今回は「振り返り」の話です。
- なぜ、最高だったのか?
- なぜ、残念だったのか?
ジブンの考動を「なぜ?」で振り返る習慣。
結果評価ではなく、その「理屈」の解明です。
キーワードは「リフレクション(Reflection)」。
これは「経営脳のトレーニング」そのものです。
もっといい経営者になるには、もっと「ジブン」を知ること。
この習慣が、考動改善=成長に必要です。
今回は、「経営者のリフレクション」について、実践的な方法を交えながら整理していきます。
「10人~200人規模の中小企業経営者」の「自己投資=経営脳トレーニングのサポート」を目的に、「もっといい会社」に成長するヒントを日々更新しています。
40年近く税理士として中小企業経営を支援し、経営計画や管理会計、組織作りを専門とするマネジメントコーチ・堀井弘三が、その現場で得た豊富な経験と知識に基づき執筆しています。
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【定義確認】
リフレクションとは?
誰かがミスや失敗をしたとき。
多くの人は「気にするな!」と励まします。
でも、私は違います。
「気にしろっ!」
ミスや失敗は、チャンス到来!
- なぜ失敗したのか?
- どうすれば再発防止できるのか?
失敗やミスの「理屈」を考える機会だからです。
メンタルが凹んでいるなら、なおさら。
「リフレクションのチャンス到来」です。
一般的に「リフレクション」とは、「自分の行動や考えを振り返り、学びや気付きを得ること」 と説明されています。
私なりの定義は・・・
「考動と結果の因果関係を鮮明にし、ジブンの考動のクセを知ること」
考えたことと行動したことで結果が決まります。
私のド定番のフレームワーク「結果=考動」です。
この「結果」と「考動」の間にある「因果関係」の解明。
- なぜ、この結果になったのか?
- どんな考え方・行動が影響したのか?
これをクリアにし「ジブンの考動のクセ」を解明することが「リフレクション」です。
つまり「ジブンを知るコト」です。
【自己認識】
正しく振り返っているか?
リフレクションは、良い時も悪い時も必要なアクション。
- ミスや失敗の再発防止
- 成功の再現性や持続性を高める
いずれの場合も「ジブンの考動とその結果の因果関係」を鮮明にする必要があります。
しかし、中小企業経営者を観察していると、次のような残念な人に出会うことがあります。
- 運任せの経営者
うまく行ったときに「運が良かった!・ラッキー」で済ませてしまう - 他責の経営者
うまく行かなかったときに「他者や環境のせい」にしてしまう
「運」も「他責」も否定するつもりは全くありません。
それで「上機嫌」になれるなら、そのメンタル効果もバカにできないからです。
しかし、それだけで済まてしまい「自分を振り返ること」をしないのはダメなのです。
「自分は悪くない」なんて思うのはもってのほかです。
いつまでたっても「ジブンのこと」がわからないままです。
心当たりはありませんか?
【実践指針】
リフレクションを習慣化する
「リフレクション」は、日常のルーティンにすることが効果的です。
良い時、悪い時に限らず、何もなくても「リフレクションの習慣化」。
もちろん、いきなり完璧なリフレクションでなくても大丈夫です。
1日5分でもいいので「とりあえずやる」ことが大切です。
その具体的な方法をいくつか紹介するので、できそうなことから実践してみてください。
リフレクションを定例化
まずは、時間を確保 しましょう。
記憶が鮮明なうちに 振り返るのが効果的です。
おすすめは「日記を書く」こと。
できれば「手書き」で。
- 毎日:日々の考動と結果を記録
- 週末や月末:因果関係を整理
ちなみに、私は
- 毎朝 30分:日記
- 毎週日曜 90分:リフレクション
を習慣化しています。
(最初から30分もかけなくて大丈夫。「今日の一行」だけでも、やらないよりマシ。)
この習慣で、私が気付いた「本当のジブン」があります。
「ああしよう!こうしよう!」と「宣言」の記載が多い。
なのに「宣言したこと」を忘れてしまう。
数か月後、また同じような「宣言」をしている・・・。
「ジブンの継続記録」を読み返したときに知ったことです。
さすがに「オレ、言うだけ番長やん!」と自虐的につぶやいたのを覚えています・・・。
経営脳の5つのレイヤーを活用する
「リフレクション」の目的のひとつは「課題発見と解決策の明確化」です。
自己を振り返り・・・
- 何が課題か?
- どうすれば解決するか?
- 取り組む優先順位は?
・・・という具合です。
これを考えるために「因果関係」の解像度を高める必要があります。
とはいえ、リフレクションのコツがつかめず「何を振り返ればいいのか?」と戸惑う人もいます。
最初は「チェックリスト」があった方がやりやすいと思います。
そのためのオススメが「経営脳の5つのレイヤー」です。

- マインドセット
- フィジカル
- メンタル
- スキル
- センス
この各カテゴリーごとに自己内観するとやりやすくなります。
例えば:
- マインドセット:考え方に問題はなかったか?
- フィジカル:体調は万全だったか?
- メンタル:感情に左右されなかったか?
- スキル:必要なスキルは十分だったか?
- センス:相手の気持ちを感じていたか?
このように、各レイヤーごとにチェックすることで、振り返りが具体的になります。
時には日常から離れる
時には、日常から離れることも効果的です。
「リフレクション」は、ジブンを客観視すること。
「ジブンのことを他人事として冷静に観察する」ための環境を準備しましょう。
たとえば、私が若い頃から実践している「セルフ合宿」は・・・
- パソコンやスマートフォンの電源はオフ
- ホテルの一室に2泊3日で籠もる
- 完全「独りぼっち」になる
これで、(私の場合は)客観的かつ冷静に振り返りやすくなります。
ただ、日常から離れるために「旅に出る」というのは、あまりおススメしません。
私の経験上、旅に出ると日常から離れすぎて、妙にドラマチック?センチメンタル?というか、どこか「美化」してしまうことがあるからです。(私だけかもしれませんが;笑)
【失敗事例】
リフレクションのつもり
「リフレクション、やってはいるけど、あまり効果を感じられない・・・」
こんな声を聞くこともあります。
「典型的な失敗パターン」もリストしておきます。
その1:表面的な振り返り
「今日は良い一日だった!」「もっと頑張ろう!」
いわゆる「現象」の振り返りです。
必要なのは「原因」です。
上記の日記は「現象記録」ではなく、「因果関係の記録」です。
「旨いものを食って、楽しい夜だった」と書いた後に「なぜ」を記録しなければなりません。
そのためには、最低でも3回は「なぜ?」を繰り返して「現象の原因」を掘り下げることです。
「なぜ、うまい!と感じたのか?」
「なぜ、楽しい!と思ったのか?」です。
その2:感情に振り回される
調子が良いときは「すべてうまくいく!」と思う。
悪いときは「もう何をやってもダメだ…」と落ち込む。
感情に影響されやすく、リフレクションに苦労する人が少なくありません。
心当たりがある人は「感覚的な言葉」を使わないように気を付けましょう。
「口癖修正」です。
- 「メッチャ儲かった!」ではなく「前期比20%アップだった」と数値化
- 「かなり悪いで!」ではなく「正常値に対して30%ダウンやん」と数値化
- 「みんなが言ってるで!」ではなく「誰と誰が言ってるで!」と特定
このような調子です。お試しあれ。
その3:思い込みに縛られる
原因を特定したつもりであっても、それが「思い込み」や「勘違い」の場合があります。
主観に影響されすぎると次のような失敗をしてしまいます。
- 売り上げが好調なのは、景気がいいから?=景気じゃないかも
- 社員の採用が進まないのは、イイ人がいないから?=イイ人はいっぱいいる
- 体調が優れないのは年だから?=いや、深刻な病の前触れかも
「本当にそうなのか?」と、客観的に振り返ることが必要です。
心当たりがあれば、慣れるまでは信頼できる経営者仲間やコーチなどにフィードバックしてもらうことが近道です。
「原因は***だと思うけど、どうだろう?」と相談できる相手を探しましょう。
その4:アクションにつながらない
リフレクションの目的は「考動変容」。
振り返っただけで終わっていませんか?
「次回は気をつけよう!」だけで、具体的なアクションに落とし込まない。
これでは「ただの自己満足」になってしまいます。
「三日坊主で終わってしまった・・・」ではなくて、
「三日坊主にならないように、公言してしまおう!」って感じです。
リフレクションは、考動につながってこそ意味があります。
「リフレクションしたのに、何も変わらない」と感じるときの多くは、アクション不足です。
「考動変容=何をどう変えるか?」まで、しっかり落とし込み、そして、実行しましょう。
(元言うだけ番長の私からのアドバイス・・・)
【要点整理】
「気付き」を「考動」につなぐ
さて、どうですか?
「経営者のリフレクション」 について整理しました。
- リフレクションとは、考動と結果の因果関係を鮮明にすること
- 正しく振り返るために、感情や思い込みに左右されないこと
- 環境を整え、定例化・文書化でリフレクションを習慣化すること
リフレクションは 「気づいて終わり」ではなく、「考動につなぐこと」 が大切です。
これを習慣化できると「自分が変わる」という実感を得ることができるはずです。
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