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この記事は、更新時の情報と筆者の考えに基づくものです。
中小企業の人事評価制度の設計や運用のサポートにおいて、私は「5段階評価の5点」つまり「満点」の意味を大切にしています。
その理由は、人事評価の目的が「もっといい会社にすること」であり、そのための「もっといいチーム作り」なので「他者の成長への貢献」を「あるべき姿」として位置付けているからです。
この記事では、中小企業の人事評価制度における、この「満点の大切な意味」を紹介します。
この記事は「中小企業向け人事評価|仕組み作りと運用のアウトライン」の補足です。
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5段階評価の全体像
私が人事評価基準を提案するときの「たたき台」となる「5段階評価の基本形」は、次のようなレベル分けになっています。
- 【1点】理解・納得レベル
- 【2点】行動レベル
- 【3点】成果レベル
- 【4点】習慣・安定レベル
- 【5点】相互支援レベル
ちなみに「5段階」になっていますが「1点にも満たない」というケースがあるので「0点」もあり、結果として「6段階」になっています。
(関連記事)中小企業の人事評価基準|5段階評価の作り方と使い方
5点=満点は「相互支援レベル」
【5点=満点】は「相互支援レベル」とし、「チームの成長のために、他者の成長にも貢献している」としています。
現場の実務担当者としては【4点】で充分なのですが、このレベルの人たちには、まだ【3点以下】の同僚や後輩など仲間の評価を引き上げる役割を果たしてほしいのです。
その背景となっているのは「相互支援」という考え方です。
「相互支援」とは「お互いが成長のためにサポートし合う」という意味です。
私は、かつて社員研修の場で次のような話をよくしていました。
ふたりが残業しています。
ひとりは、難しい仕事を抱えていて帰るのが遅くなりそうです。
もうひとりは、単純なスタンプ押し作業を大量に抱えての残業です。
さて、この残業しているふたりを手伝うか?手伝わないか?
前者は手伝ってはなりません。なぜなら、その難しい仕事をひとりでやり遂げた時、その人はワンランク成長しそうだからです。つまり「難しい仕事」という「成長機会」の場面なんですね。
でも、もうひとりは、スタンプをどれだけ押しても成長には関係なさそうなので、手分けして手伝ってあげましょう。
各メンバーそれぞれが自分の評価だけではなく、仲間同士の成長に意識を持つことでチームの成長が進みます。
メンバー全員に、この「仲間の評価も上げてチームの成長に貢献する」という視点を持ってもらうために【5点=満点】のレベルを「相互支援レベル」としています。
実際の評価では「成果」を求めること
さて、必要なのは「成果」です。
「後輩の指導をしています!だから私は満点です!」という自己評価では困ります。
指導した結果、その後輩は成長しているか?を問わなければなりません。
一方通行の「教える」だけなら誰でもできます。
- 「君の部下のA君は、メキメキ成長しているね!」
- 「はい、指導方法を少し工夫してから、また成長カーブが上がったようです!」
こんな会話ができれば【5点】です。
もし、指導成果が出ていない様子だったら
「A君が伸び悩んでるね?指導の仕方を***に変えてごらん」
と、【5点】に引き上げるためにサポートしてあげましょう。
まとめ
以上、人事評価基準の【5=満点】の大切な意味について紹介しました。
ポイントは、チームの成長に貢献できる「相互支援レベル」です。
中小企業経営者は、メンバーひとり一人の成長を期待していますが、それとて「手段」です。その「目的」は「いいチーム作り」です。どれだけ実務スキルに長けた人材であっても「チームの一員」という認識と行動が伴わなければ「厄介者」になってしまうことすらあります。常に「チームの一員」としての貢献を求め、その意図を伝える工夫としての【5点=満点】です。
関連記事も含め参考にしてみてください。
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【無料ダウンロード】
5段階の人事評価の記録シートサンプルを次のサイトから無料でダウンロードできますので、合わせて参考にしてください。
https://www.bizocean.jp/doc/detail/547595/