経営脳の第3レイヤー、
メンタル。
経営者の「気分・感情」で
会社の「空気」は変わる。
ココロに振り回されることなく
ジブンのココロはジブンで操る。
重要視点、ココロのマネジメントは「経営責任」。

本題に入る前に、大切なことをお伝えしておきます。
本稿は、日常的な精神状態の自己管理を対象としています。深刻な不安、抑うつ、不眠などが継続している場合や、日常生活に支障をきたしている場合は、対象範囲を超えています。その場合は、医療機関や専門家への相談を優先してください。本稿は、医学的な診断や治療を目的とするものではありません。
【イントロ】
「ゴキゲン」な経営者
経営者の考動が、直接的に会社の成果に反映されます。
経営者の考動が良ければ、 会社は「良い方向」に向かいます。
経営者の考動が良くなければ、 会社は「思わぬ方向」に向かいます。
特に、会社と経営者が事実上「表裏一体」のオーナー型中小企業は「そういう構造」です。
考動の「良し悪し」は、ココロのコンディションに大きく左右されます。
コンディションが良いときなら、考え方も行動もクリアな経営者でも、いったん崩れると、たちまち考動のクオリティは低下します。
経営者のメンタルは、チームの「空気」に表れるものです。
メンタルが、経営者のパフォーマンスを左右する限り、ココロのマネジメントは大切な「経営責任」と言えます。
多くの「いい経営者」のメンタルは良好で「ゴキゲン」なことが多いものですが、 「ゴキゲン」だから「いい経営者」でもあるのでしょう。
さて、常に「ゴキゲン」でいるための視点は?
「経営脳の第3レイヤー:メンタル」について詳しく紹介します。
【構造理解】
経営脳における位置づけ
メンタルは、経営脳の5つのレイヤーの第3階層(Layer3)に位置します。
下層の「マインドセット」「フィジカル」が整っていても、 「メンタル」のコンディション次第で、 上層の「スキル」「センス」のパフォーマンスが変わります。

メンタルが良い時は:
- スキル:持っているものをスピーディーに出し入れできます。
- センス:もちろん、ビンカンです。
でも、メンタルがすぐれない時は真逆ですね。
- スキル:遅くなるだけでなく、そもそも発揮できなくなることも。
- センス:もちろん、ドンカンです。
さらに、メンタルの不調は下層にも影響します。
どれだけ「正しい考え方」を持とうと思っても、メンタルが乱れると「正しさなんて・・」と投げやりになってしまうことがあります。
また、生活習慣も乱れ、不摂生によってフィジカルのコンディションも崩してしまうこともあるでしょう。
さらに、経営者のメンタルは、自分自身のパフォーマンスだけでなく、メンバーたちにも影響をします。
つまり、メンバー・チームを通じて、会社そのもののパフォーマンスとなって現れます。
繰り返します。
だから「経営責任」なのです。
【重要視点】
2つの自己制御
これは、「ココロそのもの」ではなく、「経営脳」の話です。
「気分の良し悪し」ではなく
「セルフマネジメントの良し悪し」。
「今、ゴキゲンですか?」ではなく
「ゴキゲンのためにどうしてる?」という話です。
ここでいう「メンタルの強さ」とは、一般にいう「耐え忍ぶ強さ」のことではありません。
「ジブンの感情をセルフマネジメントするチカラ」
これが「メンタルの真の強さ」です。
「ココロに振り回されないジブン」。
その目的は2つ。
- 意図的にゴキゲンになる!
自分の気分が高まる方法を複数把握しておき、必要な時に自分を盛り上げる。
つまり「ゴキゲンのスイッチ」を知っておくということです。 - フキゲンを早期に察知する!
メンタルの悪化は、些細なきっかけから連鎖的に進行します。
フキゲンになるような小さな兆候を見逃さず、早めに手を打つ。
この2つの視点で、自分自身を客観的に観察し、常に適切な精神状態に保つことが大切です。
「レイヤー3:メンタル」は、常にゴキゲンでいるための 「ココロのセルフマネジメント」の領域です。
【優先要素】8つのテーマでチェック
さて、各論です。
常にゴキゲンでいるために、まず現状を確認することから始めましょう。
メンタルは、その人特有の感情なので、ひとつの要素だけでマネジメントすることはできません。
ここでは、経営者のメンタルにおいて特に影響力が大きい8つのテーマをリストアップするので、振り返りの参考にしてみてください。
これらは「どれか」ではなく「全部」です。
いずれかに課題があると、全体のパフォーマンスに影響します。
Check1
勇気
勇気は「恐怖や不安があっても踏み出す力」です。
新しい挑戦や困難な決断において、経営者には勇気が欠かせません。
勇気に課題があると、重要な決断を先延ばしにしたり、問題のある社員への対処を避けたり、機会損失を招きます。
勇気は「湧いてくるもの」ではなく「湧かすもの」です。
さて、勇気のスイッチを必要な時にONできるリーダーでしょうか?

Check2
自信
自信は「根拠ある自己評価による推進力」です。
経営者の自信は、チーム全体の推進力に影響します。
自信に課題があると、明確な指示命令を下せず、周囲の考動が停滞します。
逆に過信になると、リスクを過小評価し、想定以上の損害を招きます。
さて、
「過剰」でも「過小」でもなく
「根拠のある自信」をコツコツと積み重ねていくリーダーでしょうか?

Check3
冷静
冷静は「感情に支配されず平静を保つ安定性」です。
泰然自若。
困難な状況においても、冷静な判断は経営者に不可欠です。
冷静に課題があると、感情的な判断により、炎上や誤決定を招きます。
さて、取り乱さない、動じない、常に冷静に考動できるリーダーでしょうか?

Check4
集中
集中は「焦点を明確にし没頭する力」です。
必要な時に「ハマれる」。
経営者の集中力は、業務の質と速度を直接的に左右します。
集中に課題があると、生産性が低下し、品質劣化や遅延を招きます。
逆に過度な集中は、視野狭窄に陥り、重要な情報を見落とします。
さて、心地よい疲れで終わる「良い集中」をしていますか?
また、集中のスイッチを自在にON/OFFできるリーダーでしょうか?

Check5
余裕
余裕は「ココロの空き容量」。
心理的な空間を確保し、複雑な状況でも柔軟に判断する力です。
「ある・なし」ではなく「作れるかどうか?」。
経営者の余裕は、他の要素の発現にも影響します。
さらに、課題があると「アタマが真っ白=フリーズ」が多発し、チームにも連鎖します。
さて、ココロの余裕を自ら生み出せるリーダーでしょうか?

Check6
楽観
楽観は「うまくいく予感」。
望ましい結果を信じ、不安を不要に膨らませない力です。
経営者の楽観、ポジティブな姿勢は、組織の士気を高めます。
課題があると、過剰に防衛することが多く、挑戦を回避し、それはチームの士気を下げてしまいます。
さて、積極的で、肯定的で、建設的ですか?
自然体のポジティブで、周囲もポジティブにできるリーダーでしょうか?

Check7
感謝
感謝は「ココロから湧き出るありがとう」。
「お礼をしなければ」という「礼儀・マナー」の話ではありません。
他者の貢献や好意に敏感に反応する力です。
経営者の感謝のココロは、3G(社外・社内・自分)との良好な関係を良好に保ちます。
感謝にドンカンであると、周囲には「負の感情」が生まれ、相互関係が悪化します。
ココロが感じ取る感謝は、心の温度を少し上げてくれます。
さて、冷たすぎず、熱すぎず「適温の感謝」を持ったリーダーでしょうか?

Check8
ストレス対処
ストレスは「ココロへの刺激」です。
良い刺激なら成長の糧に、悪い刺激なら退治する力です。
課題があると、良いプレッシャーを「ココロの栄養」にせず、「ココロの毒」にしてしまうことがあります。
同じ刺激でも「よし!やってやろう!」と受け止める人と「うわ!シンドイ!」と受け止める人の差。
「メンタル」が整っていると「ストレス」を「栄養」に転換することができます。
また、「ワルイストレス」は、避けることなく、元から断つ考動を起こします。
「害虫」は退治するものではなく、そもそも「根絶やし」にする視点です。

【軽視厳禁】
意外な盲点がふたつ
盲点1
マインドセットとの違い
「マインドセット」と「メンタル」の境界があいまいになることがあるので、整理しておきます。
- 「マインドセット」は、「アタマで考えていること」
- 「メンタル」は、「ココロが感じていること」
例えば、 「感謝することは大切」という「考え方」が「マインドセット」。
「ありがとう!」と感謝が心から湧いてくるのが「メンタル」。
相互に密接に関連していますが、あえて区別するとこのようになります。


アタマでは分かっていても、ココロがついてこない。
「呑みすぎない!」というマインドセットが、「呑みたい!」というメンタルに負ける経験・・・ありますよね?
盲点2
経営者の機嫌は伝染する
経営者がゴキゲンなら、周囲もゴキゲンになります。
経営者がフキゲンなら、周囲もフキゲンになります。
上述しましたが、これは「空気」の問題です。
経営者の機嫌は、意識していなくても、表情や声のトーン、ちょっとした仕草を通じて周囲に伝わります。
「自分はそんなつもりはない」と思っていても、周囲はしっかり感じ取っています。
だから「メンタル・マネジメント」は、自分のためだけでなく、会社に関わる人たちのためでもあるのです。
【課題抽出】
メンタルを自問自答
8つの要素について、自分自身に問いかけてみてください。
- 勇気:心の負荷から逃げていないか?
- 自信:根拠のある自信をコツコツ積み重ねているか?
- 冷静:想定外の事態でも動じずにいられるか?
- 集中:優先事項に没頭できているか?
- 余裕:ココロに空き容量があるか?
- 楽観:不安を不要に膨らませていないか?
- 感謝:善意や好意に敏感だろうか?
- ストレス:うまく付き合っているか?
「できている」と「できていない」を仕分けして、課題を明確にしましょう。
【要点整理】
常にゴキゲンでいるために
さて「経営脳:第3のレイヤー:メンタル」について整理しました。
- 常にゴキゲンでいるために、ジブンをマネジメントすることは経営責任であること
- メンタルの真の強さとは、感情に振り回されることなく、「ココロをセルフマネジメントする力」であること
- 8つの要素(勇気・自信・冷静・集中・余裕・楽観・感謝・ストレス対処)を網羅的に整えること
- 経営者のゴキゲンは「保有能力」を「発揮能力」に変換してくれるので、その結果「もっといい会社」に成長すること
その目的は、「もっといい会社」に成長することです。
最後に「レジリエンス(回復)」について一言だけ。
会社経営をしていると、つらいこと、ブチギレること、泣きたくなることなど、「ココロが暴れすぎて」マネジメントしきれないときがあります、よね?
そんなときは、ガマンせず
「好きにしてください」。
ただし・・・
「ひとり、誰にも見られてないところ」で。
または・・・
「グダグダなジブンを見せられる人のところ」で。
なぜか・・・
「経営者もヒト」だから。



どうしてもココロがざわついて落ち着かない時、私は出社せず、落ち着くまで大阪環状線に乗ってたことがあります…何度か💦
お役に立ちますように!


