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12:経営計画の目標|賞与から利益を逆算するシン視点

2026 1/03
2024年10月8日2026年1月3日
H.HORII

賞与、どのように決めていますか?

一般的には「利益が確定した後に、その一部を分配する」という考え方です。

このWEBサイトで紹介している「業績連動型賞与」も、確定した利益から計算して分配する方法です。

今回は、発想を反転させてみます。

つまり、
「賞与をいくら支払いたいか?」を先に決める。

「経営計画」の「目標利益」は、そこから逆算。

本稿では、「目標賞与」を先に決めて、そのための「目標利益」を逆算することについて検討します。

この考え方(方法)は、メンバーのモチベーションを高める仕組みとして「一考の余地」があると思います。

「10人~200人規模の中小企業経営者」の「自己投資=経営脳トレーニングのサポート」を目的に、「もっといい会社」に成長するヒントを日々更新しています。
40年近く税理士として中小企業経営を支援し、経営計画や管理会計、組織作りを専門とするマネジメントコーチ・堀井弘三が、その現場で得た豊富な経験と知識に基づき執筆しています。
初めてアクセスしていただいた方は、「このWEBサイトについて」をまずご覧ください。

INDEX

【現状共有】
賞与に対する”普通”の考え方

冒頭に書いたように、一般的には「(確定または見込みの)利益から賞与を考える」という経営者がほとんどです。

利益がしっかり確保できた年は、賞与を多めに出す。

逆に、利益が厳しい年は、賞与を抑える。

しかし、現実はそんなにシンプルではありません。

たとえ利益が出ていなくても、「ゼロにするわけにはいかない」 というプレッシャーがあります。

最悪の場合、金融機関に出向き、賞与資金のための短期融資を受けることもある。

これが中小企業のリアルです。

一方、社員の側はどう考えているでしょうか?

「今期は頑張ったから、たくさんもらえるはず!」という期待を持つのは自然なこと。

業績が悪くても「自分たちは頑張ったのだから、それに見合う賞与が欲しい」と望んでいます。

つまり、多くの企業でこんなズレが起こっています。

  • 経営者:利益が出れば支給/利益がなければ抑制
  • 社員:業績に関係なく、自分の頑張りに対して期待する

これが、賞与にまつわる「普通の考え方」です。

【賞与とは】
生活給とは別の利益分配

本題に入る前に、「給与」と「賞与」の違い を整理しておきましょう。

  • 給与 は、生活給。「業績ではなく」、スキルや成果に基づいて決めるもの。
  • 賞与 は、利益分配。本来は「利益が出れば」、それに応じて決めるもの。

つまり、給与は業績が悪くても支払う責任があります。

一方で、賞与は利益がなければゼロでもおかしくない のです。

しかし、現実はこの境界が曖昧です。

そのため、「業績が悪いから減給」「業績が悪いのに借金して賞与を支給」など、「ちぐはぐ」が散見されます。

「給与」と「賞与」の区別について、経営側も社員側も「あいまい」だからです。

【視点転換】
賞与を”結果”ではなく”目標”に

ほとんどの経営者は・・・

「給与や賞与をたくさん支給して、日頃の活躍を労い、報い、そして喜んでほしい」

・・・と考えています。

しかし、十分な利益が確保できなかったときは、その思いを実現することも、伝えることもできません。

そうなってしまう本質的な原因は「賞与は結果」という考え方が根底にあるからです。

そこで、本稿の提案は 「賞与を目標にする」 という視点転換。

  • 「いくら賞与を支払いたいか?」を先に決める
  • そこから「目標利益(必要利益)」を逆算する

これにより、賞与が「淡い期待」ではなく「明確な目標」になります。

この目標は経営者の心の中だけに留めるのではなく、チーム全員で共有することが重要です。

「この目標を達成すれば、希望通りの賞与が支給される!」

そんな意識が生まれれば、社員の当事者意識も変わります。

【参考試算】
賞与のための目標利益の設定

ひとつの計算サンプルを示しておきます。

中小企業における「人的コスト比率」は、限界利益の40%以内に収めることがひとつの目安になります。

「人的コスト」には、文字通り、給与や賞与以外の通勤手当や社会保険の会社負担分、さらに福利厚生も含む「人に関するコスト全般」なので、ここでは「賞与は限界利益の10%」で試算してみます。

例えば、30人の会社において、一人当たり平均で@100万円/年の賞与を支払いたいとすると、下記のような計算になります。

  • @100万円×30人=賞与総額3000万円
  • 必要限界利益=3000万円÷10%=3億円

シンプルですね。

一人当たり平均で年間100万円の賞与を支払いたいのであれば「3億円の限界利益」を達成すればいいという計算です。

限界利益率が20%の会社であれば、売上目標は15億円ということになります。

【目標共有】
もらうものから目指すものへ

前述したように、この「目標賞与」は、チーム全員の目標となります。

「限界利益3億円を達成して100万円の賞与をゲットしよう!」という目標設定です。

もちろん、これが単なるスローガンであってはなりません。

限界利益3億円を達成するためには・・・

  • 「何をやればいいか?」「何をやめればいいか?」を考える場を設ける
  • 進捗具合を月次でモニタリングし、それを共有する
  • メンバー個々の成長課題をクリアにし、チームとしての課題解決に取り組む

・・・などの具体的な考動が欠かせません。

この日常的な取り組みによって、「会社の利益=自分たちの賞与」という認識が強まります。

つまり、賞与は「受け身=もらうもの」ではなく「自分事=目指すもの」に変わるのです。

ただ、注意点は「目標のリアリティ」です。

目標は、現実的かつ達成可能なラインを見極めることが重要です。

無理に高い目標を設定すると、かえって士気を下げるリスクもあります。

そのための私の提案は、下記のような「3段階の目標設定」です。

  • 限界利益3.0億円=平均賞与100万円
  • 限界利益2.5億円=平均賞与83万円
  • 限界利益2.0億円=平均賞与66万円

「確実なライン」を下限とし、併せて「ひょっとしたら行けるかも!」というチャレンジャブルなラインを上限として「幅を可視化する」ことで、リアリティは増します。

【要点整理】
自社オリジナルを考案しよう

さて、どうでしょう?

視点を逆転して「目標賞与」から「目標利益」を計算するサンプルを紹介しました。

  • 賞与に対する一般的な考え方=「利益ありき」であること
  • 生活給としての給与と利益分配である賞与を明確に区別すること
  • 賞与を目標にすること
  • 目標賞与のための目標利益の設定のサンプル
  • 目標賞与に連動させた目標利益をチーム全員で共有すること

賞与は、業種や規模、各社のカルチャーによってもその仕組みや制度には差があります。

このサンプルをコピペするのではなく、これを参考に「当社のオリジナル」を考案しましょう。

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中小企業の経営計画
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この記事を書いた人

H.HORIIのアバター H.HORII

「もっといい会社」にするためには「もっといい経営者」になればええねん!が口ぐせ。
「経営脳:5つのレイヤー」で体系化した独自のマネジメントメソッドで、10名~200名規模の中小企業経営者を「リセット・コーチング」。
専門は「36カ月の経営計画」「管理会計」「チームビルディング・人事評価・業績連動型賞与制度」。
1999年に創業した自身の税理士事務所を2022年に事業承継し、現在はコーチ専業。
このサイト「Re!」はライフワーク。
「経営者のための思考のインフラ」としてお役に立てるように日々更新。

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