突然ですが「あなたのアタマはいつもクリアですか?」。
中小企業経営者のアタマの中には、戦略立案や課題解決、日常の判断や意思決定、さらに良好なコミュニケーションのための気遣い、おまけにプライベートなことまで・・・ただでさえ「いっぱい・いっぱい」になりがちです。
だから、日々の忙しさから整理がつかずモヤモヤしたり、ひどい時にはちょっとしたパニックに陥ってしまったり。
整理整頓して、いつもクリアな状態を保つことが大切!・・・と当然ながら分かっている。
でも、アタマを常にクリアに保つことは、簡単ではありませんよね。
そこで、今回はぜひ習慣化しておきたい「分解思考」を紹介します。
これは、物事を複数のパーツ(要素)に小分けして整理する思考方法のひとつです。
これによって、物事の解像度が増し、より論理的に考えることができるようになります。
さらに、常にアタマがクリアであることによる精神衛生上のメリットも見逃せません。
この思考法は、決して難しいノウハウでもなんでもないので「意識するだけ」で誰でも習慣化できます。
もし「アタマの整理が苦手」であれば、ぜひ参考にしてみてください。
「10人~200人規模の中小企業経営者」の「自己投資=経営脳トレーニングのサポート」を目的に、「もっといい会社」に成長するヒントを日々更新しています。
40年近く税理士として中小企業経営を支援し、経営計画や管理会計、組織作りを専門とするマネジメントコーチ・堀井弘三が、その現場で得た豊富な経験と知識に基づき執筆しています。
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【分解思考】
要素を小分けにして考える
「分解思考」とは、物事を複数のパーツ(要素)に小分けにして考える思考方法です。
例えば、最もシンプルかつ一般的なのが「売上高=単価×数量」。
これは「分解している」という意識すらないと思います。
しかし、「売上をどうやって上げるか?」といきなり考える場合に比べてどうでしょう?
「単価」と「数量」に分解すると、とても考えやすくなりますよね。
結果、答えのバリエーションが増えたり、また、そのアウトプットのスピードが上がります。
さらに、複数のメンバーで考えるときには、相互コミュニケーションも取りやすくなります。
分解して考えることを意識して心掛けると、思考の範囲やスピードなど、知的生産性はワンランクもツーランクもアップするはずです。
これは、「意思決定が仕事」である経営者にとっては必修と言っても過言ではありません。
なにより、前述したように「精神衛生上の効果」も見逃せません。
【活用事例】
フレームワークあれこれ
- チーム力=攻撃力×守備力
- 野球の投球=球種×スピード×コース
- 行きつけのお店=料理×価格×接客×利便性×わがまま許容度(=注:私の場合w)
このように、私は、プライベートでも無意識に分解していることがあります。
同じように、中小企業経営のシーンを想定して、分解思考の活用例をリストアップしてみましょう。
定番のフレームワーク
- 5W1H=When+Where+Who+What+Why+How
- 3C=Customer×Competitor×Company
- 4P=Product×Price×Place×Promotion
これらは、定番のフレームワークですが、分解思考の定番です。
例えば、商品戦略を考える際には「4P」を使って
- Product:商品力は?
- Price:販売価格は?
- Place:販路は?
- Promotion:販促は?
と分解することで、とても考えやすくなります。
時間で分解
- 長期計画→中期計画→短期計画
- 短期計画→月間計画→週間計画
経営計画のプランニングにおいても、分解思考が欠かせません。
「どんな人生を送りたいか?」を起点として、長期計画から短期計画までブレークダウン。
これは「時間を分解して考える」という典型的な事例です。
人の役割で分解
チームビルディングにおいても、分解思考が必要です。
スポーツに例えると、フォーメーションのプランニングですね。
「どんなチームが理想か?」を起点として、ピラミッド型の組織図を可視化。
その上で、各人の役割を整理することで、不足するポジション、不足するスキルが鮮明になり、今後の採用計画や育成計画のプランニングに役立ちます。
「経営脳:5つのレイヤー」「3G」
このWEBサイトで紹介している「経営脳:5つのレイヤー」も「3Gマネジメント」も、私が分解思考で整理したものです。
- 経営脳:5つのレイヤー:マインドセット×フィジカル×メンタル×スキル×センス
- 3Gマネジメント=社会・取引先×メンバー×経営者
【アナログ】
手を動かしてアタマを刺激
分解思考するときは「デジタル」より、「手書き」の方がアタマがより刺激されて思考の幅や深さが広がります。
そのための実務的なツールとして、次のようなフォーマットがありますので、実際に紙に書いて活用してみてください。
二軸図

たとえば「行きつけのお店」を「味」と「値段」に分解して考えるようなときに縦軸と横軸という二軸をひいて「見える化」すると鮮明度が高まります。
仕事においては「優先順位」を考える際に「重要度」「緊急度」の二軸に分けて考えるときの定番です。
マトリックス

二軸図は「強弱」で考えるときのフォーマットですが、こちらは、二軸の要素の組み合わせを整理するときに便利なフォーマットです。
ロジックツリー

クドイ説明は不要だと思いますが、分解思考の代名詞のようなフォーマットです。
マンダラ(曼荼羅)

大谷君の目標達成シートで改めて注目されている今やブーム?のフォーマットですね。
【注意点!】
MECEを心掛けること
思考のクオリティを高めるためにとても効果的な分解思考ですが、注意点(デメリット・リスク)があります。
それは「分解もれ」「分解ミス」です。
いわゆるMECE(ミーシー:Mutually Exclusive and Collectively Exhaustive:もれなく・ダブりなく)で分解されてないと「重要な要素が漏れる」ということが起きます。
例えば「投球=球種×スピード×コース」と分解すべきところ「コース」を忘れてしまうと「考えてるつもり」になってしまい、分解することが裏目に出てしまいます。
もれなく分解するように注意しましょう。
ちなみに、最近では「AIに分解してもらう」のもとても効果的です。
例えば「中期経営計画を立案します。頭を整理したいので、シンプルに要素分解してください。」とリクエストするだけで、瞬時にこのような答えが返ってきます。
中計は単なる数字の羅列ではなく、納得感のあるストーリーになっていることが重要です。
以下の流れで思考を繋げてみてください。
- 【過去・現在】 我々はこれまでこう戦ってきたが、環境はこう変化している。
- 【未来】 だからこそ、3年後にはこう変わらなければならない(ビジョン)。
- 【課題】 しかし、現状にはこれだけのギャップ(課題)がある。
- 【解決策】 そこで、この「重点戦略」を実行する。
- 【結果】 それによって、この「数値目標」を達成する。
- 【基盤】 その実行を支えるために、組織や仕組みをこう変える。
【要点整理】
もっとアタマを良くする!
さて、どうですか?
もっとアタマをよくするための「分解思考」を整理しました。
分解思考とは、ものごとを複数のパーツ(要素)に分解して考える思考法です。
- 定番のフレームワークを修得する
- 時間で分解する視点
- 人の役割で分解する視点
- ブログの定番「5つのレイヤー」「3G」は超おススメ!
決して難しいノウハウでもなんでもないので「意識するだけ」で誰でも習慣化できます。
MECEに注意しながら、フル活用してみてください。


