評価基準、評価、個別面談・・・。
中小企業にとって
「人事評価」は「メンドウ」な仕組み。
もっと「カンタン」にできないものか?
「人事評価」、やってますか?
「人事評価」、うまく運用できていますか?
「人事評価」、やって良かったと感じてますか?
・・・・・・・・
おそらく「NO」だから、この記事にたどり着いたんですよね?
残念ながら、上記の「問」に「全部YES」と返してくれる中小企業は少数派です。
多くは「人事評価」の必要性や重要性を感じつつも「うまくいかない」と悩んでいます。
今回は、せっかく人事評価制度を作ったのに、失敗してしまう原因を整理します。
「人事評価の改善」の参考にしてみてください。
【組織戦略】
「評価」の戦略的位置づけ
本題に入る前に「なんの話か?」を確認しておきましょう。
「経営戦略」の中の
「組織戦略:評価」の位置付けについて
「おさらい」が必要なら、ここをクリック。
(必要なければ、次に進みましょう)
「人事評価」は
「組織戦略」における重要テーマのひとつ。
「中小企業の組織戦略」の目的は
「もっといい会社」に成長すること。
その手段としての「最高のチーム作り」。
その戦略要素は
「組成・採用・育成・評価・分配」の5つ。
「評価」は、そのひとつです。

「人事評価」は、「組織戦略」の一部、
「組織戦略」は、「経営戦略」の一部。
つまり、
「人事評価」は
「経営戦略」の一部であり、
「経営目的を実現するための仕組み」です。
言い換えれば「チーム力を強化する仕組み」。
点数を付けることが「目的」ではありません。
メンバーの成長のための「手段」。
まず、この「入口」を確認しておきましょう。
だから・・・
人事評価がうまくいくと
↓
人材が成長するので
↓
チームが強化され
↓
戦略実行がよりよく進む
↓
もっといい会社になる
この連鎖の構造です。
まず、この
「人事評価の戦略的位置づけ」を共有します。
「人事評価」は、
「メンバーの成長支援」を通じて
「チームを強化」するための
「戦略テーマ」のひとつです。

【課題共有】
やってるけどパッとしない
人事評価の重要性は、
経営者なら誰もが理解しています。
- 「人材を育てることが会社の成長につながる」
- 「評価制度が必要なことはわかっている」
- 「だから、ちゃんとやりたい」
でも、現実は・・・
- 「導入したけど、うまくいっていない」
- 「形だけになっている」
- 「社員が不信感を持っている」
- 「正直、面倒で負担になっている」
このような「やってるけどパッとしない」という相談(ぐち?)を、私は何度も聞いてきました。
なぜ、多くの中小企業は人事評価を上手く運用できないのでしょうか?
私なりの理由を整理します。
【明暗整理】
人事評価の失敗とは?
そもそも論ですが、中小企業における人事評価制度は、何をもって「うまくいってる」というのか?
どう運用できれば「よしっ!」と思えるのか?
おそらく…
- 手間がかからない
- 簡単に、公平公正に点数化できる
- メンバーの納得感も十分
- 評価を上げようというモチベーションも高い
これなら「よしよし!」
「人事評価、うまく運用してるよ!」と「どや顔」できるのでしょうね。
手間はかからず、
カンタンに、
公正公平に評価できて、
みんな納得!
・・・ごめんなさい!・・・
ハッキリ言います。
ムリです。
ふつうはムリです。
「やたら人事評価に強い経営者」でないと
「ムリ!」です。
「人事評価がメンドウ」なのではありません。
「メンドウ」と感じるか、感じないかです。

私は
「腕立て伏せ10回!」がシンドイ!
答えはカンタン。
「メンドウ」と感じない自分になること。



腕立て伏せ10回!が
平気な自分になること!
「手間いらずの簡単な方法」はありません。
「やたら人事評価に強い経営者」は、
「メンドウ」と感じたとしても
「シンドイ」とは思わないので
「うまくいってる」と言います。
ここに気付かないと
「トレーニング」を怠り、
「カンタンな方法」ばかり探してしまいます。
これが「失敗した」と言う経営者の正体です。
【現状認識】
人事評価を負担に感じる理由
どんな
「メンドウ」や
「シンドイ」があるか?
私の経験を振り返って「あるある」の3つを挙げると、次のようになります。
評価基準を作るメンドウ
「人事評価」には「評価基準」が必要です。
ネットで検索すれば、山のようにテンプレートが出てきます。
それぞれ
「立派な評価基準」ですが、
「難しいなあ」という第一印象だと思います。
続けて検索しても、なかなか「これ!」っていうのが見つかりません。
「自分で作るしかないか…」
ところが「どうすればいい?」で止まってしまう。
そこで、私に連絡がきて…



人事評価基準、作って!



おいおい「マル投げ」かいっ!
もちろん、分かってますよ。
「マル投げしたいわけじゃない」ことは。
でも、イチから勉強して、自分で作るのは「メンドウ」と思っているのですよね。
違いますか?
一人ひとりと向き合うのがシンドイ
「人事評価」は、各メンバーの一人ひとりの「評価=査定」をする仕組みです。
当然、その一人ひとりと向き合わないと「正しく、公正公平に評価」できません。
でも、これって「それなりのエネルギー」が必要。
「評価」は「上からの通告」ではないからです。
仮に「あなたは、B評価!」って伝えるだけであっても、そのメンバーの反応に神経を使うものです。
実際は「通告」ではなく「評価面談:1on1」を経て評価が決まります。
このプロセスで「両者納得」の一致点に至るまで、それなりのエネルギーを消費します。
まじめにやれば、やるほど。
だから「真剣に向き合わないと!」と思っている「まじめな経営者」ほど「シンドイ」って感じるのだと思います。
メンバーの中に不信感がある
メンバーたちが人事評価に対して不信感を抱いているようで「シンドイ」。
この相談も少なくありません。
メンバーたちの心の中に・・・
- 「社長が決めた評価を受け入れるしかない」
- 「自分の仕事と評価基準がアンマッチ」
- 「どうせ頑張っても評価は上がらないから」
このような
「彼ら彼女らのココロ」が透けて見えるから
「シンドイ」。
でも、その原因を観察すると…
- 経営者の評価とメンバーの自己評価のギャップを埋めてない
- 各人の業務内容が反映されてないズレた評価基準を使ってる
- どうすれば評価があがるか?を伝えていない
つまり
「制度とその運用の不備」という
「自業自得」。
ですよね?
【負担軽減】
うまくいくメンドウな方法
上述もしましたが「人事評価」はメンドウな仕組みです。
「うまくやろう!」と思えば思うほど、
「テマヒマ」が必要です。
繰り返しますが
「カンタンにうまくいく人事評価」はありません。
でも
「テマヒマ」のかけかた次第では
「シンドサ」を軽くすることができます。
次のようなことを試してみてください。
軽減策1:評価基準の改定
「何を評価するか?」
「どう評価するか?」
メンバーに「評価基準」を正しく伝えないと、誤解や不信感の温床になってしまいます。
「評価基準」は、下記の3つの点が特に重要です。
もし、改善点があるなら、さっそく「改訂版」を作成しましょう。
- 評価基準は、実務を反映した分かりやすい項目であること
- 各項目ごとに「あるべき姿」が、具体的に言語化されていること
- 評価レベルの区切りが明確であること
(例:3点と4点の違いは?)
大切なのは、メンバーたちが「こうすれば評価が上がるのね!」と理解し、考動に移せる「具体性」です。
軽減策2:評価のタイミングを正す
人事評価は、最低でも年2回=半年ごと、可能であれば年4回=四半期ごとに実施することをおススメします。



私は
「四半期評価」をしていました。
「こまめにする」方が
「ラクチン」だったからです。
人材育成が目的なので…
- 課題の相互認識
- 課題解決の進捗状況確認
- 課題解決のフォロー
- そして「元気づけ・勇気づけ」
…モチベートする機会を多めに設けることが効果的です。
もし、人事評価が年に1回だけというような制度であれば、人事評価を定着させることは困難です。
1年に1回、1年分の成果や反省点を「思い出しながら評価」しても、評価面談は「懐かしい思い出話」で終わります。
「評価情報」は、鮮度が命!
「記憶や記録」が新鮮なうちに「良し悪し」を共有する。
これだけでも、メンバーの「人事評価」への当事者意識は変わるはずです。
軽減策3:メンバーにとってのメリットは?
メンバーが人事評価に不信感を持っていたり、また、当事者意識が低いときの主な原因は「メリットを感じないから」です。
「人事評価は、採点され、プレッシャーをかけられる(一方的な)制度」というような印象を持っていれば、それも仕方がありません。
しかし、
「人事評価は成長支援の仕組み」であり、
彼ら彼女たちにとってのメリットは
「成長できること」です。
人事評価によって成長課題を明確に共有することが「最重要」です。
その上で、課題解決のためのフォローをする。
例えば、研修制度や、個別指導など「成長課題の解決の仕組み」があれば、「人事評価のおかげで成長できる」という、「成長意欲」を持ったメンバーにとっては十分なメリットを感じることができるはず。
軽減策4:そもそも伝わってる?
そもそも論。
「人事評価」は
「成長支援の仕組み」であることが
「正しく」伝わっているか?です。
「正しく」とは「実感」しているか?です。
「成長支援」の実態が伴っていなければ、
「正しく」伝わるはずがありません。
みんなで「成長」して
「もっといい会社」にして、
みんなでもっと幸せになろう!
この大切なコンセプトが全員に正しく伝わるような「実態」がとても大切です。
もし、そうでなければ「給与や賞与を決めるために(一方的に)採点される制度」という「誤解」に悩まされ続けます。
軽減策5:評価者スキルの改善
評価者が不慣れで、正しく(公平・公正に)評価することができなければ、当然、評価される側は「正しく評価されない」という不満とともに、人事評価制度そのものに対して不信感を持ってしまいます。
「正しく評価してもらっている」
各メンバーが納得するためには
「評価者スキル」がとても重要です。
- ×:人事評価の季節になって、過去を思い出して評価する
・・・最悪です。 - 〇:日常から評価基準に沿って観察し、適時アドバイスを送る
・・・このレベルです。
この「日常」があるから、評価されるメンバーは「いつも見てもらっている結果」という納得感があります。
優れた評価者の個人面談は「さっさと」終わります。
なぜなら、日常のコミュニケーションの中で、評価を伝えているので、評価者と本人のギャップが生じないからです。
「ギャップを埋める対話」がなければ、時間が短縮できるだけでなく、神経を使うことも少ない「省エネ評価」が可能です。
【そもそも】
人事評価がメンドウと思う理由
もうひとつ「そもそもの話」を追加しておきます。
身も蓋もない話。
経営者自身が
「人事評価をやりたい!」と思っているか?です。
その「想い」が強ければ強いほど
「メンドウ」とか
「シンドイ」と感じなくなります。
「最高のチーム」を作って、
「もっといい会社」にして、
「みんなで、もっと幸せになりたい!」
この「想い」が強くなればなるほど
「人事評価」への気持ちは強くなります。
「個々のメンバーの成長」が、
「チームのパフォーマンスを改善向上させるため」
に必要だからです。
それが
「もっといい会社」に成長するために必要だから。
このロジックを
「ホンネ」で
「欲」として持っているかどうか?
私は
「人事評価を成功させるコツは?」と聞かれたら、必ず
「経営者のやりたい欲」と即答します。
この「欲」が「コーチング契約」するときの、
私の判断基準でもありました。
もし、どうしても、この「欲」が湧いてこないなら、
・・・厳しい言い方になりますが・・・
人事評価制度は
「メリット」どころか
「リスク」にしかなりません。
「やるなら、ガッツリやる」
「できないなら、キッパリあきらめる」
中途半端なマインドで人事評価をすると、
チームを壊してしまいます。


【要点整理】
メンドウを感じないジブンに
さて、どうですか?
「人事評価がうまくいかない理由」と「解決策」を整理しました。
- 「簡単にうまくいく方法」はない
- 「メンドウと感じない自分になること」
- 評価基準には「具体性」が必要
- 評価情報は「鮮度」が大切
- メンバーのメリットは「成長できること」
- 評価者の「日常の観察」が納得感を生む
- すべての土台は、経営者の「やりたい欲」
お役に立ちますように!
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「組織戦略」全記事リスト
1部:概要編
2部:組成編
3部:採用編
4部:育成編
このサイトでは、ひとりでも多くの経営者の方々のお役に立ちたいという思いを持って、なるべく深く、そして詳しく発信しているつもりなのですが、「ひと」に関することには「どうしても書けないこと=公表できないこと」があります。
特に、人事評価とか給与賞与に関するマネジメントには、その性質上「社員さんたちには知られない方がいいこと」があります。
お察しのとおり、このサイトは経営者の方だけではなく、一般社員さんたちもアクセスし読むことができます。
すべて「理想論」や「タテマエ」で解決できればいいのですが、「人に関する実務」はそんなに甘いものではなく、時には「荒療治」しなければならないシーンがあります。この「荒療治」を文字で誤解なく伝えることはとても困難です。
また、カモフラージュした「事例紹介」であっても、当事者の方々にとっては「あ、この記事、当社のことやん」ってすぐにわかってしまいます。それは、その社員さんにとっても「あ、自分のことだ」とわかってしまいます。「いい話」の場合はいいのですが「よくない話」の場合は、気分を害したり、あらぬ誤解を生じさせたりするリスクがあります。
このような理由で「トラブル解決系」や「裏技的な方法」は、一般公開しているこのサイトでは書けません。
「それが聞きたいのに・・・」と、物足りなさを感じられる方も少なくないと思いますが、何卒ご了承ください。
ただ、トラブルや裏技が必要になるときの共通した原因があります。それは、この「組織戦略」を疎かにしてしまったリバウンドであること。念のために書き添えておきます。

