「いい人だと思ったのに、また期待外れ」
繰り返す採用ミス。
なぜなんだろう?
人手不足が慢性化していますが、
「いい人」の採用は順調に進んでいますか?
「こんなはずじゃなかった…」というような
「採用ミス」はしていませんか?
その原因は、募集や面接などの「方法が原因」だと考えがちですが、現実はそんな「単純な原因」ではないので、繰り返してしまいます。
私が経験的に思うのは
「本質的な原因は別のところにある」。
「組織戦略」において避けて通れない
「採用ミスの課題解決」。
本稿では、多くの中小企業経営者の共通の悩みでもある「採用ミス」について、その本質を紐解きます。
「なぜ、採用は難しいのか?」を深掘りします。
【組織戦略】
「採用」の戦略的位置づけ
本題に入る前に「なんの話か?」を確認しておきましょう。
「経営戦略」の中の
「組織戦略:採用」の位置付けについて
「おさらい」が必要なら、ここをクリック。
(必要なければ、次に進みましょう)

【痛み共有】
採用ミスによる4つのダメージ
ここで取り上げる「採用」は、イベントスタッフのような「一時的かつ量的な採用」の話ではありません。
チームの一員としての「仲間の採用」のことです。
だから、ミスると、その悪影響は様々な面に及びます。
- 経済的ダメージ
- 採用コストはもちろんのこと、
成果に見合わない給与や賞与の支払い。 - 目の前の採用コストだけにとどまらない
「継続コスト」が発生します。
- 採用コストはもちろんのこと、
- 組織的ダメージ
- その「ミスった人材」によるチームへのストレス。
- 周囲のメンバーのモチベーションが下がり、最悪の場合、優秀な人材が離職するきっかけになることもあります。
- 精神的ダメージ
- 「なぜ、採用してしまったんだ」
「これからどうしよう」という後悔や悩み。 - 経営者のメンタルを消耗させます。
- 「なぜ、採用してしまったんだ」
- 経営計画へのダメージ
- そして、何よりも大きいのは、これらによる「戦略=経営計画」への悪影響です。
- 「もっといい会社にしよう!」という流れに反する「お荷物」を背負ってしまうことになります。
採用ミスは、単なる「人事の問題」で済ませられません。
上述の連鎖で表現すると・・・
採用でミスる
↓
チーム力が低下する
↓
戦略実行がぎくしゃく
↓
いい会社にならない・・・
さらに、一時的な課題で終わらず、会社の将来にまで影響する「大きな経営課題」です。
【原因分解】
「能力か?」「環境か?」
経営者が期待している
「いい人」とは
「チームのパフォーマンス」を
「量的」または「質的」に
「高めてくれる人」ですよね?
「いい人」がジョインしてくれると、事業のスピードや広がり、深さが変わります。
その期待通りだったら「採用は成功」。
しかし、そうでなかったら「採用は失敗」。
この「失敗」の原因は、2つに分解できます。
- 「よくない人材」を採用してしまう「ミス」
- 「よくない人材」にしてしまう「ミス」
人材のパフォーマンスは「能力×環境」に大きく左右されます。
「能力」が不足していれば、
「環境」が整っていても、活躍できない。
「能力」があっても、
「環境」が悪ければ、活躍できない。
「能力」がある人は
「環境」が整っていれば
「イキイキ」するのです。

「水を得た魚」なんていいますよね。
その話です。
「期待通りの人材」でなく「採用をミスった!」と思った時、「原因はどっちか?」の見極めをしないと、解決策がブレてしまいます。
- 「能力」の見極めができなかったのか?
- 「環境」を整えることができなかったのか?
このふたつの原因は、まったく違いますよね。
「能力」が、この「採用編」のテーマです。
「環境」は、別の「育成編」のテーマです。
さて、どちらに課題がありそうですか?
ここでは「採用時の能力の見極め」にフォーカスして話を続けます。
【本質解明】
見極め力の解決視点
なぜ「能力」を見極められなかったのでしょう?
重要なのは「見極め力」の視点です。
「見極め力」とは
「一般的な能力の見極め」ではなく
「当社にとって必要な能力の見極め」です。
カンタンな例を示すなら
「英語ペラペラ」という「語学能力」。
海外取引がある会社なら
「必要な能力」でしょう。
しかし、そうでなければ
「不要な能力」ですよね。
「当社にとって必要な能力の見極め」ができない主な原因として3つをリストしてみます。
原因1「採用基準がないから」
「当社が必要とする能力」を
「言語化」したものが
「採用基準」です。
「見極め」でミスる会社を観察すると
「採用基準」が曖昧です。
厳しく言うなら、そもそも「ない」。
「採用基準」が曖昧なので(ないので)
「照合作業」ができないのです。



「採用基準」が
「ぼんやり」してると
「ぼんやりした人」が入ってくる…
「どんな人材を探しているんですか?」
この質問に
「当社の採用基準に合致した人」
と回答してくれる会社は、
「ミス率が低い」ものです。
それに対して…
- 「とにかく、いい人が欲しい」
- 「そうだな、経験者が欲しいね」
このような
「感覚的願望」で答える会社の多くは
「ミス率が高い」ものです。
この「症状」が悪化すると・・・
- 「採用って、こんなもんでしょ?」
- 「最近は、いい人がいないから」
- 「いい人は、他社に行くから…」
- 「贅沢は言ってられんし…」
「ん?あきらめてるの?」と思うような反応が返ってきます。
原因2「スキル偏重だから」
この「採用基準の話」をすると、
「ちゃんとあるよ!」
「あってもムリムリ!」
って怖い顔をされることがあります。
負けずに、こっちも怖い顔をして
「じゃあ、見せてよ!」。
さらに怖い顔をした経営者が
「これやっ!」と見せてくれます。
(ふむふむ…ほら、やっぱり…)
「採用基準」は確かにある。
でも「スキルだけの基準」。
「あれができるか?」
「これができるか?」
「それもできるか?」というリスト。
「スキル」だけでいいのか?です。
「考え方」も大切なはず。
説明の都合上、
あえて極端な例示をすると…
「スゴイスキル」を持っているのに・・・
- 協調性が無い人材
- マナーがなってない人材
- 気が短い人材
- オレ流が強すぎて、人の話を聞かない人材
スキルが高いからって、ガマンできますか?
仮に、経営者はガマンできても、チームのメンバーは、いっせいに「ムリ!」って言うはずです。
つまり
「スキルだけの採用基準」では
「ミス率」は下がりません。
- どんな考え方をしているか?
- どんな価値観を持っている?
- 倫理観は正しいか?
そうです、
「マインドセット」の見極めも欠かせないのです。
いや、むしろ
「マインドセット」の方が
「スキル」より重要!
と私は思っています。
「スキル」はイマイチでも
「マインドセット」が整っていれば
「伸びしろ」が期待できるからです。
「スキル偏重採用」をしていると、
「価値観相違」や「考え方のズレ」
で後悔することが多いものです。
これは、次の「発揮能力」にも大きく影響します。


原因3「発揮能力を見てないから」
もうひとつ、「採用ミス」の原因で散見されるのは「発揮能力」に目が行ってないケース。
「能力の見極め」はしたのに期待外れ。
でも、見極めたのは「保有能力」。
この「保有能力」と「発揮能力」については、この記事で詳しく紹介しているので、併せて参考にしてください。


【要点整理】
採用力が明暗を分ける時代
さて、どうですか?
「採用ミス」の原因について
「能力の見極め」にフォーカスしました。
慢性的な人手不足が続く限り、ますます「チーム作り」が、会社の明暗を左右することはご承知の通りです。
「採用力が高い会社が競争力を高めていく」
言い換えれば・・・
「採用力に劣る会社は益々苦しくなっていく」
すでに「肌感覚」で感じていると思います。
緊急度が高いテーマですね。
だからこそ、
小手先の「採用方法」ではなく、
本質的な「採用力」を高めることが大切。
関連記事も順次アップしていくので、併せて参考にしてください。
お役に立ちますように!
【関連記事】
「組織戦略」全記事リスト
1部:概要編
2部:組成編
3部:採用編
4部:育成編
このサイトでは、ひとりでも多くの経営者の方々のお役に立ちたいという思いを持って、なるべく深く、そして詳しく発信しているつもりなのですが、「ひと」に関することには「どうしても書けないこと=公表できないこと」があります。
特に、人事評価とか給与賞与に関するマネジメントには、その性質上「社員さんたちには知られない方がいいこと」があります。
お察しのとおり、このサイトは経営者の方だけではなく、一般社員さんたちもアクセスし読むことができます。
すべて「理想論」や「タテマエ」で解決できればいいのですが、「人に関する実務」はそんなに甘いものではなく、時には「荒療治」しなければならないシーンがあります。この「荒療治」を文字で誤解なく伝えることはとても困難です。
また、カモフラージュした「事例紹介」であっても、当事者の方々にとっては「あ、この記事、当社のことやん」ってすぐにわかってしまいます。それは、その社員さんにとっても「あ、自分のことだ」とわかってしまいます。「いい話」の場合はいいのですが「よくない話」の場合は、気分を害したり、あらぬ誤解を生じさせたりするリスクがあります。
このような理由で「トラブル解決系」や「裏技的な方法」は、一般公開しているこのサイトでは書けません。
「それが聞きたいのに・・・」と、物足りなさを感じられる方も少なくないと思いますが、何卒ご了承ください。
ただ、トラブルや裏技が必要になるときの共通した原因があります。それは、この「組織戦略」を疎かにしてしまったリバウンドであること。念のために書き添えておきます。


