになることもあります。

確かに、そのようなタイプのメンバーもいますよね。むしろ、放っておくことで黙々と頑張るような。目的は「人材育成・成長支援」なので、褒めなくていいメンバーまで褒める必要がないのは当たり前です。

可視化の負担

褒めることや認めることを可視化するというアイデアは良いですが、それを実践するには相当な労力とリソースが必要です。特に中小企業では、そうした仕組みを整備するためのコストや手間が大きな負担になる可能性があります。

私は、この「可視化」のツールが、人事評価の仕組みだと説いているのですが、人事評価が必要ない中小企業は、ごく一部の特殊な場合だけであって、ほとんどの中小企業では必要だと考えています。そのためのコストや手間などの負担は小さくありませんが、その投資をせずにチームのパフォーマンスを上げることは、むしろ「ムリ」と思っています。

(参考記事)人事評価の必要性とリスク|正しく運用しないとキケン

褒めることの過剰強調

過度に褒めることは、逆に社員の自尊心を傷つけることもあります。もし過剰に褒められていると感じると、それが本当に自分の実力によるものなのか疑問を抱き、自己評価が低下する可能性もあります。

だから「褒め上手」になる必要があるのですね。GPTは「過度に褒めること」とアウトプットしましたが、私に言わせると「ヘタに褒めると」です。あくまでも、メンバーのモチベーションを上げることが目的なので、上手に褒めなければなりませんね。

評価基準の硬直性

「人事評価基準」が褒めることを可視化するためのツールとされていますが、固定的な評価基準は個々の社員の多様な能力や特性を無視することになりかねません。柔軟な評価が必要です。

GPTは、ときどき、このような「反論のための反論」をしてくることがあります(笑)。中小企業において「固定的な評価基準」によることが現実的であり、個々に対して柔軟な評価を「公平・公正」に持続的に運用することは理想論だと思います。

モチベーションの多様性

すべての社員が同じ方法でモチベートされるわけではありません。人によっては、褒められるよりも具体的な成果や達成感を重視する人もいます。モチベーションの源泉は多様であることを認識し、個々のニーズに合わせたアプローチが必要です。

「褒めるところがないのに褒める」という話ではありません。具体的な成果や達成感に共感し、共有することが「認める」ことであり、「褒める」とうことです。メンバー個々のタイプの見極めはとても重要ですが、前述したように「よほどのへそ曲がり」出ない限り、ほとんどのメンバーは、褒められてイヤな気はしないはずです。ただ、わざとらしい褒め方や、過剰な褒め方、大袈裟なパフォーマンスなど「ヘタな褒め方」には注意が必要ですね。

まとめ

さて、どうでしょう?「褒めて育てる話」を整理しました。

精神論や根性論として「がんばれよ!応援してるぞ!」という声掛けも必要ですが、「いいね!」で承認欲求を満たすことが重要な時代になりました。むやみやたらに「いいね!」をするのではなく、「なにが、どれくらいいいのか?」を、人事評価の仕組みによって、正しく伝えることが重要です。これが「褒め上手な経営者」のひとつのスタイルです。

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